ぼくらのよあけのレビュー・感想・評価
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懐かしいSFジュブナイル
近未来が舞台だけど、懐かしさがあふれるSFジュブナイル。今もうない阿佐ヶ谷団地が舞台で、メインの子どもたちの遊びもややSFが飼っている部分もあるけど、昭和っぽい。大人は子ども時代を懐かしく思い出すだろうし、子どもは宇宙の壮大さにワクワクする。センスオブワンダーがたくさん詰まっている。たまには大きな希望を語ってくれる作品がないとやっぱり寂しい。
ストーリーの核は、AIと人の関係、そしてAI同士の絆。AIと人は友達になれるのかを主人公と家庭用AIロボのナナコとの関係で描き、宇宙船のAIと地球の人工衛星のAIとに密かな友情(のようなもの?)があり、さらに遠い宇宙にある惑星への想いと接続されて、夏休みの小学生たちのたくらみが、心地よく壮大なスケール感になっていく。子どもたちの親たちの立ち位置もすごくいい。危険を顧みない子どもたちを叱りつつ、でも彼らの意思も尊重して手を貸す。かつて自分たちにも同じ時期があったことを思い出しながら、それでいて、自分たちが叶えられなかった夢を押し付けたりもしない。誇張のない親子関係が描かれていることも良い。
JUVENILEの諸氏はこんなのでロマンを抱くな!
女性型AUTOPODに手を上げるのは『ゆうま』と言う主人公はク◯ガキで子供過ぎる。『何をいじけているんだ』と見える。
AUTOPOD曰く。
『喧嘩は良くない』
‥‥‥その通り。
母親曰く。
『家へ帰って、外出禁止です』
親の権限が子供に及ぶのは、2046年に及んでまだあるとは!
ジュブナイルって幼体って言う意味。あんまり好きになれない。子供の主体を認めていない。やはり『ヤング・アダルト』にしてもらいたい。
20世紀のジュブナイルの考えた温故知新な浪花節フィクション。感覚が公営団地があった時代のまま止まっている。手塚治虫先生のファンタジーの方が先進的。
科学とロマンとフィクションなのだ。またしかし、人工衛星が軍事目的から始まった歴史を頭の中に留めなければ駄目である。
従って、それに対して夢を抱くのは戦争を辞められない人間の性なのかもしれないが、吾輩は
『快獣ブースカ』で、JUVENILEからOLDに進化出来たので、37年かけなければ太陽系から離れられない時間が無駄だと感じている。
『宇宙人なんていない!』と証明したい。唯一証明できることは、25年経っても宇宙人は地球に訪れる事は無い事。それは証明できる。25年の間にファシズムが復活する事を前程にしてね。
出鱈目ならファンタジーであってもらいたい。結論として地球の素晴らしさをテーマにしてもらいたい。
ガガーリンと漂流団地は良かったけど。
あの夏、ぼくらは宇宙と出会った
ラストは思ってた以上のスケールや本格SFに。
でも、本筋は等身大。
夏、少年少女、団地、未知なるものとの出会いと別れ…。
SFジュブナイル・アニメーション。
27年ぶりの巨大彗星地球接近に沸く2049年の日本。
解体が決まった巨大団地に住む宇宙好きの小学生・悠真はワクワク胸を躍らせていた。
AIが発達。AIを搭載した人工衛星“SHⅢ”に憧れるも、家にあるAI搭載型家庭用オートボット“ナナコ”には不満気だった。
ある日、ナナコのシステムに不具合が。
…ではなかった。何者かにハッキング。
27年前、1万2000年もかけて地球付近にやって来た異星のAI宇宙船だと言う。“二月の黎明”と名乗る。
目的は惑星探査で、トラブルで故障した所をSHⅢに助けられ、団地の一棟に擬態し休眠していた。
帰還には3つのコアが必要。一つ足りない。
悠真と友達二人・銀之助と真悟は“彼”を還す為、コアを探す…。
SFアニメーションあるある。最初は突飛な設定や小難しい用語にちょい苦労。
“二月の黎明”は非常に高度な知能で小難しい事も言い、ここら辺ハードSFチックでもあるが、話自体はそう難しいものじゃない。
子供たちが未知の存在と出会って、交流し、尽力。
『ドラえもん』的な王道。
もう一つのコアを持っていたのは、同じ小学校に通う少女・花香。
彼女も加わり、皆で協力。大人には内緒。
そもそも、何故彼女の元にコアが…?
本人に心当たりナシ。実は、彼女の父、悠真の両親に関わりが…。
彼らの親たちが最初に“二月の黎明”と会っていた。今の悠真たちと同じく宇宙に還そうとするが、当時の彼らには無理で…。
大人になって、必ず約束を果たす。
が、いつしかその約束を忘れてはいなかったが、実行出来ないまま…。
親が果たせなかった約束を、子供たちが果たそうとする。
大抵こういう設定の場合、親は何も知らない分からず屋だが、当初は消極的であったり、とある事故から心配で口うるさくなるが、次第に“あの頃”の気持ちを取り戻す。
親にもフィーチャーされ、ラストは親子で協力。
ファミリー・ムービーとしても健全。
団地舞台のジュブナイル・アニメと言うと、昨年も『雨を告げる漂流団地』があったばかり。
あちらは設定や展開、キャラ描写に“?”が多かったが、こちらは上々。
AI宇宙船が一棟の団地に擬態というのが独創的。コミュニケーションのツールとして、屋上一帯に水を張り、ファンタスティックな描写。
団地ならではの危険やトラブル。
解体が決まっており、一時帰還を諦めた“二月の黎明”は“死ぬ”という事を受け入れる。
それに抗う子供たち。
AI故感情など持ち併せていないが、彼らとの交流を通じて、“感情”というものを知る。
AIや設定などは近未来。団地や子供たちのひと夏の不思議な出来事などはノスタルジック。
新しくも、何処か懐かしい。
ちと難点もあり。
花香と真悟の姉・わこは同級生。が、仲が悪く(と言うか、はっきり嫌い合ってる)、それ故花香は一旦、協力やコアの引き渡しを拒否する…。
どうやら花香はクラスで孤立。
わこは嫌がらせをするが、そんなわこも周囲から嫌われないよう無理して馴染もうとしている。
何だかここら辺の描写が今一つピンと来ず…。
花香や銀之助は片親で、何かしら複雑なものを抱えているが、その描写もちと希薄。
子供たちだけで団地の屋上に上がるのは危険と訴えているのだろうが、過剰過ぎる気も…。
でも最たる“う~ん”は、悠真の声。杉咲花が担当しているのだが、はっきり言ってミスキャスト。勿論杉咲花は実力派だが、男の子の役なのに、思いっきり地声丸出し。まだ変声期来てない?…いやいや、お粗末過ぎる。
悠真の母役の花澤香菜は、大人の女性/母親と過去の10代の少女の声を見事に演じ分け。売れっ子プロだから当然とは言え、さすがの巧さ!
人とAI。
現実のこの世界でもAI技術が目覚ましく発達し、その在り方を問う。
それを担うのは子供たちと“二月の黎明”であり、さらにもっと描かれるのは、悠真とナナコ。
家庭用オートボットとして万能のナナコ。が、ちょっと口うるさく、悠真はうんざり。
そんな時“二月の黎明”がナナコをハッキング。ナナコはハッキング中の記憶は無いようだが、実はそれは嘘。
最初にハッキングされた時から自身で調べ、知っていた。
“二月の黎明”や何より悠真の為に。協力もするようになり、ラストは“犠牲”になる。
それは、ナナコのメモリーが全て消えてしまうという事…。
ずっとナナコをウザく思っていた悠真だが、勿論それも嘘。家にやって来た時から、この“友達”が大好き。
他に方法はないのか…? これしかない。
嫌がる悠真。
意を決したナナコ。
遂に別れの時が…。
AIが人間のような感情を芽生えるのか…?
人間がAIに感情を抱くのか…?
そんな理想的な綺麗事…を、我々は、特に日本人は昔から慣れ親しんでいる。
人間とロボット/AIの絆、友情…。
AIの危険性や暴走を描いた作品も多いが、そんな未来より、AIとの良き共存を誰もが願う。
皆の思いが託された“彼”がいつかまた地球に戻ってきた時、そうあってほしい。
初めて最後まで観て後悔したアニメ映画
「雨を告げる漂流団地」が良かったので、更にスコアの高いこちらも視聴…
SF、団地、近未来…そしてショタと。
色々材料が良かったので観てみましたが、なん…すか…これ…?
なぜこれが「雨を告げる漂流団地」より良いとされているかがわかりません。
多分「ブレイブ・ストーリー」よりもひどいです…
まずキャラの話ですが、
ショタコンの私ですらこの主人公にはストレスがたまります…
この子のほうがロボットみたい「うっせーなー」とか「すげー」の連呼。
あと散々焦点当てといて最後まで救われない女の子とか、
最初いじめをしていて自業自得とは言え流石に登場させただけ不憫すぎる…
ホントなんの解決にもなってないし、なんでスポット当てる必要あったんですかね?
一番良かったのが花澤香菜さんが担当されたお母さんですね、
10歳の子の母ということは30代くらいかと思われますがとにかく可愛いお母さんでした。
ここだけは主人公が羨ましいです!
…ふざけた息子に対し甘すぎるのが難点ですが。
最後にラストシーンについてなのですが、正直うるっときました…。
多分すべての演出をここだけ派手にしたからだと思われます、
それ以前はBGMなんて有って無かったような地味さでしたもん…
結論:団地の屋上は呪われている。
詰め込みすぎ
ジュブナイル+団地なので『雨を告げる漂流団地』を連想してしまうが、内容的には『地球外少年少女』が近い。
〝AIと人間の絆〟と〝地球外生命体との邂逅〟の二つをやろうとしてテーマ的にブレてしまったように思う。親世代まで関わってきてさらにカオスに。
映画にするならどちらか一方に絞った方が良かったと思う。
メガネ君がメガネ君の子とは限らない
アニメ映画には2種類ある。
棒役者のいないアニメ映画と、棒役者のいるアニメ映画である。
この作品は後者である。今作主人公もその類で話しの不自然さは顕著である。
漂流団地2だろうか、近未来、少年らが団地に捕らわれた宇宙人を開放する話。
映像は良く、音楽も良いだろう。ストーリーの大枠は良いが細部がやや浅いか。
なお、こちらの団地は30番、漂流団地は112番。割と近いのだろう。お付き合い問題や水によるトラブルは共通の話題である。最近は落下事故も多いらしい。
良い点
・近未来感。絵の質感。空間演出。
・お叱りママ
・仲直りについて
悪い点
・スープがやたら漂白
・キャラデザが全員共通顔すぎて惜しい
・訳ありげの何もない面々の集い。何かとギスギスしていたりするが、とくに意味はなく、そういう設定ということなのだろう。
・姉は諸悪の根源
・物理が所々胡散臭いのは漂流譲りだろうか。ペットボトルに3人がかりなど、キャラを無理やり活躍させてる感がやや苦しい。
・「居間から」
・2人のメガネ君
その他点
・過度な円安により近隣住居は外国人に買い占められてしまい、引っ越し先は遠方しか選択肢が無かったのだろう。
SF要素を含んだ少年たちの冒険物語
近未来の世界で小学生たちが宇宙から来たものとの交流を描く。また主人公の親世代との関係も絡ませてる点は珍しく感じるのだが、アニメで描くためか描写自体に目新しさを感じず、子供向け感を強く感じた。
いまの現実を垣間見せてるんだけどなんとなく実感のない感じがして、もう少し挫折や痛みを伴うことも含んだ描き方をしても良かったんじゃないだろうか。
原作読んだほうが27倍良い
原作ファンとしては映像化の恩恵がろくに感じられません。
まず絵柄の変更が不可解です。
一般受け、子供受けを狙っての変更なのかと思いますが、元から萌え系の絵でもないのになぜ変える必要があったのか理解できません。
ストーリー面の変更は分りやすさの優先と登場人物の救済目的なのかなと思えなくもないですが、結果として原作にあったリアリティの欠如に繋がっています。
エピローグの省略に至っては開いた口が塞がりません。
三浦大知さんに含むところはありませんが主題歌も合っていないと感じます。
かろうじて原作より良かったと言えるのは宇宙関係のCG描写くらいです。
ということで悠木碧作品は網羅するんだという人でもない限り、あらすじ等を読んで興味をそそられたなら原作を読みましょう。
ア・オートボット・ミーツ・ア・ボーイ
妄想してもよいなら、これは紛れなくオートボットがAIから人に変わっていき、少年に思いを抱きつつも自らのアイデンティティに目覚めて、宇宙へと飛び立つ物語だったと思います。
◉健気過ぎるAI
職務に忠実であるがために、棒読み風に畳みかけるナナコが素敵で、更に処理落ちしても作業しようとするナナコに気持ちを持っていかれました。悠真もナナコも感じないうちに距離が縮まっていて、それに気づいた私の方が何故か胸がドキドキし始めたのだから、自分に呆れました。
ノーゲーム・ノーライフの機械仕掛けの少女の恋を連想した訳です。人間の男性に恋した少女は、最後は悪い女神に破壊されてしまう。シチュエーションは全く異なっていても、ナナコもアップデートを拒否して、自分の意思でかけがえのないものを保持しようとした。二月の黎明号との交流&悠真との触れ合いの記憶。
◉水は万物に従う
水は自由闊達で何にでも溶解するし、取り込み得るから、地球外人工知能のエネルギーにも使える。凝り固まらないで自然に流れる水の柔軟さが、親と子、友と友、男子と女子の結びつきにも役立つ…と言うことの暗示だった?
外観も室内も非常に古風な団地が、まさか銀河系の彼方から飛来した宇宙船だったことは新鮮な驚き。かつ、私的には登場人物のキャラデザインが昭和っぽくて、温もりを感じさせてくれました。
ただし、どの子ども一人一人の個性を感じさせず、反感も共感も抱きずらかったです。人間に関しては、平板な群像劇に収まってしまったように思います。
それだからなおさら、ナナコに目が向いたと言うことになるのかも知れないです。
SFの難しさ
雨を告げる漂流団地と舞台設定がかなり似ててやはり団地には何か創作者が惹きつけられるものがあるんだろうなと思った。
それはそれとして、正直話がとっ散らかってる印象。
もう少し話を整理して欲しかった。
あとこれはSFの難しさだが冒頭から30分くらいSF設定の説明をされるのだがそれがthe・説明という感じであまりよろしくないように思った。
難しい所だと思うが世界観に引きこむためにもう一工夫ありたい。
びっくりするくらいつまらないストーリー
途中退室するお客さん、ため息をつくお客さんが多かったです。私も子供がいなければ退室したかった。開始10分でもう駄作の雰囲気がありましたね。
私はインディー映画からハリウッド映画まで年間多数見ていますが、今まで見た映画で1番つまらなかった。
あまりに酷かったので初めて映画のレビューを投稿するほどです。
無駄なシーンが多く、とにかくテンポが悪い。肝心なことが書き切れていない。ストーリーはずっと単調。大きなイベントもありません。
見せ場にしているシーンも設定が浅い。舞台も狭いので、絵的にもすぐ飽きる。
SF?の割に設定はお粗末でツッコミどころが多数。
ジュブナイルにしては共感できないキャラしかいないので、置いてきぼり。ハラハラドキドキさせようとしてるんだろうなーってシーンも、冷めて見てました。
いじめっ子のバックボーンも明かされぬまま何故か涙を流し始める始末。そのキャラの存在意義はなんでしょうか?もっと上手く使えたのでは?
どうして不要なシーンをだらだら続けるんでしょうか。
それをやるなら、もっとやるべきことがあるように思います。
無駄な会話が長いので、尺を合わせる為の時間稼ぎかな?と思っちゃいました。
ストーリーも悪いし、主人公の声も耳が痛くなるしイライラする。
途中で「そんなこと関係ないだろ!」というセリフがありますが、それが本当に関係のないことなので「いやほんとに」としか思わない。セリフや展開、キャラでさえも全てがご都合主義です。
どのシーンも、ひたすら同じような薄っぺらいセリフをつらつら聞かされる。
同じようなシーンを見せられる。
最後の展開も、「こうすれば感動するだろ?」というようなとってつけたような展開。頭は「??」しかありません。伏線をもっとしっかり作っておくべきだったのでは?
AIがAIである必要性もないように思えました。何が書きたかったのだろう?
苦行のような気持ちになりました。マジで辛かった。子供は途中から寝てました。
ターゲットはどこ?大人向けにしては幼稚すぎるし、子供向けにしてはつまらなすぎ。
原作を知りませんが、これを見て「原作を買おう!」とは一ミリも思えませんし、読まないでおこう、とすら思っちゃう。どうして映画化したのか不思議でした。
こんなに長くて辛い2時間は初めてです。
駄作でも楽しめる映画館という場所で、こんなに退屈でストレスを感じた映画は初めてです。お金をもらっても二度と見ない。時間とお金を返してほしい。
お勧めしません。
どうせなら夏に観たかった阿佐ヶ谷版『E.T.』
家事を助ける家庭用AI、オートボットが普及した2049年の夏、阿佐ヶ谷団地に住む小4の悠真の家にもナナコと名付けられたオートボットがいるが母の指示通りの杓子定規のことしか言わないナナコを悠真は疎ましく感じていたある日、突然ナナコがハッキングされ、“二月の黎明号“と名乗る未知の存在が悠真に接触してくる。彼は2022年に地球に飛来した宇宙船で、故障してしまったために帰還できなくなり悠真たちが住む団地の一棟に擬態して休眠していたという。悠真と彼の仲間達は“二月の黎明号”を助けて帰還させるため大人達に内緒で救出作戦に乗り出す。
実家の団地がリノベのため立ち退きさせられた身としては近未来の話なのに意外とリアルな世界観。自分が生きているとは思えない30年近く未来の世界に団地の建屋が現存しているのはファンタジーゆえにオブラートに包まれていて気にはなりませんが、こんな貧困がそんな未来まで続いているのかと我に帰ると絶望的な気分になります。お話としては要するに阿佐ヶ谷版『E.T.』ですが、『E.T.』では敢えて語られなかった大人達の物語がメインストーリーにしっかり絡んでくるところが新味。非常に爽やかなSFジュブナイルですが、どうせならひと夏の冒険の話なんだからちゃんと夏に観たかったです。
ジュブナイルSF全部盛り
原作を知らないで拝見。
よくできた王道なジュブナイルSFでびっくりし、感動しちゃいました。
宇宙に対する憧れ、友情、姉に対する気遣い、親との対話。
さらにはAIとは友達になれるのか?
異種族とも心は通い、繋がれるのか?
未知と繋がり、子どもが成長するというセンスオブワンダーかつ少年冒険ものな要素が全部盛りで入っていて、心ときめきました。
幼さゆえの反発やわがままを見せ、嘘をつく主人公に対しては、冒頭「うざっ!」「気に食わん」などと嫌悪感を抱く部分も多少あるかと思います(私も事実、少し苛つきました)。
でも、「反抗期の子どもはあんなもんだよね」というリアリティを考慮しつつ、徐々に精神面が育っていくきっかけを経る作劇を考えるならあのキャラ造詣は許容範囲。
またそれゆえにラストの感動へ繋がるわけで。
それにしても、ポスタービジュアルの女の子・河合花香がヒロインだと思っていたのに、真のヒロインが別にいるとは。
ぜひ劇場で確かめてみてください。
よくできたジュブナイルSF
原作未読。キービジュから子供向けかと思ったが、SFとしてしっかり組み立てられていたと思う。
異星文明との接触ものだが、(主人公の少年少女たちに故郷のイメージは共有されるが)相手の実体は最後まで姿を顕さない。
実体の代わりに、媒体として水が使われるのが面白い。水を制御してコミュニケーションや演算のツール、果ては帰還用ロケットまで造るのだが、地球文明と隔絶しているので科学的矛盾を感じない。(打ち上げシーンは周りの住民に見えていないのかは気になったが)
もうひとつ重要なのは異星文明とAIとの接触で、過去のファーストコンタクトで人工衛星SH3搭載AIと意思疎通したことが相互に影響を及ぼす。
特に地球のAIの側に、「AIが秘密を持つ」という伏線を生じさせ、それが現在の物語に繋がるのはうまいと思った(SH3のAIはその後普及する人間をサポートするロボット、オートボットのAIの基礎になる)。ラスト、主人公家のオートボットが初期化を自ら拒否してロケットと共に旅立つのは胸熱だった。(文脈は違うが未知との遭遇を思い起こした)
ストーリーについては、親世代の現在での行動(の説明)が弱い(母が接触禁止したのがうやむやとか)、いじめ的描写は必要だったのか(姉が救われない)など、もう少し整理してもよかったかと感じた。
追記:2周目。前記の感想とほぼ変わらないが、親世代の3人も過去の出来事に葛藤しつつ、最後は子供たちの行動に自らの想いを重ねることにしたのだろう。(詳述しないのは主人公の子供目線からストーリーの軸をぶらさないためか)
営業的には苦戦とのことだが、多くの人に知られてほしい。
あとナナコ(オートボット)はかわいい。絵文字のような表情しかないのだが感情がよく伝わってきて素晴らしい。
神秘的な映像と音楽&現実味のある人間関係が魅力的な作品
宇宙の映像美が素晴らしくすぐにグッと引き込まれました。ストーリー展開も面白く、現代的な友達関係の表現の仕方が本当に興味深く最後まで物語の世界へのめり込んで観ました。エンドロールの三浦大知さんの「いつしか」がより臨場感を高めてくれて涙が溢れました。原作を2時間でぎゅっとまとめてるので、気になる点は少しありましたが、多分それは想像できる余白を残してくれてるのだと思います。声優さんのアフレコもそれぞれのキャラクターにピッタリ合ってて気持ち良かったです。また大画面であの感動を味わいたいです。もう2回、3回観ると色んな角度から物語を味わえるような気がするのでそれも楽しみです。
人生初の珍体験
まず、全く関係ないですが、今回人生で初めて僕以外誰もお客さんがいない映画館を体験しました。公開されて1週間も経っていなかったので正直大丈夫か?という気持ちも持ちつつ、解放感に包まれながら鑑賞しました。アニメーション映画が大好きな僕として、率直な感想を言わせていただくと、正直、お世辞にも良いとは言えない映画でした。まず前提としてストーリー自体はとても面白いものだったと思います。しかし、その他が残念すぎました。ネタバレなく挙げるとすれば、自分勝手すぎる主人公、しょうもない小学生同士の喧嘩による話の展開の遅延、クズすぎる登場人物など簡単にあげるとこんな感じです。特にそのクズすぎる人物に関しては、イライラさせられるだけで、なぜいるのかと思ってしまうほどでした。更に、2時間というアニメーション映画にしては長い上映時間ながら強引な終わらせ方になってる感もあってかなり残念でした。
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