ストーリー・オブ・フィルム 111の映画旅行

劇場公開日:

ストーリー・オブ・フィルム 111の映画旅行

解説

2010年から21年にかけて公開された111作品の傑作映画に焦点を当て、その内容や制作背景をひも解いたドキュメンタリー。これまで見た映画は1万6000作品以上にも及ぶというスコットランドのドキュメンタリー監督マーク・カズンズが、自著「The Story of Film」をきっかけに制作した同名テレビシリーズを経て映画版を制作。カズンズ監督が自らナレーションを務め、「アナと雪の女王」「ジョーカー」といったメジャー作品やアピチャッポン・ウィーラセタクン監督作「光りの墓」、アリ・アスター監督作「ミッドサマー」などのインディペンデント作品までジャンルを問わず選出し、独自の視点から近年の映画史をたどる。さらに世界的パンデミックの中で広がるデジタル配信の可能性や映像技術の進化を紹介し、映画がもたらす希望や力について語る。

2021年製作/167分/G/イギリス
原題または英題:The Story of Film: A New Generation
配給:JAIHO
劇場公開日:2022年6月10日

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映画レビュー

4.5「見なきゃならない映画」が山のように提示される

2022年7月1日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

「映画鑑賞を指南する映画」とも言えるし、「見る映画検定」とも言えるし、とにかく、普段映画たくさん見ているって自負のある方は、この映画の「監督と勝負する」ってノリで見てください。この映画では、2010年から21年までの111本の映画が紹介・引用されますが、私はその半分ぐらいを鑑賞していて、「やっぱそういうことだよね」って共感が1/3、「それは知りませんでした」って気づきが1/3、「見逃したんで、これから見ます」って反省が1/3という感じです。 それにしても、紹介する映画の本編を使うための、権利処理が相当大変じゃないのかとお察ししました。テレビシリーズの方も見てみたい。

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駒井尚文|映画.com編集長

4.0直近12年間の傑作・意欲作を効率的にガイドしてくれる

2022年6月26日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

楽しい

知的

なぜ2010年~2021年の公開作から選ばれたのか、という点には事前情報があるほうがよさそうだ。本作のマーク・カズンズ監督は、2004年に著書「The Story of Film」を発表し、この本をもとに19世紀末~2000年代の120年の映画史を1話約1時間のドキュメンタリーシリーズ「The Story of Film: An Odyssey」全15回を制作した(映画配信サイトJAIHOで第5回まで配信中。15回は来年4月の予定だそう…。過去にはスターチャンネルで放送されたこともあったようだ)。本作は原題が「The Story of Film: A New Generation」となっていて、15回シリーズの続編という位置づけになる。 だから、順序としては「An Odyssey」を先に観てからのほうがベターなのだろうが、もちろん本作を最初に観ても大きな問題はない。むしろこの10年ほどの間に鑑賞した作品がメインに扱われるので、「そうそう、あのシーン良かったよな」などとすぐに細部を思い出せるメリットもある。ちなみに、比較参照のために2009年以前の公開作も20本以上短く紹介されており、これらも含めて111本という計算のようだ。 「映画言語の拡張」などの切り口で、この10年ほどでもいかに映画の見せ方、語り方が進化しているのかを教えてくれるし、監督独自の視点からの指摘は「こういう見方もあるのか!」と気づかせてもくれる。映画の作り手だけでなく、観客にとっても学べる点が多々ある好企画だ。JAIHO、残り10回の配信予定早めてくれないかな……。

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高森 郁哉

3.5間延び感はあったものの、、

2022年7月31日
iPhoneアプリから投稿

観たことのある映画は、もう一度 観たことのない映画は、すぐにでも観たくなる そんな映画でした。 連想ゲーム的に作品が繋がってるんだけど、 これにはこれ来るかなってのが当たったり、 または全く観たことも無いものがきたり。 たのしいです。 これだけの映像を揃えたことがすごい。 パンフレットも買ったので 掘り下げるのがたのしみ。 ラストは、 自粛後に行った映画館の素晴らしさとか 映画館では自分の人生が掘り下げられるとか 映画賛歌で終わってましたよ。 JAIHOのやつも全15話くらいあるので、 絶対観る!

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JYARI

4.0超・シネフィル映画入門。

2022年7月5日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

楽しい

知的

寝られる

毎日映画を欠かさず見ているというシネフィルの鏡のような監督が近年の映画111本をテーマに沿って紹介していくドキュメンタリー。 予告はかなり有名どころの映画を使っているけど、紹介される割合はいわゆる単館系映画が多い。日本公開はされてなかったり、ちょっと前にアップリンクでやってたな〜でも見なかったな〜みたいな作品。 ぶっちゃけこういう映画って、素晴らしい作品なのは分かるけど高確率で睡魔に負ける。そういう作品の演出や表現をすごーく丁寧に解説してくれるので、単館系映画の見方超入門って感じがした。まだまだ自分の見てない映画がこんなにあるのかと打ちのめされ、めちゃくちゃ映画観るモチベーションを上げてくれる映画。私も明日から1日1本見たい。 現代の映画の手法を色んな映画を用いて説明するので、多少作品とテーマの繋げ方が強引にも感じるところはあるけど、そこは権利の問題と監督自身の趣向もあるのだろうからご愛嬌ということで。映画の引き出しが沢山ある人はこのテーマだったら自分は何の作品を連想するか考えながら見ると面白そう。 特に印象的だったのは、配信について、比較的映画業界にとってはマイナスなイメージが漠然とあったけど、好きな時に好きなものを見れる配信サービスは私たちが主導になれると言っていたこと。確かに消費者側にとっては良い事なのに、なんかあちら側の業界の人に洗脳されてたわと思った(笑) そして、終盤までほぼ日本の作品は小津安次郎や黒澤明という過去の巨匠の名前しか上がってこなくて、日本終わってる、、?と不安だったけど、『万引き家族』出てきて嬉しかった(笑)日本に今是枝監督いて良かったぁ。

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せつこん