「救いとは…⭐︎」ロストケア ☆ムーミンさんの映画レビュー(感想・評価)
救いとは…⭐︎
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介護施設で働く松山ケンイチ演じる斬波が、施設利用者をニコチン注射で殺す。
発覚して、事件となった際の担当が長澤まさみ演じる大友。
全編、この二人の闘いとも言える映画。
聖書の黄金律と言われる「何事でも人々からしてもらいたいことは、すべてその通り人々にも
してあげなさい」、この言葉を自身の解釈で行動していく斬波。
斬波を批判し、弾劾しようとしながらも自身の状況と重ねて揺れる大友。
この二人の演技が素晴らしい。
他の方がコメントされているように、また柄本明が斬波の父親として登場した時は
本当に良く出演すると思ったが、やはり彼じゃないとこの役は演じられないのでは
ないかと感じてしまった。
冒頭の孤独死した人が、大友の別れた父親だったという伏線の回収も見事だった。
もちろん、斬波の行動は犯罪なのであるが、それが彼が言う救い(ロストケア)に
なるのか…
答えは、きっと誰にもわからないものなのではないか。
自分も父が認知症になって、半年弱 同居した際は家族崩壊の瀬戸際だった。
斬波が言うように、安全地帯にいる人には何も言えないと思う。
逆に安全地帯から外れてしまっても、ずっと寄り添い続けられる人はいる。
救いかどうかは今もわからないが正義とは何か違うのではないか…
そんなことを考えさせられたすごく気持ちに刺さる作品だった。
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