「インド映画は初めてでしたが、あまりに最高です」RRR たかなさんの映画レビュー(感想・評価)
インド映画は初めてでしたが、あまりに最高です
インド映画については踊るくらいしかしらず心配でしたが、そんな心配は無用でした。
あまりにおもしろすぎます。
3時間の長さにロード・オブ・ザ・リングで疲れた記憶を呼び起こしましたが、そんな暇なく、常に感情を揺さぶられ続けました。眠いと思った瞬間は0でした。
3時間の間で「喜怒哀楽」すべてを感じさせられ、号泣した2秒後に大爆笑していました。
2人が出会いで繋いでいた手が、展開と共に2人の絆の状態を表しているのが素晴らしかったです。
炎のラーマ・水のアクタル(ビーム)が象徴の2人ですが、子どもを救う際はそれが反転するような演出で、お話的にも相反する2人が、そうではない、という演出のように感じ、この映画がとても考えられているのだと強く思いました。
2人の年齢が分からず、なぜビームはラーマを「兄貴」と呼ぶのか疑問でしたが
・部屋に大量にある本を気にするビーム
・英語が1ミリも分からないビームに対し、そうではないラーマ
・最後の「読み書きを」
という所で、全て繋がりました。ビームはずっと、学のあるラーマを尊敬していたんですよね。
ラーマの背負った宿命と葛藤があまりに重く、ビームにやきもきするシーンもありましたが、それこそがインド独立の背景を見たような気がしました。
かといって学が全てというわけではなく、劇中ラーマはビームの持つ治療法に何度も救われていたので、ここでも「学」が一体何なのか考えさせられます。
そういった点が、この映画がただの「インドダンスのおもしろ映画」だけで留まらない所だと感じました。2人の青年の喜怒哀楽青春にナートゥダンスだけでも満点映画ですが、その裏に隠された思慮深い映画でした。久しぶりにいい映画に出会えて良かった。