「どちらの視点に立つのか?」ロストケア ガンーカタさんの映画レビュー(感想・評価)
どちらの視点に立つのか?
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この映画は、松山ケンイチの演じる殺人犯と、長澤まさみ演じる検事のどちら側の視点に観客が立つかが別れますね。
私はどちらかというと松山ケンイチ側で考えてしまいました。もちろん殺人はダメだとはわかっているけど、現場で介護する家族のしんどさを見ているからこそ、「救済」という名の殺人を犯してしまうんだと思いました。しかも自分自身が穴の底に落とされたという経験があるからこその動機だし。
この映画もどちらかというと松山側の視点で進んでいくし、坂井真紀の言葉もあって、ますますそういう思いになりましたが、ラストでの戸田菜穂の叫びがそれらを覆す魂の叫びで、やっぱり当事者にしか本当の想いはわからないんだろうなと思いました。
必殺仕事人なら、殺して欲しいという依頼があるし、その裏もとって悪人を裁くから、仕事人を殺人者だから悪人とは思わず、一種の(闇の)ヒーローとして捉えているけど、この映画ではあくまでも松山ケンイチの独善的な考えではあるので、やっぱり共感はできないなと思いました。
蛇足ですが、後日シン・仮面ライダーで長澤まさみさんを見ましたが、この映画とのギャップが凄すぎてビックリ。よくあの役を受けたなーと思いました。
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