「世界にハマらせてもらえる映画でした」RRR ピラルクさんの映画レビュー(感想・評価)
世界にハマらせてもらえる映画でした
インドは映画大国。そこはハリウッドと違う路線。そう理解していたものの、ミュージカル志向の映画という理解どまりでした。この映画をみて、あぁこれがインド映画のおもしろさかと、ちょっと分かったように思います。同時に日本の映画はアメリカの映画と同じ路線だなと気づきました。外国をみることで日本がよくわかる、というのと同じ。映画は基本まっ白なキャンバスで、そこになにをどう創りあげるか、そういう創作の原点をこの映画から教わったような気持ちです。
はっきりと色をもった世界。ハマる西部劇をみて、そのあとしばらく口笛、バンジョーの音色、ガンの響きを聞きたくなるように。ハマるカンフー映画をみて、ブルースリーのうごきを真似てみたり。世界にハマらせてもらえる映画でした。そしていま、インド音楽をあれこれ聴いています。インドで検索するとヨガ系のヒーリングが目立ちますが、そうではなく騒がしく熱いものを。しばらくインドがマイブームかも。
1日の映画の日、IMAXで観ました。とにもかくにも「映画を観ましたわ」という大満足感。窮地に追い込められる主人公、観客側の絶対無理との思いに、製作側が胸のすく展開をみせる。このキャッチボールがリズムよく繰り返される。エンターティメント、かくあるべし。長い上映時間でしたが、姿勢を組みかえることも忘れるほど没入しました。
本年度ベスト1映画に当確です。そういえばこちらのプロフィールに生涯ベスト5を記すところがありましたね。そこにいれておきました。私の映画観をひろげてくれた一作として。映画大国インドを敬して。