「歌と躍りと筋肉」RRR 卑猥堅さんの映画レビュー(感想・評価)
歌と躍りと筋肉
どんな無理筋でも歌と躍りで通してしまうのがインド映画。しかしRRRはひと味違う。話題のナートゥはまさに我々の思い描くインド映画そのものだが、そこに至るストーリーがあり必然性がある。
時は英国植民地時代のインド。子供を助けたことで親友となるラーマとビーム、実は互いに譲れない使命を持った敵同士だった……。というありふれたストーリーながら、これがたまらなく面白い。
二人が出会って仲良くなっていく過程や子供みたいにじゃれあう姿に涙を禁じ得ない。その中でも羊飼いがヤギ飼いに追われるシーンがあったりユーモアも忘れないのがインド映画。
劇中歌にあるように二人はインドの英雄の名前を冠していて、やはりそれぞれの英雄譚バリの活躍をする。そのため元ネタを知っていた方がより楽しめるだろうが、その辺の教養がなくても十分に楽しめた。
そもそも、歌って踊れてアクションもできるマッチョが俳優やってるって、その時点でインド映画は強い。
この映画もインド映画の他聞に漏れず3時間と長い。回転率が悪くなることから長尺の映画を上映する映画館は少なかったが、近年では洋画の尺が伸びたおかげかRRRの力か上映館が多い。この勢いで良質なインド映画をもっと上映して欲しいものだ。
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