劇場公開日 2023年4月7日

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「極上の本格娯楽時代劇!」仕掛人・藤枝梅安2 鶏さんの映画レビュー(感想・評価)

5.0極上の本格娯楽時代劇!

2023年4月13日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

今年2月に公開された「仕掛人・藤枝梅安」の続編でした。池波正太郎生誕100年を記念して製作されたものですが、これまで小林桂樹や渡辺謙などの名優が演じてきた梅安先生を、今回は豊川悦司が演じました。個人的に渡辺謙版の印象が深かったため、本シリーズの1作目を観た時は若干の違和感がありましたが、2作目となりそんな違和感も消え、作品そのものに没入出来ました。

豊川版の1作目は、原作の小説でも第1作目だった「おんなごろし」をベースにしたストーリーでしたが、本作は原作の第2作目の「殺しの4人」と、第3作目の「秋風二人旅」をミックスした内容になっていました。原作がしっかりしていることは勿論、錚々たる俳優陣を揃えたこともあり、娯楽時代劇として非常に質の高い仕上がりになっていたと思います。

どうやら豊川版の梅安先生の製作は一区切りがついたようですが、次回作にも期待してしまうところです。ただ、本作のエンディングで、同じく池波正太郎生誕100年記念作として製作されることが発表されていた「鬼平犯科帳」の新作の主人公・長谷川平蔵が、チラッと登場して梅安先生とすれ違います。5代目の鬼平は、10代目松本幸四郎(ややこしいな)。撮影は2023年春・秋ということらしいので、上映はもう少し待たないといけないようですが、今から楽しみです。

そんな訳で、今や絶滅危惧種となってしまった本格娯楽時代劇の新作が楽しめたので、評価は★5とします!

鶏