「分かり易い芸術とは?」線は、僕を描く シューテツさんの映画レビュー(感想・評価)
分かり易い芸術とは?
TSUTAYAは新作5本レンタルすると1週間レンタル出来るので4本選んだあと、もう1本何にしようか迷い、たしか一般評価が高かったと記憶していたので本作を借りました。原作は未読です。
主演は横浜流星ってことで、私は『流浪の月』で見た若手俳優さんでしたが、『流浪の月』と同じ役者には見えませんでした。
テイスト的には青春映画の雰囲気で『ちはやふる』の監督さんだったのでなるほどでしたが、個人的にはう~~んという感じでしょうか。
物語は冒頭から何の必然性もなく話がトントンと進み、物語の為の物語という感じで途中で本作はテーマよりも水墨画の美しさのデモンストレーションをしたかったの様に感じられました。なので、その点では成功していたと思います。
作品としては、三浦友和が出演していたので例えば『ケイコ目を澄ませて』と比較すると、『ケイコ~』の方のオーナーは寡黙であり、本作の先生は饒舌であり、他の登場人物も全て同様でした。
そうした脚本や演出の違いで、本来観客が感じなければならない物語の核心を『ケイコ~』の方は映像から読み取る作業を(観客は)要するのですが、本作は台詞と演出ですべて理解できる親切設計の作品になっていました。
映画をあまり見ない観客にとっては非常に分かり易いのでしょうが、映画を見慣れた観客にとっては読み取る楽しみを奪われてしまっているので、残念ながら物足りなく感じてしまいますねぇ。
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