劇場公開日 2023年3月3日

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「ワースト オスカー?笑」エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス ヘルスポーンさんの映画レビュー(感想・評価)

1.5ワースト オスカー?笑

2023年3月13日
iPhoneアプリから投稿

第95回アカデミー賞で作品賞、監督賞、脚本賞、編集賞、主演女優賞、助演男優賞、助演女優賞受賞の7冠!

こんな小学生が考えたような話がアカデミー賞受賞というのは確かに快挙!アカデミー賞は変わった!(良い意味か悪い意味かは別として)と言われるのは納得。

「フェイブルマンズ」が受賞なしというのは絶望しかないが、本作の受賞スピーチを暖かく見守るスピルバーグの優しい微笑みを観て少し落ち着きました。

マルチバースからカンフー要素もバカバカし過ぎて、本作には「作家性」や「カオス」、「斬新」といった言葉は勿体なくて使いたくない笑

低予算B級映画界隈の中でなら全然ありで笑いながら「つまんねー」と言うだけだが、A24配給ということで、そういった界隈とも距離ができてアート映画風の「とんがった映画作ったぜ」感が出てしまっていて苦手だ。

「2001年宇宙の旅」、ウォン・カーウェイの「花様年華」、「レミーのおいしいレストラン」など、別のユニバースが映画パロディになってたのは笑えたが、やたらと下ネタ(特にソーセージやディルドなど男根ネタ)がしつこく出て来るのがノイジーでした。その後に家族ネタで泣かせようとしてきても泣けないって笑

深読みする類いの映画でもないと思うので、単純に本作の映像が楽しめなければそれまでであろう。

再びアカデミー賞ですが、編集賞は「トップガン マーヴェリック」に取って欲しかった!!←あれだけの膨大な映像を編集をして全ての辻褄合わせをしたエディ・ハミルトンさんは本当に編集の天才だと思う。キングスマンやキックアスのキレッキレの編集もかっこ良かった。

本作エブエブも冒頭の鏡を使ったショットはかっこよかったけど、時間が進めば進むほど話にイライラしていき、現状に不満そうだが具体的に何が不満かわからない主人公が、色んな可能性の自分を体験して最後には真理に気付いちゃった的な演出で一家団欒ハッピーエンド。特に悪いことしていない税務署の警備員達は殴られ損。変なことをしないと他の宇宙の自分と繋がらないというのも、自分の型から外れないと可能性が広がらないみたいな意味かと思うが、型も大事だろとも思うし、型の外し方も炎上youtuberやTikTokerみたいな幼稚な方法しかなかったので、ここもノレなかった。バカな事で自分の枠を壊して"逆にカッコいい"わけはなく、どストレートに"バカ"なだけなので、ある程度の型や自制心って大事だわと再確認できた映画だった。

ヘルスポーン