「『ディナーラッシュ』より刺激弱め」ボイリング・ポイント 沸騰 kさんの映画レビュー(感想・評価)
『ディナーラッシュ』より刺激弱め
『ディナーラッシュ』はレストラン内のごたごたをサスペンチックに描いた良作ですが、こちらはリアリズムに重きを置いた作品のようです。
確かにはらはらドキドキという点では映画自体のうま味がよく表れているように見えます。
ですが細部を見てもやはり物語の設定が粗削りであることは否めません。
根本的な問いとしては「なぜこのチームの力量でロンドンの人気店までに上り詰めたのか?」です。
なんせ店を背負っているはずのメンバーが無能すぎる。
対して中堅~下っ端の方は指示には忠実に動くが他責的で「自分アルバイトなんで」という適当が過ぎる仕事ぶり。
いわゆるチームで支えあう、サポートするという基本的な組織の動きをできていない。
多くのベンチャー企業がシステムが整う前に大きくなってしまい崩壊していくのと似ていますね。
設定のツッコミどころはさておき、実際の料理がほとんど見えないのが残念でした。
まぁそこに焦点を当ててないのは分かるけど料理への言及が多かったのに対し説得力が欠ける部分ではあったかなと。
一本撮りのメリットとデメリットが分かりやすく表れている映画だと思います。
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