「later apologize promise」ボイリング・ポイント 沸騰 いぱねまさんの映画レビュー(感想・評価)
later apologize promise
クリックして本文を読む
この台詞の何と多い事 本当に社会の縮図をギュッと煮締めたようなワンショット長回しの撮影法でのドキュメンタリータッチの作劇である。
なので、鑑賞後は相当の苦さが口どころか脳一杯に拡がる感覚がなかなか溶けない。これを"スリリング"なんていう形容詞を使うことすら烏滸がましい、胃酸をたっぷり味わえるストーリーテリングだ。
人種差別、店内のヒエラルキー、ブラック企業、アルコホリック、麻薬、人間関係、リストカット、LGBTQ、等々細かい内容が散りばめている中、自分が注目したのは食物アレルギー。
果たして、アレルギーを持つ人が外食をする際、どれだけ飲食店は対応しなければならないのか、否、そもそも対応しなくてはならない義務なのか、という事を深く思い起こさせてくれた。
自分自身、過去にそういう経験をした記憶がまざまざと呼び起こされ、本当にあの時の辛さが蘇って吐きそうになる程であった。
沢山の問題が一度に噴出(沸騰)したとき、人はどういう状況に陥るか、今作のラスト、あの結末は或る意味、カタルシスとしての着地点として正解なのかも知れない。多分、あれが本人にとって一番の幸せなのであろう。あのイビキは多分、脳関連の症状なのだろうが、周りの人に多大な迷惑を掛けてもそれでも最後迄続けようとした証みたいなもの、所謂”戦死”としての一つの理想なのかもしれない。勿論、私はご免被るがw 私は周りに迷惑掛けても生きたい、別に周りが助けてくれる訳じゃないから・・・
コメントする