仕掛人・藤枝梅安2のレビュー・感想・評価
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極上の本格娯楽時代劇!
今年2月に公開された「仕掛人・藤枝梅安」の続編でした。池波正太郎生誕100年を記念して製作されたものですが、これまで小林桂樹や渡辺謙などの名優が演じてきた梅安先生を、今回は豊川悦司が演じました。個人的に渡辺謙版の印象が深かったため、本シリーズの1作目を観た時は若干の違和感がありましたが、2作目となりそんな違和感も消え、作品そのものに没入出来ました。
豊川版の1作目は、原作の小説でも第1作目だった「おんなごろし」をベースにしたストーリーでしたが、本作は原作の第2作目の「殺しの4人」と、第3作目の「秋風二人旅」をミックスした内容になっていました。原作がしっかりしていることは勿論、錚々たる俳優陣を揃えたこともあり、娯楽時代劇として非常に質の高い仕上がりになっていたと思います。
どうやら豊川版の梅安先生の製作は一区切りがついたようですが、次回作にも期待してしまうところです。ただ、本作のエンディングで、同じく池波正太郎生誕100年記念作として製作されることが発表されていた「鬼平犯科帳」の新作の主人公・長谷川平蔵が、チラッと登場して梅安先生とすれ違います。5代目の鬼平は、10代目松本幸四郎(ややこしいな)。撮影は2023年春・秋ということらしいので、上映はもう少し待たないといけないようですが、今から楽しみです。
そんな訳で、今や絶滅危惧種となってしまった本格娯楽時代劇の新作が楽しめたので、評価は★5とします!
前作の勢いはそのまま
でも、本作から観てもわかります。
今回は彦さんの敵討ちかあ、と思ったら、それだけでは終わらない、ちゃんと仕掛けが用意されていました。
人を殺めたら、必ず自分に返ってくる。あたしたちもいつか、こうなるんだろうねえ、彦さん。
仕掛け人の宿命。
ヒュー、カッコいい。
「こんなに面白いの」
今年44本目。
今日は1本目見て5分後に今作だったので冒険心で見てみたらとんでもなく面白かった。仕掛人梅安と彦次郎のコンビが悪を倒すと言う爽快なストーリー。椎名桔平の2役が凄かった。2019年11月の実写の「シティーハンター」の時に☆6付けてもいいですかと書かせて頂きましたが、人生2度目の☆6付けたい作品。仕掛人と言う言葉は明治時代に無く池波正太郎さんの造語だそうです。苦しめばいいじゃない好きなお言葉。
上映時間帯だけがネックでもったいない!
1作目を観て世界観にハマり込み、今作も観に行きました。
変わらぬ手堅い面白さに貫禄を感じるばかりでした。
今回キャスティングのおかげか動きのあるシーンが多いおかげか、前作よりも更に若い世代にとって取っつきやすい絵面になっていたような気がします。
お話も前回は相関図が複雑で、どこかミステリーのような面がありましたが、今回は圧倒的に構造がシンプルなので、複雑な話が苦手な人であっても困らないくらいわかりやすい展開だったと思います。
佐々木八蔵が出てきた瞬間、「突然見目麗しい若者が出てきたぞ」と思わされたんですが、周りの渋い雰囲気の中にあってとても良いビジュアルバランスを生んでいてよかったです。かっこよすぎて正直活躍を期待しすぎてしまいましたが(笑)殺陣も素晴らしかったですし、画面の調和を感じました。
前作同様性的暴力シーンがしっかりあり、やはりその面だけがどうしても人を選ぶと思うのですが、それを乗り越えさえすればひたすら見応え満点の作品です。
今作単体でも十分理解可能な構成にはなっていますが、①と②で藤枝梅安というキャラクターの強さと弱さのようなものが表裏一体に演出されているため、可能ならば是非連作としてセットで観てもらいたいです。
トヨエツの藤枝梅安、片岡愛之助の彦さんがとても良かったので、この2作で綺麗に完結しているとは思うものの、正直もう少しおかわりがあればいいなぁ…と期待しています。笑
本気でこだわって作り上げられた映像作品。とても良かったです。
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※以下は内容についてではなくマーケティング面で惜しすぎる!!!と思っていることです
公式のプロモーション的に、時代劇に対する新規顧客層開拓を目指しておられる印象で、特に若い世代へのPRに力を入れているようなんですが…
とにかくその年齢層とは上映時間帯が嚙み合わない!!
早朝~夕方くらいの時間帯までで上映回が終わってしまうところがほとんどで、10代~30代にとっては早すぎる・学校・仕事など外しようのない用事が入っている時間帯にしかやっていないような館が多いのが本当にもったいないです。専業主婦や定年退職した人、フリーランスのような自由の利く人間しか観に行きづらい設定なのが本当にもったいない。
観やすいようならもっと勧めやすいのに!!と強く思います。
実際観ることが出来さえすれば、この魅力は十分伝えられるものだと思います。
劇場上映期間終了後、配信などで①②がまとめて観られる環境が整えば改めて積極的に人に勧めていきたいと思っています。
この本気で作られた作品を、もっといろんな人に見てもらいたいです。
エロチシズムをもう一歩!
出演者の上品で落ち着いたセリフ回しが良い、その裏に潜む憎しみや切なさをより感じる事ができる。江戸、京の風情も綺麗に描写されていて日本映画の真骨頂を感じました。
死ぬか生きるかの世界の仕掛け人の研ぎ澄まされた精神の裏にはエロチシズムは必須であり、これが合い交えてより美しい映画になると思う。決してスケベ心(笑)で言う訳ではないがR指定としてでも色のあるシーンではエロチシズムをもう一歩踏み出せないのか、そこが減点の要因です。
最後エンドロールで松本幸四郎さんの名前が、、、、?
出演してたかな?と思っていたらエンドロールが終わってから前作同様、次回作につづく前触れがあり松本幸四郎さん登場してました。
これから見る人はエンドロール中に席を立たないように!
世界観は良いが、少し飽きがくる
前作観賞済み。梅安の身分は針医者なので、日本刀を携えている侍や侍の仕掛人に、どう立ち向かうのか関心がありました。
江戸時代では、毒を塗った吹き矢が最強の武器かもしれませんね。忍者が暗躍するのも納得です。
今回の作品もなかなか面白かったのですが、前作の方が衝撃があり、やはり新鮮味が少し薄まった感じがしました。
エンドロールが流れると、観ていたほとんどの人がエンドロール終了を待たずに離席していました。あの後にオマケ映像があります。
世界観が良いので、続編を作るのは歓迎ですが、忘れた頃に上映するのがよいかと思います。
善と悪…人間に必ずあること。「生」と「死」をどの方角から見るのか。
殺めるのは世間から悪人と言われている人間であり、そうすることは「善い」ことをした気分でもある。しかし…次に死ぬのは…殺されるのは…自分かもしれない…いや、自分だろう…。梅安は…刺客が来るのを分かりながら、患者たちのために江戸に戻る。世話になった人たちに…別れの挨拶ともとれる会話を…積極的に試みる。「何を言ってるんですか!」と笑い飛ばす人たちに…涙目の梅安は癒やされる。
死ぬべき存在である自分。それなのに支えてくれる人たちの存在。彼らは自分の「生」を前提とし、それを願ってる。
圧巻の演技力の連続で…パート1を凌ぐ良作である。続編は…。
お料理少なめ
池波料理がもっと欲しかったという贅沢な願望は残ったが、前作に引き続き最高でした。ありがとうございます。
個人的にも世間的にも最近はアメリカンヒーローものが食傷気味になっているところに、「これだよコレ」って感じのアンチヒーロー(ダークヒーロー?)。出てくる人達は皆格好良いし、痺れっぱなしでございますよ。エンドロールで「???」となり、オマケで「!!!」となったので、今後とも宜しくお願い致したい所存であります。
因果は巡る 絡まる運命の糸
楽しみにしていたパート2。彦次郎の敵討ちがメインストーリーだと思っていた。その仇相手の悪逆非道ぶりには、目を背けたくなるくらいで、これは相当なカタルシスがあるに違いない。ところが、一本道の物語ではなく、梅安と因縁のある侍が登場して、事態は複雑になっていく。
仕掛人トヨエツの佇まいというか風格は、無言で立っているだけで絵になる。それに加えて、椎名桔平の悪辣顔、目力だけで相手を圧倒する佐藤浩市。スクリーンから殺気が伝わってきそうでゾクゾクする。
殺した相手の因果も背負う。仕掛人の宿命が文学的に響いてくる作品でございました。
何と次は、鬼平犯科帳。楽しみが増えた。
重厚な物語をテンポよく魅せる!
待ちに待ったトヨエツ梅安の第2部。公開2日目の土曜の朝イチの上映回でしたが、熟年男性が大半を占めるまあまあの客入りでした。時代劇の人気の高さを再確認して、ちょっぴり嬉しい気分で鑑賞スタート。
ストーリーは、梅安と彦次郎が京都へ向かう途中、かつて彦次郎の妻と娘を死に追いやった仇と瓜二つの男を見かけ、素性を探ろうとする中、京都の元締から彦次郎の仇の殺しの依頼を受けるが、その一方で梅安自身も浪人・井上半十郎から仇とつけ狙われるというもの。
本作は、彦次郎の復讐と梅安への復讐が織りなす、情念の物語として実に見応えがありました。登場人物の過去を回想シーンとしてうまく取り込み、人物像を深掘りし、人間ドラマとしての厚みを加えている点がとてもよかったです。無駄なシーンは一切なく、すべてが必要にして十分な描かれ方をしているように思います。そのため、ゆったりとした語り口と所作でありながら、物語の展開としてはとてもテンポがよく、ぐいぐい引き込まれます。
映像的には派手な演出はなく、夜のシーンは全体に暗いのですが、それがかえって好印象です。衣装やセットはもちろん、小道具やライティングまで、こだわり抜いた絵づくりがなされていることが伝わってきます。おかげで、江戸時代の風情や情緒、町人たちの息づかいが随所から感じられ、劇場内はもはや江戸時代です。
終盤は、梅安が死亡フラグを立てまくりながらラストに向かうのですが、その決着の付け方も十分に満足できるものでした。まだまだこの世界観に浸っていたい気分の中、エンドロールを眺めていたら「長谷川平蔵」の文字を目にして、「あれどこで出てたっけ?」と思ったら、まさかのポストクレジット。いいですねー!鬼平とのクロスオーバーですか!まだまだ今後も期待できそうです。
今回は仕掛けが少なめで、その点は物足りませんでしたが、そのぶん骨太の物語が魅せてくれます。そして今回も、おいしそうな料理が登場したのは嬉しかったです。
キャストは、梅安に豊川悦司さん、彦次郎に片岡愛之助さんで、もう長年コンビを組んでいるような安定感が秀逸です。そして、脇を固めるのは、椎名桔平さんと佐藤浩市さんで、このお二人がさすがの貫禄で一気に作品の雰囲気を高めています。やはり敵役に魅力があってこそ、主役が引き立つというものです。女優陣では、菅野美穂さん、高畑淳子さんらが、前作に引き続き出演し、いい仕事をしています。
続編にして名作へ!!
大変楽しみにしていた本作!期待通りの作品でした。
相変わらず梅安&彦次郎コンビの妙味ある関係(カップルにしか見えませんが笑)や、本作より登場の椎名桔平・佐藤浩市・石橋蓮司・高橋ひとみが、また良い!!
(ただ、前作同様おもんさんが…)
対剣客には、真正面からでは歯が立たないラスボス観、梅安&彦さんの生い立ちなど、非常に没入できました。
うーん…とりあえず時代劇ファンは観るべきです。
是非、映画館でご鑑賞下さいませ!!
仕掛人・藤枝梅安2 池波正太郎生誕100年記念
原作を読んでいて、自分の頭の中のイメージを、遥かに超えるリアル感があった!針で人を殺すなんて、ファンタジーでもある。リアルとファンタジーの絶妙な混ざり合い。1とはまた違う、男臭い内容だが、最高にかっこいい。簡単にやっつけるわけじゃない。絶対的に強いヒーローじゃないから、もしかして、やられちゃうかもとハラハラする。力任せに戦うのではなく、頭脳戦もあるからおもしろい。鬼平犯科帳ファンも必見。
これは原作を読みたくなる(あっちも含めて)
前先に比べて悪役の非道さがこれでもかと前面に出ていて、懐かしのTV版を彷彿とさせる「仕掛け甲斐ある」仕上がりとなっていた。椎名桔平は「アウトレイジ」以来こっちが定番のキャラになりつつあるな。ものすごく楽しそうに見えるのだが。TV版に比べて少々物足りなく感じたのは、ストーリーよりあのBGMの有無のせいかもしれない。我々世代はあの曲によって仕掛けのカタルシスを最大限感じるよう刷り込まれているのである。多分こちらの方が池波正太郎の原作にしっとりと寄せてあるのであろう。長谷川さんのも含めて原作に触れてみたくなった。
昭和と令和
「壱」観てなくても楽しみます。
古き良き時代劇と、新しさがバランスよく融合されています。
間違いなく、昭和からの時代劇の延長線にありますが、新しさも感じます。
ストーリーは王道の悪者退治とその先が楽しめました。
時代劇ファンはもちろんですが、時代劇あまり見ない人のもオススメです。
「参」もありそうですね、、、楽しみです。
たまには、本物の時代劇を観てみませんか‼️❓
テレビの仕掛人、仕事人が原作からかけ離れた、いや、時代劇からもかけ離れていることは有名無実ですが、他の時代劇もナンセンスです。
この映画は池波正太郎の原作忠実に製作されたはじめての映画です、驚くことに。
それを、最高の俳優の最高の演技で観れるのですから、たまりません。
時代に忠実に、人間の性に忠実に、池波正太郎の真髄がここにある、愛と憎しみに生きて死んでいく、宿命に振り回されていく人間交差点、それが池波正太郎。
最高の時代劇、最高の映画🎞🎟🎬🎦是非、ありがとうございました😊😭
こんな「昭和」はエエですなぁ
日本には時代劇がある。
日本には仕掛人がある。
日本にはチャンバラがある。
イヤイヤイヤ。
完全に昭和の池波正太郎ワールドですよ。
火の玉ストレートの時代劇ですよ。
捻りも何にも有りません。
前時代的な男と女の世界です。
チャンバラのアクションエンタメ性は、キングダムにお任せ。
こちらは一撃必殺の仕掛だから。
この、ぬたる様な時間感覚からの命のやり取りが、堪りません。
続編、待ってます。風呂敷は拡げずに、このまんまの空気感で、お願いしたいです。
見事な出来、梅安さんと彦さんの地獄の道行きに鳥肌が立つ。
前作同様、過度な効果音や大袈裟過ぎる立廻りもなく、質素だが緊迫感のある作品に仕上がっています。
鉄鍋で煮える櫨、明るすぎない行灯、時代劇の美しさがここかしこに・・・
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