劇場公開日 2022年10月21日

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「どうせなら夏に観たかった阿佐ヶ谷版『E.T.』」ぼくらのよあけ よねさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0どうせなら夏に観たかった阿佐ヶ谷版『E.T.』

2022年10月30日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

家事を助ける家庭用AI、オートボットが普及した2049年の夏、阿佐ヶ谷団地に住む小4の悠真の家にもナナコと名付けられたオートボットがいるが母の指示通りの杓子定規のことしか言わないナナコを悠真は疎ましく感じていたある日、突然ナナコがハッキングされ、“二月の黎明号“と名乗る未知の存在が悠真に接触してくる。彼は2022年に地球に飛来した宇宙船で、故障してしまったために帰還できなくなり悠真たちが住む団地の一棟に擬態して休眠していたという。悠真と彼の仲間達は“二月の黎明号”を助けて帰還させるため大人達に内緒で救出作戦に乗り出す。

実家の団地がリノベのため立ち退きさせられた身としては近未来の話なのに意外とリアルな世界観。自分が生きているとは思えない30年近く未来の世界に団地の建屋が現存しているのはファンタジーゆえにオブラートに包まれていて気にはなりませんが、こんな貧困がそんな未来まで続いているのかと我に帰ると絶望的な気分になります。お話としては要するに阿佐ヶ谷版『E.T.』ですが、『E.T.』では敢えて語られなかった大人達の物語がメインストーリーにしっかり絡んでくるところが新味。非常に爽やかなSFジュブナイルですが、どうせならひと夏の冒険の話なんだからちゃんと夏に観たかったです。

よね