「楽しい分岐」エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス なつさんの映画レビュー(感想・評価)
楽しい分岐
実は「マルチバース」って言葉に慣れてなくて、マーベル系かな?と。実際視聴したのはスパイダーヴァースしかなかったし。
そしたら、時を掛けるエヴリンでびっくりした。
しかも、彼女の選択しなかった世界に飛ぶとか。
家長制度とか、傾いた事業のコインランドリーの税金問題、離婚を考える気弱な旦那、同性愛者の娘、その人種などなどエヴリンは様々な問題を抱えていて、わーーー!!ってなる寸前でエージェントになる旦那に時を飛ぶ命令をされる。
どこの世界でのエヴリンはお亡くなりになってるとか…私の知ってるような知らない設定。
エヴリンは様々な時の分岐を経て戦い続ける。
時には血を流し、尿を漏らし。
女優、歌手、コック、格闘家、ピザ看板勧誘、手がソーセージ、謎も多いが、いろいろな方法で謎の敵と戦う。
なんの為かよくわからん。
しかし、謎の中毒性がある…このバタバタの寸劇をもっと観たいと思ってしまうのはプロレス技とか下手なカンフーとか第3の目が開くというオタク心ゆえなのか。
謎の敵はの親玉は娘ジョーイ。
彼女が見せる謎のベーグル…
なんだか、意味がわからないけど涙が出てきた。
謎なのよ!ベーグルって側がパリパリして中がもっちり、ケシの実とか振ってるあれ。あれ?なんでこんなシーンで泣いてるのだ?と不思議だった。
この話は母娘の深く広い対話なのかな?と思った。
最終的にエヴリンの取る行動は戦いではなく優しさ。
それは気弱な夫の「優しく」の言葉を受け止めての行動。
今まで敵だった奴らが幸せになっていく姿はご都合的っぽいがとても良かった。アライグマ助かって良かったね!
石になってまでも娘に寄り添い続けるエヴリン。
ジョーイと共に崖から落ちるエヴリン。
ここまで愛されてる事を知れば娘としたら嬉しいのだろう。
最後のアレはただの照れ隠し。
序盤で飛ぶ為の分岐が旦那に真剣に告げるアイ・ラブ・ユーだった事。
これも伏線回収するかなと思ったら言葉ではなく心のこもったキス。
足は口ほどに物を言うってのを知った作品。