劇場公開日 2023年4月7日

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「重厚な物語をテンポよく魅せる!」仕掛人・藤枝梅安2 おじゃるさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0重厚な物語をテンポよく魅せる!

2023年4月10日
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鑑賞方法:映画館

悲しい

興奮

待ちに待ったトヨエツ梅安の第2部。公開2日目の土曜の朝イチの上映回でしたが、熟年男性が大半を占めるまあまあの客入りでした。時代劇の人気の高さを再確認して、ちょっぴり嬉しい気分で鑑賞スタート。

ストーリーは、梅安と彦次郎が京都へ向かう途中、かつて彦次郎の妻と娘を死に追いやった仇と瓜二つの男を見かけ、素性を探ろうとする中、京都の元締から彦次郎の仇の殺しの依頼を受けるが、その一方で梅安自身も浪人・井上半十郎から仇とつけ狙われるというもの。

本作は、彦次郎の復讐と梅安への復讐が織りなす、情念の物語として実に見応えがありました。登場人物の過去を回想シーンとしてうまく取り込み、人物像を深掘りし、人間ドラマとしての厚みを加えている点がとてもよかったです。無駄なシーンは一切なく、すべてが必要にして十分な描かれ方をしているように思います。そのため、ゆったりとした語り口と所作でありながら、物語の展開としてはとてもテンポがよく、ぐいぐい引き込まれます。

映像的には派手な演出はなく、夜のシーンは全体に暗いのですが、それがかえって好印象です。衣装やセットはもちろん、小道具やライティングまで、こだわり抜いた絵づくりがなされていることが伝わってきます。おかげで、江戸時代の風情や情緒、町人たちの息づかいが随所から感じられ、劇場内はもはや江戸時代です。

終盤は、梅安が死亡フラグを立てまくりながらラストに向かうのですが、その決着の付け方も十分に満足できるものでした。まだまだこの世界観に浸っていたい気分の中、エンドロールを眺めていたら「長谷川平蔵」の文字を目にして、「あれどこで出てたっけ?」と思ったら、まさかのポストクレジット。いいですねー!鬼平とのクロスオーバーですか!まだまだ今後も期待できそうです。

今回は仕掛けが少なめで、その点は物足りませんでしたが、そのぶん骨太の物語が魅せてくれます。そして今回も、おいしそうな料理が登場したのは嬉しかったです。

キャストは、梅安に豊川悦司さん、彦次郎に片岡愛之助さんで、もう長年コンビを組んでいるような安定感が秀逸です。そして、脇を固めるのは、椎名桔平さんと佐藤浩市さんで、このお二人がさすがの貫禄で一気に作品の雰囲気を高めています。やはり敵役に魅力があってこそ、主役が引き立つというものです。女優陣では、菅野美穂さん、高畑淳子さんらが、前作に引き続き出演し、いい仕事をしています。

おじゃる
おじゃるさんのコメント
2023年4月16日

美紅さん、共感&コメントありがとうございます。
そちらのレビューにコメントできなかったので、こちらに返信いたします。
本作は、前作以上に奥行きと深みのある物語になっていると感じました。脚本も俳優陣も演出も文句なしです。久しぶりに満点つけちゃいました!

おじゃる
2023年4月15日

暦の声優はエゴイストに出演していた宮沢氷魚さんだったのですね。
こちらから長文失礼しました。

美紅
2023年4月15日

初めて知ったアニメでしたが原作が小説なのですね。平行世界にもう一人の自分がいる!混乱してしまうところもありましたが純愛を感じるストーリーでした。

美紅
2023年4月15日

僕が愛したすべての君へのアニメ映画に共感ありがとうございます。

美紅
2023年4月15日

椎名桔平さんの役柄が双子の兄弟だったところも面白味を増していました。ラストに近くに梅安が仕掛け人の仕事が終わった後に己の姿を見ているところも人間性を垣間見る場面でした。

美紅
2023年4月15日

共感ありがとうございました☆藤枝梅安の2は引き込まれるストーリーでしたね。

美紅