不都合な理想の夫婦のレビュー・感想・評価
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中年男の哀しき稚拙さが浮き彫りになる。
「リプリー」(1999)でアカデミー助演男優賞、「コールド マウンテン」(2003)で同主演男優賞の候補となって以降も、インディペンデント系の作品からエンタテインメント大作まで幅広く出演し、イギリスを代表する俳優として活躍。役者として一層あぶらがのってきた感があるジュード・ロウ。
そんなロウが主演した「不都合な理想の夫婦」の夫・ローリー役は、新たなはまり役と言っていいだろう。同作は、虚飾と野望に満ちた“理想の夫婦”が崩壊していく様を極限まで描いた心理ミステリーだ。
理想の夫婦とは、大金を稼ぐとは、家族とはいったい何なのか。幼少期のトラウマもあって虚飾と野望、歪んだ優越感に侵された男にはわかるはずもない。カメラは物陰からとか、通常の画角よりも一歩引いているようなアングルが多く、まるでこの夫婦、家族が崩壊していく過程をのぞき見したように感じ、それが冒頭の違和感だと気づく。「ファンタビ」のダンブルドアを演じるロウとはまた違った、役者としての本領を堪能できる作品で、中年男の哀しき稚拙さを浮き彫りにする。
二人の名優だからこそ成立した濃密な心理劇
ショーン・ダーキン監督といえば、エリザベス・オルセン主演の不気味な心理サスペンス「マーサ、あるいはマーシー・メイ」で名を挙げたフィルムメーカーだが、そんな彼が約10年ぶりに放つ新作もまた心理劇だった。ただし、前作のようなカルトや洗脳という目を引く要素はなく、その構造は至って古典的でシンプル。夫婦や親子という”家族の関係性”を用いて不穏な物語を織り上げていく。また一つのポイントは「80年代」にある。好景気に沸く大量消費時代を背景に、天井知らずの野心が欲望のリミッターを崩壊させ、やがてどんどん崖っぷちに追い詰められる主人公。虚勢を張って他者を圧倒する彼も、それから転落して濡れ鼠のようになる彼も、ジュード・ロウが演じるからこそ、そこにはなんとも言えない人間味が香り立つ。対する妻役キャリー・クーンの存在感も底知れない。観る者を選ぶ作品ではあるものの、舞台劇のような演者の濃密なやりとりを楽しみたい。
A Good Film Maybe We Have Seen Before
Jude Law plays a father trying to bullshit his way to riches. His plight into business is similar to the one confronted by the car salesman in Fargo, so it feels a little familiar. Law and Coon vibe off each other convincingly as a dysfunctional pair; simply witnessing the acting unfold makes the film a fun watch. A movie all about life and not so preachy; a refreshing drama that sticks with you.
辛辣で、惹きつけられる
80年代のヤッピーとしてローリー(ジュードロウ)、その妻アル(キャリークーン)と10代の娘と息子、サムとベンジャミン。
ニューヨークからロンドンに意気揚々と移り住み、次なる大きな成功(?)報酬(?)見栄(?)のために、
ロンドンから離れた豪邸へ
原題のThe Nestを思うとやはりこの家がこの家庭の過ぎた見栄か成功かへの経済の終わりと家族の破綻を象徴してる
妻アルの愛馬リッチモンドの鳴き声、
ローリーの度重なる見栄と成功への執着した発言、
アルのチェーンスモーク
ショーンダーキン(アイアンクローを観てあまりの良さにこの映画を見始めた)はこの破綻していく過程を淡々と、
映画的(それはとてもドラマツルギーを持って)
描いている
悲しさ、とか家族のつながり、とか 80年代のあのどうにもならないような渦、とか
アルの子供達への「まるで他人みたいじゃない!」という台詞は階段の吹き抜けへとあっけなく消えていく
ラストはこの家族の行く末をとても確かに見せている
辛辣で、とても惹きつけられる
ニューオーダー
ヤッピー
86年くらいのメルセデス
サリーの田舎の景色と柔らかい光
タクシードライバーの言葉が全て
夫婦のドロドロな展開かと思っていたら、ジュード・ロウ演じる夫が1人で家庭をぶち壊すストーリーでした
あんな男の人いそう
虚栄心って誰でもあるとは思うけど
小さい頃貧しかったのが理由なのか、仕事に野心は必要でも勢いだけじゃそりゃ失敗するし、妻にも呆れられるってものです
あんな夫じゃ子供達が一番可哀想
もう離婚してアメリカに3人で帰れば良いのにって思ったけど、4人の朝食シーンは未来に希望が見える良いラストでした
イケメンさなしのジュード・ロウも良かったけど、妻役のキャリー・クーンの演技はホント良かったと思います
真っ当な人生が何より大切と改めて思わせてくれるタクシードライバーの言葉がその通りなのでした
【見栄っ張り男の、地に足のつかない生活をシニカルに描いた作品。ジュード・ロウが、薄っぺらい男を好演。今作は、観る側に”地に足の着いた生活を送る大切さ”を訴えかけてくる作品でもある。】
■イギリス人のローリー(ジュード・ロウ)は、アメリカでソコソコ成功しながらも、更に大金を稼ごうとアメリカ人の妻・アリソン(キャリー・クーン)と子供たちと共に、好景気に沸くロンドンへ戻って来る。
家は、大豪邸だ。
ローリーを迎える会社の同僚や社長たちの姿からは、ローリーの未来は明るいように見えたが・・。
しかし、アリソンはある日、工事業者への支払いが滞り、さらに貯金が600ポンドしかない事を知る。
◆感想
・ストーリー展開は粗い。が、今作ではローリーがアメリカン・ドリームをに囚われ続ける愚かしき姿を、ジュード・ロウが今までのイメージを捨てて、熱演している。
・アリソンが、ローリーの嘘八百”もうすぐ、大金が入る”と言い続けるも、全然金が入って来ない姿に愛想を尽かしていく姿を、キャリー・クーンが同じく好演している。
■アメリカから連れて来たサラブレッド、リッチモンドが突然死するシーンは、今作のテーマを暗喩している。
・ローリーが、深夜タクシー運転手に、”アンタの職業は何だい?”と聞かれ、”金持ちぶる事・・”と疲れた表情で語るシーンは、ナカナカである。
・子供達も、両親の軋轢を目にして、生活が荒れていく・・。
<今作は、観賞していて決して愉快な作品ではないが、観る側に”地に足の着いた生活を送る大切さを訴えかけてくる作品である。
そして、タクシーから途中で降ろされたローリーが漸く家に付き、妻と子供たちに”アパートに移ろう‥”と言うシーンと、その後家族そろって朝食を食べるシーンには、オハラ夫妻一家の将来の微かな希望が感じられる作品である。>
まあ退屈はしなかった。
話がちょっと大雑把な気がしたけど。
魚の養殖の兄さんというか、おちゃん ああいう気のいい感じの人っているんだよな。
主人公との対比が面白い、どちらも上流には登れないタイプだけど。
タクシー運転手にあんな能書き垂れさせるなよ白ける。
こんな不都合な旦那…居そうだよね💦
「この家、怖い…」息子が言う様に
妻も子供達も不便で気に入らない古臭い、ただデカいだけの家に暮らす家族
野心ガンガン金持ちぶる事が全て、野望に取り憑かれた夫…
アメリカとイギリスの文化や仕事の仕方
庶民と上流…全ての違いや不協、表現を
夫の嘘と見栄でゆっくり壊れて行く家族の絆をヤジ馬根性丸出の斜め目線で見続けましたが
何となく中途半端なままでした
「地に足の付いた生活を地道にしとくれ」と
タクシー運転手さん!ナイスアシスト!
次第に夫に拒否反応を示す様になる妻役キャリー・クィーンの深みある演技と美しさ、ダンブルドアのイメージが消去😁される程のジュード・ロウ
まさに「理想」以上の熱演は見応えありました!
見栄っ張りの旦那を持つと…
会社にもいるような、過去の栄光にすがり付いている老害。昔は凄かったかもだけど、時代が変われば何の役にもたたない老兵。時代についてこれず、玉砕し責任が僕に降りかかる…😢ここに登場する父親は正に豆腐の角に頭ぶつけて死ぬしかないかも…。見放さない妻と子供がいることに感謝しないと…。久々に地雷を踏んだ気分です!
全く刺さらない。
さして途中の人間関係の伏線もなく、馬とのやり取りも意味がわからず。
セレブが落ちぶれる様も何だかダラダラで、どこがサスペンスなのかもわからない。
ストーリーの起伏もなく、何が伝えたい映画なんだろ?
原題はNEST
邦題に少々、難あり。
それでも、二人の微妙な気持ちの揺れにハラハラするのは、演技派だから。
子どもたちも好演。何気ない日常なのに、目がはなせない感じ。
で、なんでこの邦題かなぁ〜
そこだけが疑問。
「何が足りない?」
人生に足りないものを、貪欲に追い求めて家族崩壊寸前。
タクシードライバーが、いい味出してる!
ダンニングクルーガー効果
とにかく馬の不穏な鳴き声、タクシードライバーの「真面目に働く」って言葉がすべて しかし一社員が合併仕切るなんてことあるんでしょうかね?
まぁでも最後は目が覚めたようで
何回も見て来たような話です
見栄っ張りな夫婦が崩壊していく話。
似たような話を何回も何回も見て来たような。
手垢にまみれたような。
…だから?都内では、ここ、立川の小さな映画館のみで公開!
しかもガラガラ!(19:10の回)
しかーし!ジュード・ロウが役にピッタリ!!
めちゃくちゃ役にハマってたし、相変わらず華があるので、彼のファンは見るべし。
奥さん役の人も雰囲気あるし、田舎の屋敷も雰囲気あるし。音楽も好みだし。
でも、話としては、ぎりぎり寝落ちしない感じなので、こんな点数です。
嫌なヤツ
嫌なヤツをやるときのジュード・ロウは最高だな。あぁ、そうなるんだろうなぁ…と思わせたうえできっちりその上を行くのが素晴らしい。
最後の朝食シーンが彼らの再生を示す、ところに気付いてやっと朝食やらモーニングコーヒーが関係性をいちいち示していたことを理解した。
しかし、「使うなら稼いだ分だけ」という以上に言うべきことはない気がしないでもない…
どのように見たらよいか非常に難しい…。
今年125本目(合計399本目/今月(2022年5月度)2本目)。
「ポテロ」と入れ違いで(同じシアターで、清掃)15分違いで視聴。
…とはいえ、他の方も書かれている通り、かなりわかりづらい映画です。
「不都合な「夫婦」」とはありますが、単に主人公(この映画の主人公を誰に取るかは微妙ですが、夫と解するのが妥当)が「一人で」発狂しているように思えます。
さらにわかりにくいことに、引っ越しがどうだの家畜がどうだの(この「家畜」の部分についてはかなりの描写がありますが、日本と(家畜に関する)文化が違うので推測がつかない)という話から、さらに主人公がつとめている会社(貿易会社か何か?)の経営方針が何とか…という話まで色々飛んできます。
ただ、PROレビューアの方も書かれていたように、おそらくこの映画は「1980年代の大量生産・消費時代」(作って作って売って売って、食べて消費して…)という従来からの経済の考え方が急速に変わっていった時代に主人公がついていけなくなったり、とまどったりした部分、そこがトリガーで、主人公がそれ(会社の考え方との違い)についていけずとまどった部分はあるのでは…と思います。
といっても、アメリカ・イギリスではここ30年くらいの「現代史」の扱いとして「そういう時代があった」ということは学習しても日本ではそうではないですし…。PROレビューアの方も書かれている通り、「おそらくその大量生産/消費消費時代に忍びよる影」というのがテーマにあったのではないか、と思えますが、そこからこの「不都合な理想の夫婦」に結びつけるのが難しく、かなり理解難易度も高いです(かつ、「心理スリラー」という扱いなので、主人公も含めて各人の取る行動がぶっ飛んでいる)。
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(減点0.2) やはりこのような事情がわかりづらい上にパンフレットもなければ公式HPの解説も不足しているので、近代イギリス・アメリカなどの経済史などを前提にしている部分があるのでは…と思います。それを「心理スリラー」として、この「不都合な理想の夫婦」と言い換えてももっとわからず、さらに混乱させているような気がします(妻のほうもやや考え方がぶっ飛んでいるかなと思える点はあるものの、そこまででもない)。
(減点0.1) 英語では、平叙文(疑問文でも感嘆文でもない、普通の文のこと)では「文末に前置詞をおかない」というルールがあります。アメリカ英語では許容される傾向が強いですが、イギリスではうるさいほうですし、この映画はイギリスも絡んでくる内容です。
もっとも、この「文末に前置詞を置いてはいけない」を厳密に守ると、複文や分詞構文、関係代名詞等を使わざるを得ない場所も出てくるし、「文末に前置詞を置く・置かない」で文章の意味がかわったり理解不能になるわけもなく、日本語でいえば「ら抜き表現の争い」に近い程度のこと(要は「正しい日本語」ならぬ「正しい英語」の争い、が本国にもあります)にすぎませんが、結構出ます(気にする人、しない人の差が激しいところです)。
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タイトルに期待していっただけに、夫婦というより家族の物語で、翻訳...
タイトルに期待していっただけに、夫婦というより家族の物語で、翻訳が間違ってる。ジュード・ロウは良かった。こういう役が回ってくるのか、やりたいのか。
掘り下げがない。でも俳優たちはみんな良くて、シナリオの問題なんだろう。
結局仕事は何ですか?
1986年、ニューヨークから野心を抱いてロンドンへ引っ越した男と家族の話。
ロンドン出身の貿易商の夫と、ニューヨーク出身の馬の調教師の妻、中学生ぐらいの娘と小学生ぐらいの息子という家族が、ロンドン郊外の大豪邸に引っ越して巻き起こるストーリー。
とりあえず1年分の家賃を払い、子供を名門校に通わせて、庭には牧場をつくる計画を立てて、ボスのところに身を寄せつつ、成り上がろうと画策する主人公だったけど…。
一応元ボスに連絡をしてから半年経ってたんですね。時間の経過が良くわからない。そしてその癖話しは超絶マッタリテンポ。
夫婦がどうとか、広い家がどうとかというより、結局根拠の無い自信と口八丁で身分不相応な暮らしをしながら財界に近寄ろうとしたけれど…というだけで、それ以上のものは無いし落ち方も中途半端、物足りなかった。
独りはったりバブル崩壊ということで。
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