劇場公開日 2022年10月21日

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「映画は、映像で魅せるもの」線は、僕を描く にゃろめさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0映画は、映像で魅せるもの

2024年12月13日
PCから投稿

すばらしかったです。
俳優陣みんなよかった。
監督、脚本、演出、みんなよかった。

中学生のとき、とあるフランス映画をみて
ワケがわからなかった。
それが悔しくて何回か見ていると
こういうことが言いたいのかな、と
すこし分かった気がした。
そのフランス映画の監督のインタビューを
読んだら、「こんなにも雄弁に映像で語っているじゃないか」
というニュアンスのことが書いてあった。

「映画は、映像で魅せるもの」
それが私の映画沼への原体験。

で、この映画。
ちゃんと映像で描いており、かつ難解さはなし。
そして、判断は観客に委ねるという部分も
少しは残しているため深みもある。

油絵のように何層にも塗り重ね重厚さを描く絵画と
その対極にあるような”水墨画”。
だからこそ、1本の線に魂と想いを込め
”私にしか描けない線”を追求する。
地味だと揶揄する方もおられますが、
テーマと物語そして演出を表現するのに
最適な題材だと思いました。

3カ所ほど、その台詞なければよかったな。
というのがあり、残念でした。
が、「映画はアートではなくエンタメ」
という解釈で許容範囲。
でした。

にゃろめ