エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンスのレビュー・感想・評価
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ただのナンセンス映画としか感じられなかった そこまで理解してたら見...
ただのナンセンス映画としか感じられなかった
そこまで理解してたら見に行かなかったけど
見ない方が良かったとまでは思わない
最近逆差別というか
白人優位な訳ではない作品が
やたらと持て囃されてる気がする
最初からB級扱いなら傑作だけど
2時間でまとめて欲しい
ちょっと中だるみ
ウエストポーチをウエストに付けるな
序盤、移動しながら、人物も入れ代わり立ち代わりしながら、早口で会話が繰り広げられる。
更にアメリカ在住の中国移民ということで、文化や常識の基点も分からず無駄に疲れた。
ウエストポーチを用いたアクションは面白かったが、相手は職務に殉じているだけの警備員。
まぁここはコメディとして割り切ります。
しかし、肝心の設定がよく飲み込めず。
「最弱だから最強になれる」という、まるでラノベのような設定だが、より遠くに飛ばなくてはならなくなるだけでは。
ダウンロードした能力が切り離される条件も不明。
何より、鍛えてない身体で同様の動きができるなども違和感が強い。
ジョブ•トゥパキと闘ってたかと思えば父親と闘っていたり、そもそも税務局員はじめその他大勢は何故襲ってきたのか。
何故途中でジョイに戻ったのか。
ず〜〜〜っと闘ってるから、途中ウトウトしてしまい、あまり理解できてないかも。
事件の発端は、若いときに大抵の人が通る虚無感による希死念慮でしかなく、マルチバース通してそれか、と。
落とし所も捻りなく『愛』に帰結し、これもマルチバースを経験したからこそ、というものでもない。
映像表現、テーマ、映画的要素などそれぞれ盛り込みすぎで、カオスといえば聞こえはよいがまとまり不足。
この作品に限らず、詰め込むときはバランスを考えてほしい。
奇想天外、めまぐるしい…。
まー、よくこんなごちゃごちゃした世界観をつなぎあわせたなー、と。今流行りのマルチバースだけど比較的わかりやすいかも。カンフーはいつみてもカッコ良いし。ただ、大絶賛すぎる気もしなくはないが…ミシェルヨーとクワンの演技は見もの。世の中が言うようにこの2人がいなければ成り立たなかった作品だなー、と。面白かった。
渡辺直美が出てましたよね⁇
ん〜〜 この作品が様々な賞を獲得したとは… 理解に苦しみます。
ジェイミー・リー・カーティスは、昔と変わらず体当たりの演技でしたが、体型は特殊効果だと信じたい。
肩車のシーンは、RRRを馬鹿にしていて、腹立たしさを感じざるを得ません。😤
映画では、凶悪な敵と戦っていましたが、久々に睡魔と戦い、一瞬負けそうになりました。
良い話だった。
映画のレビューというのは
自分が1人で観て(又は複数人でまみて振り返り足りない部分を)感想補完し合いつつ再度考え直す
ことが前提だと思っているので実際観てから他者の評価を気にするものだと思っている
なのであらすじ等は不要と思いますが
基本はコメディにしつつ監督の伝えたいことを突きつけてくる映画だった
評価は分かれるだろうという感想。
自分は何が言いたいかを汲み取れて
その表現にも不快感というほどには拒否感は覚えなかったので
少なくとも"合っていた"のだろう
キャスティングや同性愛等のテーマについても色々な人に向けて作りたかったからというだけで問題には感じなかった
オチについても「やっぱり映画はこうやって終わらせたいじゃん?」ということで。
“No rules.”
あまりの低評価にビビりながら劇場へ。ハードルが下がったせいか、私は割と楽しむことができました。とはいえ、超絶カオス世界がジェットコースターのように展開されるので、途中からストーリーを追うのを諦めましたが(笑)。多分、「ワケわからん」と思って観るよりも「観たことのない映画」だと思って観るのがオススメかも。そうすると、シンプルな「家族な物語」が浮き彫りになって、多少は観やすくなるんだと思います。特に「二つの石」のシーンは良かったです。「マルチバース」という概念は馴染みがありませんでしたが、現実世界では平凡(或いは平凡以下)な登場人物たちにも何らかの「可能性」や「希望」があることを示しているのかもしれないなぁ、などと思いながら映画館を後にしました。
なんか最後、いい話にして感動させようとしてたみたいだけど、設定が複...
なんか最後、いい話にして感動させようとしてたみたいだけど、設定が複雑でよくわからないし、画面もちょっと暗いし、俺はあんまり面白く感じられなかった。
上映時間も正直、長く感じたよ。
もっとわかりやすく、ギャグで押し切ってくれれば良かったのに。
せっかくのミシェル・ヨーが、もったいない。
あ、でも今のキー・ホイ・クァンを見られたのは嬉しかったな。
初めてだ
初見だと、多少、眠気が有っても寝ないのに、この映画は、あまりにも訳が分からなさ過ぎて、眠気が無かったのに寝てしまった。
初見の時に寝たのは初めてだ。
目当ての映画までの時間潰しに見ただけだから、全く期待して無いのに「カネと時間を返せ」と思ってしまう。
いくら「マルチバース」で、「カンフーの達人な自分」の能力をダウンロードしても、ハード(この場合、自身の肉体)が「修行も訓練も積んで無い主婦」なのに、達人と同じ動きをして肉離れや骨折、脱臼すらしないのは、さすがにおかしいでしょ。
「あの」トロフィーが妙に見覚えのある形だと思ってたけど、形から連想した「ブツ」そのままの使い方をした時には、笑わずにはいられなかった。
「ブツ」を使ってジャンプしても、その「ブツ」を撤去したら弱くなるのはなんなん?
ダウンロード済みなら、「ブツ」が無くても強さは変わらないのでは?
この辺で、ますますワケわからなくなった。
素晴らしき感動のおバカSF映画!
この映画は100人が観て100人が「最高!」というWell-Madeな映画ではありません。
なにせ、死体から出るオナラで命を救うというおバカ映画「スイスアーミンマン」の監督ダニエルズですから。そして制作にマーベル映画のルッソ兄妹という最強タッグです。
この映画にはこれでもかという程のテーマ、おかずが満載です。
・家族愛(夫婦愛、親子愛)
・ADHD(多動症(マルチタスクで脳がパンクする))
・アジア移民、LGBTQ+クィア、人種差別
・カンフーアクション
・映画パロディ
・下品でおバカ
これだけの要素をマルチバースという世界に落とし込みます。
前半は呆れるくらいおバカですが、後半は感動の涙。
普遍的な家族愛がテーマになっていますが、現代社会のSNS論争や、ナショナリズム、人種差別問題などのメタファーにもなっています。
映画を見ながら「わけわからない」からと言って、考えることをやめてしまうと、それで終わりです。
上面上はおバカで下品な映画ですが、とっても私たちが生きる上で大切なことを改めて気づけさせてくれます。
最高におバカで下品、マニアックでオタクでカオスな最高の映画でした!
アクションが良い
アクションは楽しくストーリーも感動する部分があり良かったです。
石になっている所は特に良かったです。
ただ下品な所はあまり面白くないのでいらなかったのではと思いました。
衣装とメイクが素晴らしく観ていて楽しかったです。
マルチバース設定はあまり必要性が感じられなくて残念でした。
面白い映画でしたが、賞総なめするほどの映画とは思えませんでした。
SF映画が好きになれない
批評家の元祖ともいえる小林秀雄は「批評とは人をほめる技術だ」と教えた。映画の伝道師である淀川長治は「どの映画にも見所はある」という名言を残した。大家のいわれることは肝に銘じてどんな映画を観てもその作品のよいところを探そうと努めてきた。しかし、つまらないと感じるものを観てしまった時はやはりつまらないと一言いいたくなるし、特に映画館で観た場合は、時間とお金を費やしたこともあって、どうしても損をしたという感情はおさえきれない。
トラブルだらけの家族と破産寸前のコインランドリーを抱え、困窮しているアメリカの中国人移民の話という設定は興味をそそられた。税務署に赴くまでの最初のシーンはこれからどんな展開が待ち受けるのだろうかという期待感があった。しかし、マルチバースの世界が登場してからがあらすじを追うことすらできなくなった。その部分は後からネットのネタバレサイトを読んでなんとか理解できたのだが、そもそもリアリティのある人間ドラマが好きな私にとってはあまりにも現実離れした展開がたえられなくなり、ずっと退屈な時間が過ぎていった。自分はSF映画がどうしても好きになれないということがわかった。エブリンの高い演技力は確かに認めるが、登場人物の誰にも感情移入できないまま映画は終わってしまった。
最後のいろいろ多くの世界を見てきたけど、やはり身近な家族が一番大事という家庭円満で終わるところはわかりやすくてよかった。最初と最後はまんざらでもないのだが、これを観るならほかに優先してみるべき映画があったと後悔した。でも、ストーリーよく理解した上で、もう1回観てみたいという気持ちもないことはない。
そこにAIはあるんか?
この作品の全ての要素、
全てのシーンのどこを切っても、
どこを編集しても、
10分の作品として成立させる事ができそうな気がする、
石のシークェンスだけで5分でも可能か。
5分の20回以上の繰り返しと捉えれば楽しめるが、
139分のストーリーとして捉えると楽しめない、
いずれにしても、
【そこに愛はあるんか】さえ、
外さなければ。
(脳にAIはあるんか、
アルジャーノンは花束を持ってるのか、
スパイダーバース、ハローワールドはうまくやってたよ。
なぜ?
アニメは抽象度が上がるので、
世界観に乗りやすい。
実写だと、キアヌやフィッシュバーン、ゴールドブラム、アライグマ等、キャラに要工夫。
エブエブ家族、コインランドリー、納税、この辺りの生活感の具体度と、その具体のシナリオのプロットが多すぎるので、世界観に乗るのに邪魔になる(気になるが乗れる乗れないが賛否の差の要因)。プロットを減量してれば解決できたか?
シンチー先生だったらやりきれたか?
もちろん、モザイク駆使の尻丸出しのB級テイストは中途半端でつまらなさ過ぎるけど、メジャーを意識したアカデミー賞いけるんじゃね的な、だってhow many roads must a man walk down?もノーヘル賞的な匙加減だろうからしかたないのだろう。)
でも映画だから、、、
A24がやるんだから、、、
タイムリープものの恋愛映画にはしない、
メタバース的なアクション映画とも違う、
インターステラーを下品にして、
ジャンパーのように短時間にまとめましょう、
いや、
オレらはA24だぜ、
139分ひっぱりましょう、、
打合せは大変だけど、、、
all at once.
everything、everywhere、、、さすがはA24。
【蛇足】
数々の映画の文法、
スタイル、常識を壊してきたA24。
ウェルメイドのタイムリープ作品が、
続いていた数年前の公開なら、
本作は痛快だったかもしれない。
自分たちでやり始めた、
スクラップandビルド。
本作はありなのか?
A24内でも、
声が出たのでは?
全部、どこでもいい、
すぐに切れ。
ハチャメチャだけど結構好き!
こんだけ複雑な設定でハチャメチャやってるのに最後は感動という(笑)
僕は結構好きでした!
アメリカに移住した中国人の家族を主人公に、母親がある日突然マルチバースという別次元に巻き込まれて戦いに挑む話。
アクションシーンは完全にジャッキー・チェンを意識してましたが、これが実に再現性が高いです!
長棒を使ったりコミカルな動きがジャッキーそのもので、凄くテンションが上がりました!
また、マルチバースという今マーベル映画でも取り入れられてるテーマがクレヨンしんちゃんレベルにハチャメチャに描かれながら、実にドラマ性が強くて夫婦や家族のいざこざや愛情が描かれてて感動しました。
映像の演出面では、
マルチバースを飛び回る場面ではパプリカの要素、主人公のミシェル・ヨーと旦那のとある平行世界での出来事ではウォン・カーウァイ映画の映像演出がされてて、映画ファンにとってはニヤリとしてしまう場面もあって面白いです。
ジャッキー・チェンの要素にクレヨンしんちゃんみたいなハチャメチャな内容で、最後は家族ドラマに着地するという(笑)
でもバビロンで感じたごった煮の違和感を全然感じないし最後まで楽しめました。
好き嫌いは分かれると思いますが自分は大好きです!
奇想天外も・マルチバースも・エキサイティングも・おバカも・深いテーマと普遍的な感動も、全て一つ
組合賞など前哨戦の圧勝から見ても、まず本作のオスカー受賞はほぼ間違いない。大本命。
にも関わらず、日本では酷評の嵐。訳が分からない、理解不能、最低最悪、駄作…。
結構楽しみにしてたので何かちょっとガッカリもしたけど、いざ見てみたら、いや普通に面白れー!じゃん。
話や設定だって訳が分からないって事はなく、しっかり分かる。これの何処が訳が分からないの…??
昨今のハリウッド映画の何でもかんでものマルチバースが飽きたから…? マルチバースって言い換えればパラレル・ワールド。日本だったら『ドラえもん』などアニメや漫画でよくある。お馴染みじゃん。
ハリウッドと中国の仲良しこよしがムカつくから…? 本作のアジア人キャストは80年~90年代映画ファンには堪らない。ハリウッドとは縁の無いと思っていた彼らが今こうしてハリウッドを席巻して嬉しい限り!
またまた人種やLGBTなどへのポリコレにうんざりだから…? それらも全く意味ナシの設定ではなく、ちゃんと話や展開上に織り成す。ディズニーの“ポリコレ・ワールド”とは訳が違う。
まあ確かに好き嫌いは分かれるタイプの作品。好きな人はハマり、ダメな人にはとことん何もかもダメ。
だって、スタジオはA24で、監督は異色の作品を発表し続けるコンビ。万人受けする作品じゃないのは見る前から分かる。後は自分がハマれるか、否かだけ。
勿論好みはあるが、ハマれないからと言って最低最悪の駄作ではない。皆大好き『鬼滅の刃』や『SLAM DUNK』が性に合わない人だっている。それら王道が良くて本作のようなブッ飛んだ作品がダメなんて事は絶対にない。
映画のイマジネーションは、それこそマルチバースのように無限大。
だから私はその無限のイマジネーションに唸った。
ブッ飛んでて、奇想天外クレイジーで、メチャクチャヘンテコ。
その中に、ユーモアやエキサイティングさ。おバカやお下品も。
果たしてどう着地するのかと思ったら、まさかまさかの深いテーマや感動的な家族のドラマを魅せてくれる。
見る前は、マルチバース×カンフーのSFアクション・コメディがよくオスカーにノミネートされたなぁ…と思ったが、見て納得。奇想天外に見せて深みのある、本作の本質はここにあり。
とは言え、アカデミー賞も変わったもんだ。一昔前だったら一部門もノミネートすらされていなかっただろう。でも、変わる事はいい事だ。いつまで経っても変わらず、本作のような作品が認められなかったら、アカデミー賞なんてやる意味も必要もない。それこそ日本バカデミーレベル。
もう一度言う。私は面白かった!
話そのものも面白い。
破産寸前のコインランドリーを営む平凡な中年女性。
父は惚け、夫は不甲斐なく、娘は反抗期。国税庁の職員も容赦ない。
もう人生どん底。これが私の人生なの…? 私の人生ってこうなる運命だったの…?
そんな彼女の前に“現れた”のは、マルチバースから来た夫。全宇宙の危機を救う為に力を貸して欲しい。君は“選ばれし者”だ。
しかも全宇宙を支配しようとしているのは、マルチバースの娘で…。
…って、よくもまあこんなへんちくりんな話を思い付いたもんだ。こんなの思い付く人は、天才かバカか。
おそらく監督のダニエル・クワン&ダニエル・シャイナートの通称“ダニエルズ”はその両面を併せ持っている。
天才じゃなきゃこんな作品をまとめる事は出来ない。
バカじゃなきゃこんな発想は生まれない。
劇中でも言ってたじゃないか。バカをすればパワーが増すと。
某アニメソングにもあるじゃないか。♪︎頭空っぽの方が夢詰め込める
本作のインスピレーションの一つが、斬新な日本のアニメーションからというのも何だか嬉しい。
なるほど確かにジャパニメーションを彷彿させる要素も。
バカをしてマルチバースの自分とリンク。“ジャンプする”。
あっちはバカはしないけど、もうこれ、まんま『攻殻機動隊』じゃん!
『攻殻機動隊』と言えばあの革命的ハリウッドSFアクションにも影響与えたよね。本作は所々、その作品を思わせる。
別世界とリンク、別世界の脅威、レジスタンス(みたいな仲間たち)、選ばれし者、己の運命…。カンフーや移動指揮車内なんてあの工作船。
そう、『マトリックス』!
本作は新世代の『マトリックス』だったのかも…?
その他映画ネタ(『2001年宇宙の旅』『レミーのおいしいレストラン』)や細かな伏線も鮮やかに繋ぐ。
だけどやっぱり、このブッ飛んだアイデア!
昨今のマルチバース…つまりはMCUに於いてはヒーローやヴィランのコラボで扱われているけど、本作では“別宇宙の自分”という本来の設定を踏襲しているのがいい。
様々なマルチバースでは…、カンフーマスターの自分がいる。映画スターの自分がいる。料理人の自分がいる。
指がソーセージの世界や生物発生の起点が無く“石”の世界もある。
もし、自分だったら?…と、想像膨らませてみるのも楽しみの一つ。
そんな別世界の自分とリンクして…何だか昔、『ドラえもん』見てた時のワクワク感。
幾つものマルチバースや自分が目まぐるしく交錯して展開。
何だかここも分かりづらいと叩かれてるけど、いやそこが面白い所なんじゃないの!
別宇宙の自分がジャンプ。能力が備わり、性格も変わる。
特にそれがユニークだったのは、夫のウェイモンド。“この宇宙”では冴えないのに、“別宇宙”がジャンプしたらキリッと切り替わる。キレッキレのカンフーと、あのウィンクにはやられたね。
登場人物はそんなに多くはない。でも各々が一人数役こなしているようなもんだから、ある意味アンサンブル劇!
ヒューマンドラマの実力派女優としてのミシェル・ヨーとアクション女優としてのミシェル・ヨー、両方を一つの作品で見れるのが嬉しい。
他にもコン・リーやチャン・ツィイーもいる。でも、ミシェル・ヨーなのだ!
監督コンビは彼女ありきで脚本を書き、断られたらどうしようと思っていたという。ヨーは、ハリウッド作品では単なる背景や空気でしかないアジア人中年女性を主役にしてくれた事が嬉しくて堪らなかったという。
望み、望まれたケミストリー。
娘(マルチバースではヴィラン)役ステファニー・スーの容姿に関して叩いている輩もいる。美少女の方が良かったなどと。この役、美少女アイドルだったら合わなかっただろう。あの母親や世の中に対してのうんざり感、マルチバースでのふてぶてしさが絶品だった。もし日本だったらまたバカの一つ覚えみたいに橋本環奈みたいな美少女をキャスティングするんだろうなぁ。
ジェイミー・リー・カーティス姐さんも宿敵ブギーマンみたいなしつこさと異形で襲い掛かってくる。ちゃんとユーモアも交えて。
父役ジェームズ・ホンは御年94歳、キャリア70年以上の大ベテラン! 惚けた父だが、その存在や設定にも中国問題の一つ、家父長制を提起させる。
キャストで最大の話題が、キー・ホイ・クァン。
近年稀に見るカムバック。彼の経歴についてはもう充分知られているので、わざわざ語る事もないだろう。
ユーモラスで、哀愁あって、人間味あって、アクションも披露して、美味し過ぎる役所。
また、キー・ホイ・クァンという役者自体が本作(=マルチバース)を表していた。
80年代は子役として活躍し、役者の道を一旦諦め裏方へ…。
もし、あの時役者を続けていたら…? もし、あの時映画界を去っていたら…?
全く別の人生を送っていたかもしれない。ジャッキー・チェンが夫を演じ、クァンはそれを観客として見ていたかもしれない。
裏方でもいいから、映画の世界にしがみつき留まっていたから…。
彼はこうして帰ってきた。素晴らし過ぎるカムバックで。
『インディ・ジョーンズ』の子役、昔のジャッキー・チェン映画にも出ていたアクション女優…。リアルタイムで見ていた人には感慨深いだろう。
これは同窓会ですか!
マルチバースの危機を救う…なんて聞くと壮大なSFと感じるが、本作は各々個人に行き着く。
もし、あの時ああしていたら、ああだったかもしれない。
もし、その時そうしていたら、そうだったかもしれない。
もし、この時こうしていたら、こうだったかもしれない。
人生はほんの些細な決断や選択で無数に枝分かれしていく。
あの時ああ選択していたら、この時こう決断していたら…。
結果は変わっていたかもしれないなんて、誰だっていつも思う。良くも悪くも。
もし、今冴えない人生だからって、決断ミスだったのだろうか…?
もし、今何不自由ない人生だからって、心底幸せなのだろうか…?
今の人生。こうだったかもしれない人生。あり得たかもしれない人生。
それら無限のマルチバースの中から、今の自分がいる。
選ばれし自分などではなく、それが自分なのだ。
存在を成し、意味を成し、今ここの自分に行き着く。
無数の自分は、一つ。
その時、今の自分と周りに、何が見えてくるか。何が大切か。
向き合う事。受け入れる事。理解する事。愛する事。
優しいだけが取り柄の夫、反抗期の娘、惚けた父だって、破産寸前のコインランドリーだって、どん底人生だって。
温もり感じ、愛おしくなってくる。捨てたもんじゃない。
突飛な奇想天外映画である。
エキサイティングな映画である。
究極のおバカ映画である。
そして、普遍的なメッセージに溢れた珠玉の映画である。
追記その1
本作の話や設定を訳が分からない、理解不能という意見に対してもう一つ。
多くの人が『アバター』を平凡な話だと言う。平凡だったら平凡で退屈だと言い(『アバター』は映像世界に没頭出来るよう敢えてキャメロンの優しい配慮で話はシンプルにしているのだ)、そのくせ少し複雑になると訳が分からない、理解不能と言い出す。何だかなぁ…。どうしろっちゅーねん。
追記その2
本作の略したタイトルが、如何にも配給会社の流行りワードにしようとしている魂胆が見え見えで好かん。何でもかんでも略せばいいってもんじゃない!
最高だった
「スイス・アーミー・マン」のダニエル・クワン&ダニエル・シャイナートが監督と知って楽しみに観に行ったけれど、期待をはるかに超える面白さだった。
家族、多様性、毒親問題、ミドルエイジクライシスなどなど、ともすれば重くなりそうなテーマを、マルチバース設定に乗せることで限りなくポップに、楽しく見せてくれる。あまりにもバカバカしい展開に何度も笑ったし、クライマックスのあの展開には思わず泣いてしまった。物語の落としどころにも納得。
ミシェル・ヨー、キー・ホイ・クァンの演技も素晴らしいけど、個人的には娘役のステファニー・スーが凄く良かった。
イメージの洪水
奇想天外なイメージがものすごい勢いで次から次へと飛び出してくる。まるで巨大なおもちゃ箱をひっくり返したような感覚。学生がギャグで作った低予算のアホな作品を、大人が大真面目で作ったみたいな。
この発想の洪水をきちんと映画作品に仕上げてくるダニエル両監督の手腕に恐れ入った。おそらく当人は、かなりの変わり者なのではないか。
最後は、家族愛で締めくくってホロリと泣かせる展開も良かった。
やれる技術全部盛り込みました!!!
ポリゴンフラッシュあります。
おばはんがカンフーで戦う所がMAXオモロい所でそれ以降の盛り上がりは笑いのツボがズレてるっぽくて、はぇー。で終わりました。
展開とか撮影技法とか、アイディアとか、そういった意味合いでの3.5なので、必ず映画館で観るべき映画では無いです。
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