「胸えぐる映画」ロストケア 映画イノッチさんの映画レビュー(感想・評価)
胸えぐる映画
人は人を殺してはいけない ! でも、国は人を殺してもいい。
逆に国が人を殺すこと、それこそが正義なのだといいきれる社会は
絶対におかしい(戦争も同じ論理)。
例えば「再エネ賦課金」
電気料金にいつのまにか忍び込ませ
税金とは別に全ての国民から強制集金
その金額も毎年つり上げて、国民から搾り取る
でも生活保護や、年金等は1円でも多く渡してなるものか!!
そんな気迫さえ感じてしまう
国は介護で苦しむ人や家族に温かい手を差し伸べることもしない。
出来うる限り、お金を出そうとしない
そうしておきながらルールで更に追い詰め、
当事者達がロストケアせざるを得ない状況に追い込む。
自分達は高いところから見下ろし、
法という名の元に堂々と人を殺す。
殺したという罪悪感さえもないままに。
綺麗事にしか思えない腐った倫理観で尊厳死さえも汚す!
法の下に裁くことが出来るのは、完璧な法律であることが大前提
ましてや未熟な法律で人を死刑にするなんてもってのほか
法律家こそ、法律の矛盾点を熟知しているはず
法で裁く前に、たとえ1歩でもいい、完全なる法律へと近づけて欲しい
その努力を怠って、
長いものに巻かれて、
傲慢にも正義感だけを振りかざすなんて、悪の手先と思われても仕方ない
主人公:斯波のセリフ1つ1つに共感した。
国が救えない! いや救おうとしない人達!
自己責任だと言って見て、見ぬふりをして見捨てた人達!等々
追い詰める検事さえもその言葉に揺さぶられていくこのストーリー。
なんと素晴らしい映画なんだろう。
同じ監督作品の「老後の資金がありません!」もそうですが
この国の恐ろしいまでの冷徹さを、マスゴミが追求しないことを
こういう形で人々に訴えていく。
映画を作るって素敵な仕事ですね。
前田監督に惜しみない拍手
松山・長澤・の演技にスタンディングオベーション。