仕掛人・藤枝梅安2のレビュー・感想・評価
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必殺仕事人をイメージして観ちゃダメ
劇場で時代劇を観るのってすごく久しぶりな気がする。
私にとって時代劇と言えば「遠山の金さん」と「必殺仕事人」という世代。
「仕事人」が好きなら「仕掛人」もアリでしょ、ということで、1作目は見逃してしまったが、この2作目からでも大丈夫という声を聞き席を予約。
個人的なことで言うと、そもそも私は豊川悦司という俳優があまり好みではない。
背が高くてスクリーン映えする俳優だとは思うけど、あの声と演技が、なんか「違うなぁ」といつも感じている。
で、本作なんだけど、その豊川悦司扮する藤枝梅安が、いろいろ闇を抱えたキャラクターである割に、まぁしゃべることしゃべること。
原作を知らないので何とも言い難いが、主人公が過去や状況や心情をこんなにセリフで説明してくれなくてもいい気がする。
(ここからネタバレ)
あと、サイコパスな双子の弟。
毒で動けなくして絞首刑なんだけど、本人も暴れることなく受け入れてて、おそらくコレ、本人も覚悟があったという演出なのかな?
ただ、もう少し膨らまさないの?って感じ。
梅安さんが、ステルスによるハリ攻撃。彦次郎さんは吹矢と毒ってことになると、どうしても剣術勝負にならない。
前作含め、登場人物同士がみんな実は関係性ありすぎってのもねぇ。
いや、私が「必殺仕事人的なモノ」を何となくイメージして来てしまったのが悪いんだけど、全般的にやはりケレン味が非常に薄くて、敵をを倒すカタルシスがすごく少ない。
ただ、役者達はさすがの存在感で、特に高畑淳子のクセの強さ。シーンは少ないのに、確実に記憶に残る。
次回作はもう仕掛人やってそう。
石橋蓮司も良いね。話し方とか、ウチの取引先の爺さんソックリだし。
全体として嫌いじゃない。
テンポも良いし、味もある。
ただ、エンターテインメントとしては地味な印象は拭えない。
あ、あといつも思うけど川井憲次の音楽仕事。
安定の「川井節」ね。
仕掛人の王道で面白くはあったのですが‥
(完全ネタバレですので鑑賞後にお読み下さい)
※パート1は未見です。
映画『仕掛人・藤枝梅安』のパート1は時間の都合上見れなかったので、いきなりパート2を見ました。
しかしパート1から予告編が面白そうでかなり期待して見ました。
パート2の今作を見た感想は、さすが仕掛人の作品といった感じで面白く見ました。
藤枝梅安 役の豊川悦司さんの演技もさすがの渋さで、彦次郎 役の片岡愛之助さんとの2人の存在感だけでも映画に充実感をもたらしていると思われました。
井上半十郎 役の佐藤浩市さんや、白子屋菊右衛門 役の石橋蓮司さんもやはりさすがの存在感の演技で、井坂惣市 役の椎名桔平さんも嫌な役を厭わず演じ、おもん役の菅野美穂さんも深さあるやはり素晴らしい女優さんだなと改めて思われました。
驚きは佐々木八蔵 役の一ノ瀬颯さんで、立ち姿や声のトーンで鋭い美しさある浪人を表現していて印象に残りました。
ただ一方、作品としては期待を突き抜けた映画にもなってないようには感じました。
その理由は、藤枝梅安と彦次郎が対峙する、特に井坂惣市(椎名桔平さん)の人物背景がほとんど描かれていない所だと思われました。
この映画『仕掛人・藤枝梅安2』は、(個人的には勝手にパート1で済まされていると思われていた)藤枝梅安の生い立ちと、彦次郎の(自分の妻と子を死に追いやった)井坂惣市に対する復讐の背景は、きちんと描かれていたように思われます。
しかし一方で、井坂惣市の人物背景が(兄の峯山又十郎(椎名桔平さん2役)との関係でのにおわせはありましたが)きちんと描かれていないので、非道で傍若無人の井坂惣市への観客の複雑な思い入れがないまま、勧善懲悪のやや単純化された成敗物の映画にはなっているようには感じました。
仕掛人(あるいは復讐請負人)は、被害者と加害者の人物背景が色濃く描かれ、それに対して半ば神の視点である仕掛人(復讐請負人)が最後に加害者に死という決断を加え、観客にカタルシスを与えるというのが王道の構成だと思われます。
しかしこの映画『仕掛人・藤枝梅安2』は、(井坂惣市の悪事の)被害者の彦次郎は、仕掛人の藤枝梅安と初めから行動を共にしていて世界が狭いのです。
そして加害者の井坂惣市の人物描写がただただ非道で傍若無人という表層的な描き方だったので、人物描写の裏の複雑さを失っていたように思われました。
一方で、藤枝梅安に妻を殺された井上半十郎(佐藤浩市さん)と藤枝梅安の対立は見ごたえはあったのですが、この映画ではどうしても井上半十郎のエピソードはサイドストーリー的な構成になってしまっているとは思われました。
(なので井坂惣市を殺害した後は映画は一段落してしまい、その後はやや冗長に思われたりもしました。)
その結果、全体の面白さは最後まで感じながら、映画としての個人的な評価は今回の点数となりました。
ただこれはパート1を見ていないのが理由かもしれず、パート1を踏まえればまた違った感想があったかもとは思われました。
(勝手ながら、パート1を見れなかった観客に対して、パート2の今回上映時にパート1も1日1上映だけでももしくは配信で公開してくれればとは、勝手ながら思われたりもしました。)
"梅安と彦さんの旅はまだまだ続く…"な映画
仕掛人となった者、そして仕掛人を愛した者…彼らの人生は、なんとも刹那でいと哀しきものなんでしょうか…。
あの少年もきっと立派な仕掛人となることでしょう…笑
見応えのある2時間でございました。
オススメ!笑
*佐藤浩一演じる浪人ですが、もっと泥臭く人間臭かったら、もっと共感出来たのに…と思いました。
*エンドクレジットの後にオマケありです!
原作の最後までこのキャスト&スタッフで映像化希望
ただただかっこよかったです。
一作目同様、いやそれ以上に川井憲次サウンドの美しさが引き立つ!!!
VFXが、言われなきゃわからないくらいの綺麗な融合で、それもまた見応えあり。
梅安の人としての業の深さに、キャラの深みは増し。
あー、このスタッフ&キャストでずっと、年1~2回の映画シリーズ続けてくれないかしら?
舞台となった京都と江戸によって、宿敵・白子屋も登場したことだし、原作の最後まで映像化してもらいたいものです。
昔語りが暗すぎる
三つどもえの闘いになるかとワクワクしてたけど、あれ、一番悪い奴があっけなく。最後の対決も。
彦さんが毒串吹けば向かうところ敵なしじやん。
見せ場はどこだ。
前作は天海祐希が出てくるだけでパッと華やいだが、今回は残念ながら女優さんたちに華がなかったような。
せっかくセクシー女優さんたちたくさん出てたのにね。
高畑淳子の出番も少なかったし。
天海祐希はさすがにスターですね。オーラが違う。
登場人物たちの昔語りが全部暗くって。一つ二つならいいけど。
池波正太郎はどう思うだろうな。
3作目は梅安vs鬼平か。(幸四郎太りすぎ)
それまで、お達者で。
シブかっこいい大人の映画
ひたすらに暗い
見ながらに緒方拳さんを思い出してた。
物語はひたすらに暗い。
滅びの美学といおうか、どん詰まりにある人間の性のようなものを時代劇に落とし込んだような印象がある。それをやりたかったのかなぁと。
2面性とでも言うのかな?
梅安が女性に抱く救済と劣情みたいな事とか、正義でも信念でもなく、生業としての殺生とか。
…そんな思惑を無視したとしてもバランスが悪い印象ではある。主役の身長とか、声のトーンとか、犯される女性とか。
昨今のコンプライアンスを鑑みてあんな表現になってはいるのだが、作品としては必要だから削れずにいる。削れないのだけど、リアリズムを全面に押し出せない。梅安を描く上で、悲劇の女性が必要であってもあの様だ。…最大限やっても中途半端にしかならない昨今。
嘆かわしいったらない。
豊川梅安は単体で映されると雰囲気もあって、グッとくる事もあるのだけれどいかんせん、見栄えがありすぎる。いっその事、松竹お抱えの歌舞伎俳優を日活出身の監督に丸投げしてもいいんじゃないかと思う。
芝居場になってヨリばっかりの演出にもうんざりだ。もっとやれる事あんだろうがと思う。
単調だし、スクリーンによる圧迫感が増すばかりだ。
菅野さんのキャスティングにも疑問は残る。
物語の筋が暗くて暗くてどうしようもないので、アクセントが重要にも思うのだけど、どこにも無かったなぁ。
高畑さんだけが光ってた。
何やらしても上手いなぁというか、ピントを外さないなぁと感心する。
なんだろ。
藤枝梅安ってブランドとして悪くはなかったのだけど、足せるものも削るものもある状態で、芯は食わなかった感じだ。
まぁ、コンプライアンスが猛威をふるう昨今では、梅安自体をやるのに無理があるような気にもなる。
壱より数倍面白いというかこれだけで良かった
2023年劇場鑑賞89本目。
壱が仕掛人のめんどくさい掟と業を描いた作品だとしたら、こちらは基本勧善懲悪もの。まぁ佐藤浩市パートがややこしくはしていますが。
椎名桔平演じる浪人が悪党すぎてあの最期でも物足りないくらい。あっ、このシリーズで悪党死ぬというのはネタバレじゃないですからね。決定事項です。本題はその後どうケリをつけるかなので、そこをお楽しみに。高畑淳子がでかい声でセリフを言うたびに笑ってしまいました。
エンドロールで「あれ?この人いたっけ?あー、じゃ多分この後か・・・」と思ったらその通りなので席を立たないよう。
ちなみに完全に終わって明るくなったあと若い男の人が「○○○○だ!」と興奮して叫んでたのが印象的でした。
飯は相変わらず美味しそうだった
前回の伏線から綺麗にまとまったかと思ったら最後に鬼平が。
椎名桔平二役、双子はどうか。兄の方に含みとかもっと何かあるのかとも思ったけど。
飯は相変わらず慎ましやかなのに美味しそうだった。
仕掛人は単なる「殺し屋」。
一作目は梅安中心の物語であったが、二作目は梅安と彦次郎の物語になっている。二人が仕掛人になったいきさつが描かれていてとても興味深い。似ている二人は、表向きは真っ当な仕事をし、良識ある人間でありながら、裏では仕掛人として殺しを請け負っている。そんな矛盾した自分の生き方に「悲しみ」や「諦め」みたいなものを二人とも持っている。お互いに似たもの通しであることを感じるから、友情のようなもので結ばれている。その絆は、一作目では料理を一緒に食べるシーンに象徴的に表現されていたが、今作は仕掛の仕事を二人で本気で力を合わせてやりとげるシーンに直接的に表現されている。
殺しという「悪事」を行っているのに、生かしておいては世のためにならない人間を消すという「正義」を行っているかのような勘違いが、「仕掛人」の倒錯した世界の魅力でもある。梅安は仕掛の世界に身を委ねたために、この世の裏表が良く見えるようだ。善と悪は突き詰めていくと境界がなくなってしまうのかもしれない。善人も平気で悪事を行い、悪人も良心をどこかに残している。梅安は、自分のしていることが善悪を超えた単なる「殺し」であることを自覚している。梅安と彦次郎が、そんな自分たちの定めをしみじみ語るのがとても印象的であった。
二作目でドラマに深みのようなものが出て、三作目も楽しみである。
池波正太郎の世界
最後の晩餐
前作に引き続き「時代物、面白いじゃない!」と思わされてしまったのでした。
作品への力の入れようがひしひしと伝わります。ちゃんとやれば素敵なモノを創る事ができるお手本のようです。
トヨエツさんと愛之助さんの言葉使い・声が魅力的、菅野美穂さんとの濡れ場も艶っぽい。
今回は食事シーンが少なかったですが、それでもハゼの鍋には喉が鳴りましたし、決戦前のTKGも良かったなぁ。
こういった作品をもっとメディアで取り上げてくれたら邦画の勢いも増すのだろうなと、感動しつつも寂しくもあり。
個人的には高畑淳子さんのまるで恋する乙女のようにパッと輝くような笑顔を浮かべるところや椎名桔平の毒蝮振りに役者の力をものすごく感じ入りました。
そしてエンドロールでの「あれ?このヒトどこで出てた?見逃しちゃったの?」またしてもやられました。
良質な作品に出会えるこことができて幸せでした。
地味なシーンが多いのがミソ。
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