「前作と同じく、情念と因縁の世界がたっぷりと楽しめる」仕掛人・藤枝梅安2 tomatoさんの映画レビュー(感想・評価)
前作と同じく、情念と因縁の世界がたっぷりと楽しめる
梅安たちが仇を討とうとする話と、梅安が仇として付け狙われる話とが同時に進行するが、話が整理されているので、複雑さはない。
それぞれの敵討ちの話には、3人の仕掛人が愛した女性とその死の経緯、そして3人が仕掛人になったきっかけが密接に関係しており、前作と同じく、情念と因縁の世界が濃厚に描かれている。
そして、どちらも同じような仇討ちでありながら、その成否を分けたのは「義」であったということも、よく理解できるようになっている。
彦次郎の恨みにはまっとうな理由があるのに対し、井上半十郎の動機は嫉妬や逆恨みとしか考えられず、本人もそのことを自覚しているのである。
ただ、そうは言っても、人を殺す以上、常に復讐されるおそれもあるのであり、「正義」がそれぞれの立場で異なるということも強く実感できるようになっている。
暗殺を描く以上、派手な立ち回りはなく、絵柄的にも地味で、決着にあっけなさも感じるが、その分、情念の世界はたっぷりと楽しめる。
何よりも、前作と比べて、バディ・ムービーとしての面白さが増しているのが良い。
エンドロール後のオマケ映像を見るにつけ、次回作が楽しみになった。
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