「【幾つかの男女の複雑なる関係性と、人と人との不思議な”縁”を見事に絡めて描いた作品。テンポの良い破綻なきストーリー展開と、江戸の街並みや陰影ある部屋の意匠も作品に趣を与えています。】」仕掛人・藤枝梅安2 NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【幾つかの男女の複雑なる関係性と、人と人との不思議な”縁”を見事に絡めて描いた作品。テンポの良い破綻なきストーリー展開と、江戸の街並みや陰影ある部屋の意匠も作品に趣を与えています。】
ー 第一作に引き続き、梅安を演じた豊川悦司と、彦次郎を演じた片岡愛之助の息の合った演技が良い。作品世界にあっと言う間に、引き込まれる。-
◆感想
・椎名桔平が演じる双子の全く別人格のキャラ立ちが良い。極悪と、名家の藩士。
ー 極悪な弟峯山を、兄伊坂が”蔓”(石橋蓮司)を使って仕掛けようと願うシーン。それに気づいた梅安が彦次郎の妻を犯し、非業の死を遂げた妻の仇を取る決意をした彦次郎の想いを汲んで、極悪な弟峯山の“仕掛”を請け負うシーンも良い。
・そして、6人の獄悪人を独りずつ手に掛け、最後は水に毒を仕込み、彦次郎の妻と同じように首を括らせる・・。
ー そして、梅安は且つて自分が津山悦堂(小林薫)にして貰った様に、囚われて下働きをさせられていた少年を”蔓”の馴染の店に預けるのである・・。-
・更に、梅安が且つて一度だけ鍼で殺害した女おるい(篠原ゆき子)の夫井上半十郎(佐藤浩市)との関係性の描かれ方も良い。
ー 井上が、妻から梅安を誘った事が分かっていての、若き梅安が妻の首に突き立てた鍼の跡を確かめるシーン。-
・おもん(菅野美穂)が梅安を慕う気持ちと、そんなおもんに対し、井上が問うた言葉。
ー レビュータイトルに記した通り、今作は幾つかの男女の関係性の描き方が、抜群に巧いのである。ー
■再後半の梅安と彦次郎が井上と佐々木を迎え撃つ緊張感溢れるシーン。
梅安はおせき(高畑淳子)を早くに返し、一人飯を椀に盛り、卵を掛けて食う。一方、彦次郎は天井裏で、握り飯を口にし敵襲を待つ。
前作で梅安は”これが、最後の食事だと思って、毎食食べる。”と言っているが、正にその通りである。
そして、梅安は佐々木を、彦次郎は井上を毒を塗った爪楊枝で倒すのである。
佐々木の刃は、梅安のすぐ脇に刺さったまま・・。
<期待に違わない出来の、第二弾であった。堪能した。
エンドロールが終わって、腰を上げようとしたらナント!あの御人、長谷川平蔵が登場である。
次回は、「藤枝梅安VS鬼平」で是非ともお願いいたします。>
おはようございます!
1日3本は多いですよ!私は1日2本が限界です、あと仕事の都合もあって時間に限りが。
作品に関してはあの質素な料理もホント美味そうでした!