「仕掛人っていうのは、罪を犯しておきながら、償っているような気になるから始末におけねえ。」仕掛人・藤枝梅安2 栗太郎さんの映画レビュー(感想・評価)
仕掛人っていうのは、罪を犯しておきながら、償っているような気になるから始末におけねえ。
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トヨエツ梅安、端正で凄みがあって、渡辺謙に負けぬ貫禄。おまけに着こなしが地味ながらも粋。歳のわりには身ごなしの軽やかさもほれぼれ。相棒の愛之助彦さんとの息ぴったりだった。蔓役の石橋蓮司もよかったな。悪役じゃないよね?とびくびくしながら見る石橋蓮司ってちょっとドキドキする。
だけど、このストーリーで満足度はどうかな。いくら奉行所の手配が行き届かないとはいえ、あのくらいの無頼漢を放置ってどうなのよ?しかも根城の警戒の手薄なことったらない。捕り方が乗り込めば労なく召し捕れそう。それに、辛い思いをした彦さん、嫁さんと同じ凌辱を受けている娘たちを知りながら、そこに対する怒りが全くないってどうなの?あなたは当人や家族の痛みを知ってるんでしょ?と声を掛けたくなった。梅安だって若気の至りの不始末のあと、名も変えず江戸にいる不自然さ。
どうも、物語にどっぷり浸る気分にはなれなかった。仕掛けのあとのカタルシスのなさは、たぶんそんな違和感のせい。
ネタバレありなので追記。
エンドロール、あれ?この役者いつ出てきた?の気づきは、前作同様最後の最後に。てことは、続編ありで、鬼平登場って流れか。池波アベンジャーズシリーズってか?終いには秋山小兵衛まで出てきたりして。
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