エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンスのレビュー・感想・評価
全706件中、341~360件目を表示
不寛容な世界へぶち込む愛の爆弾
朝のワイドショーを見ていたら、アカデミー作品賞は見事『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』が獲ったというニュース。それを見ながら「そんなたいそうな映画じゃないんだけどなあ」などと感じつつも、ぼくはなんだか嬉しかった。なぜちょっとばかしの違和感を感じたかというと、やっぱりオスカーは「まっすぐなエンタメ」が獲るという勝手なイメージがあって、この映画はその真逆を行く「ねじ曲がったエンタメ」であるし、もっと言うと素朴で小さな「家族についての映画」だと思ったからだ。
この作品が作品賞を始めアカデミー賞をほぼ総ナメした大きな理由の一つは、ここ数年ハリウッドが抱える(世界中が抱えるとも言える)リベラリズムの問題を抜きにしては考えられないだろう。だけど、そのへんは置いておいて。今日は忘れないうちに、この素晴らしい映画を観て想ったことを書き留めておこう。
例によって、なんの前知識もなく映画館へ。主人公エヴリンの夫ウェイモンドがあの『グーニーズ』の少年だということも後で聞いて「あ〜!!」と驚いたくらい。
予告編を見て、マルチバースを行き来しつつカンフーで戦うんだろうなと認識はしていたし、ストーリーはそこから遠くに逸れはしないが、ぼくは大きな勘違いをしていたようだ。
この映画は、マルチバース/カンフー/アメリカにおけるマイノリティの問題、この三つを大きな主題として持つ。
そもそもの製作開始の発露はどこだったんだろう?と想像してみる。中国人移民が主人公の映画を撮ろうと考えたのだろうか。アジア系アメリカ人であるダニエル・クワン監督の胸にはアジア人差別問題への意識も少なからずあるはず。それともマルチバースの映画を作ろうとしたのか?製作陣はアベンジャーズの監督でもあるし。はたまた、現代アメリカにおける最新のZ世代カンフー映画に挑戦したのかも。と、いろんなことを考えながら観た。ひょっとしたら、どれも間違っていないのかもしれない。しかし、ぼくが納得できた結論は、これは家族の映画だということだった。妻と夫、親と子。母親と娘。
SF的な説得力や、本格的カンフーのアクション性に欠ける(恐らくそれは意図的に?)本作だけど、そこがなんとなく空想の世界を進んでいるような、観客を夢見ごごちにさせる何かを持っている。この映画の真のリアリティは、娘が母親を見据える眼差し。あの、非難と哀れみと諦めが混ざり合ったような、あの眼差しだけではないだろうか。それはとりもなおさず、新しい世代が古い世代へいつも向けてきた眼差しでもある。
自分の子どもたちと日々を過ごしていると、長い年月のうちに大きなギャップができていることに、ふと気づく。自分が若かった頃、親の世代に押し付けられそうになったありとあらゆる古い価値観。そんなものと闘いながら成長したはずだったのに、ある日気づくと、自分も同じようなモノを子供たちにお仕着せしようとしている。
ある日、主人公エヴリンの娘ジョイはガールフレンドを伴って祖父(エヴリンの父)と会う。エヴリンは気を遣ったつもりで、高齢の父親に「ジョイの友人だ」とガールフレンドを紹介する。しかし、親のご都合主義は、娘の生き方の否定以外の何ものでもない。
その時ジョイが母に向ける目つき。ぼくは自分の子供たちが似たような色合いの目つきをぼくに向けたことを憶えている。ザラザラと苦い気持ちが心の底にじわっと広がる。彼らとぼくの間に明らかに横たわる、不寛容のマルチバース。
そんなときに親ができることは、実はそう多くはないのだろう。凝り固まった自分をぐちゃぐちゃに壊して、そして最後は愛のカンフーで闘うこと。そんなことくらいしかないのかも。この果てしのない距離を、少しでも埋められるのなら。
真っ直ぐに生きてきたつもりの世代の価値観が行き詰まりを見せ、そこから発生するネガティヴィティが世界をすっぽり覆い尽くそうとしている。それに対する究極のオルタナティヴな一手、愛のつまった爆弾が本作だと思った。
単館系SFアクション作品に親子愛をひとつまみ
これ、レイティングGなの?大丈夫?
PG-12かR-15では?短い間隔のストロボ明滅とかコンマ秒での画面スイッチングは具合悪くなったりしないのか心配。
好みがパキッと分かれそうで、好きな人は猛烈に好きだろうけど、苦手な人も多そうな作品。
作品中に伝えたいメッセージ?の愛とか多様性とかは分かるけど、表現方法として素直には飲み込みにくかった。
単館系作品にありそうなサブカルな要素てんこ盛りで下品なシーンもたっぷりのインディーズ感の香りが強すぎる
照明やカメラアングルなどが他ではあまり見ないような独創な感じがあったので、オリジナリティあるなとは感じた。
ただこれが今年のアカデミー賞作品賞と脚本賞なの?マイノリティが破天荒なことをしたら、何にでもありなのか疑問
これがアカデミー賞への挑戦状
映画の選択肢として
よく分からなかった。
予告編を見て暴力シーンが多いので遠慮していたが、アカデミー賞7部門で最優秀。早速映画館に行ってみた。
突然に始まる異次元の世界へ。この展開からしてよく分からず。そして過去と現在が行き来し、その相手とどうして殺し合いになるまで戦うのか。深い意味があるのかないのか。高齢の私にはヒットしなかった。感情移入もできず、どうも楽しめなかった。
結末もこれで終わりとあっけなかった気がした。
ビックリする映画
国税庁に書類を提出に行くだけで、こんな世界にいきなりなるという設定には驚きました!
監査官が遅いかかってきて、エヴリンが殴りかかりで、そこから流れが変わりカンフーしているウェイモンドがジャッキーチェンに見えてしまうし、エヴリンが真矢さんになぜか思えてしまうぐらい七変化のうまさを感じてみえました
税金はしっかり申告して払いましょうみたいな映画かと思いきや娘が、男性のシンボルを武器にしたりと絶対に映倫GではありませんW
笑ってしまったのが、ラカクーニの代わりになって上に乗るくだりが何度かあって笑ってしまいました。
カンフーとかコメディーやマトリックスが入った内容とLGBTサイコパスが合わさった感じでした 手がソーセージになるのが、何の表現をしたかったのかがわかりませんでした?
解説付きでもわからないと思います。感動したと言う方には申し訳ないないのですか、感動より理解したいけど、無理矢理理解しなくちゃなならない映画だと感じました
また観たいかと言われればと言われるとお腹いっぱいです。
最後のオチが観にきた客が退室して数える程度にしかいなかったのもビックリでした
ありがとうございました!
ドラゴンボールの戦闘シーンを延々と見せつけられてるような気がしました
この映画が面白いのかつまらないのか分かりません
とてつもない名画を観てしまったと思えるような時もあれば、ダラダラと同じようなシーンを繰り返しみ観ているようにも感じました
自分は途中二回仮眠しました、、、、
この映画を手放しで絶賛出来る方って凄いですね
自分はもう一回観ないと評価できないように感じました
そう思わせてしまうのもこの映画の魅力なのかもしれません
はちゃめちゃすぎてちょっと取り残された感アリ
アカデミー賞は「貧困と家族」から「混沌と家族」へ
「貧困と家族」を扱った作品がしばらく続いたアカデミー賞、今年は「混沌と家族」を扱った今作が受賞。
コロナ、戦争、世界の分断など。実生活でも混沌が身近な世の中ですね。
混沌の中でも隣の人に親切でいれる自分でありたいですね。
かしこ
カント的映画
デート映画には避けるべきと思う
物凄い勢いで話が進むので、出来れば吹き替え版で見たかった
内容は、シリアスな現実とぶっ飛んだマルチバース世界が表裏一体になった映画なのだけど、正直好きにはなれなかった。
彼女を取り囲む現実の大変さも伝わってこない(確定申告の締め切り近くの封切りは、狙っているなら面白いけど)し、
マルチバースのぶっ飛び方も、下品な方向(絶対にデート映画には向いていない)に偏っている気がするし、
日本のマンガやマトリクスに比べるとそこまでぶっ飛んでおらず、
カンフー映画としても、香港映画を、見て育った世代としては、も一つな感じで、
要するに色々詰め込んだけど、みんな中途半端に思えて、友だちには薦められない。
なぜアカデミー賞を取ったのだろうか?
話についていけん
忙しい展開で面白いが子供には不適切な表現がちょっと…
テンポの良い展開で楽しめるがアダルトグッヅのディルドゥブン回したり、モザイクかかってきたアナルプラグが入るやつとか、猿ぐつわされて責められたりちょっと子供に余り見せたくない内容が残念です。
渡辺直美さんを思い起こさせる娘の衣装や化粧が素敵です。
一瞬なのに多くのパターンが映るシーンは考えると凄く大変そうですが動画配信などされたらコマ送りで見てみたいです。俳優、世界観など良いと思います。
万人向けでは無いものの素晴らしい作品だとおもいます。
ごめんなさい、受け入れられない。
期待外れ
星マイナスにしたいくらい。なんでこれが騒がれてるの?
【1】登場人物が好きになれない
・まずジョイとベッキー、本当に付き合ってるの?ジョイだけ苦しんで悩んでてベッキーは突っ立って見てるだけな気がして…これカップルじゃなくて友達でも良かったのでは?
・エヴリンの夫がなぜか愛と寛容の象徴みたいになるのが謎すぎる。
コインランドリーの経営をエヴリンに任せきりでヘラヘラ客と談笑してて、お客さんの荷物に目ん玉貼って遊んで、離婚を切り出す勇気すらなく離婚証明書をつきつけてエヴリンに決定権を委ねようとする奴がなんで急にもてはやされるの?
・爺さんは爺さんで最後までエヴリンに何もかも任せきり。この映画の男どもは何故成長しないの?
・エヴリンが作中の1番のヴィランだと思った。ただの毒親でしかないのに「こう生きるしかなかった」可哀想な人として見せられるのがとても不愉快だった。
【2】全く笑えない下ネタ
デ◯ルドで戦うレズビアン、下ネタ大好きな中学生が考えたような陳腐ネタ。
ア◯ルプラグネタも何が面白いのかさっぱりわからなかった。ゲイだよwwwwレズビアンだよwwwwほら笑えwwwwておちょくられてるようで不快。
一瞬だけ映ったエヴリンのベッドシーンもいらねえ〜
【3】どこがマルチバース?
想像してたマルチバースと全然違った。鉄板焼きの店や中華衣装着た歌手、なんやかんやでアジアという括りにめちゃくちゃ縛られてるじゃん。これ主人公が白人だったらもっと色んなバースあったよね?
【4】衣装が泣ける程ダサい
映像の色彩センスにギリッギリ救われてるけどジョイの衣装が死ぬほどダサくて泣けた。生え際浮きまくりのウィッグと美容専門学生がやったような下手くそなメイク、顔と骨格に全く合ってないゴテゴテの服…スタイリストいなかったの?
ドヤ顔でジェレミースコットのアディダスコラボ着てる名シーンみたいな演出も痛々しい…何年前の服だよそれ…「アジア人だから原宿ガールぽくしてみましたー^_^」的なハリウッドお得意のアジアごっちゃ混ぜに呆れた。
【5】ゴミみたいなエンディング
後半もう期待はしてなかったけど案の定
家族賛美エンド。「あー、フィクションですら毒親に苦しまされた子供は親を許して面倒見なきゃいけないのか…」て思わされて怒りと悲しみで脳が疲れた。
指がソーセージのバースでエヴリンが作中一番幸せそうにしてたのにあのゴミ夫と仲良しヘテロエンド。結局ただのクィアベイティングかーい。
【6】良かった点
石のバース
色彩センス
くらいかな…
【7】全体的な感想
この映画がアカデミー賞受賞してて、
LGBTやクィアにオススメされてる意味もわからない。
どちらかと言うと、LGBTやクィア当事者の子供を持つ親、または毒親が見て気持ち良くなるオ◯ニー映画だなって思いました。
いや、これが80年代とか90年代の映画だったらまだわかるよ?でも今の時代にまだこの程度なの?
二度と見ません!😃
開眼
エブエブ、深層心理に語りかけるようである意味怖かった。
SFのような話で、大きな宇宙(マルチバース)の中では小事にこだわらず、大きな愛で生きよ、と言われているような。仏教的な教えにも通じるものを感じた。
この映画のカオティックな世界観に対する評価は、人によって1にもなれば5にもなるだろう。自分は他の映画と比較して相対的に4をつけた。好きな映画かと言われればそれほど好きではないが、あれだけ大きく展開したカオスをどのように収束させるのだろうと思ってみると、最終的に前述のような思考へと着地していくのが非常に興味深い。また、世代的にはグーニーズの子役が大人になってもちっとも変わっていないのが何気に嬉しかった。
最後に個人的な話で恐縮だが、娘役がどことなく離婚した妻との間にできた自分の娘に似ていて、ストーリーとも重なり胸が痛くなったのだが、別れた世界線と別れていない世界線、いくつもあるなかで、すべてがリアルなのかも知れないと思うと、どの世界線であろうが娘や家族に対する愛や思いやりを貫こうと思った。
全706件中、341~360件目を表示