さかなのこのレビュー・感想・評価
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得るものの多い作品
さかなクンの半生を描いた映画。主演はのん。
冒頭で「男か女かはどっちでもいい」と出てきて、もうこの作品が好きになった。子役も女の子だったけれど、のんが学ランで登場したときに、ようやく腑に落ちた。
好きなことにまっすぐ生きられるって幸せだ。でも、お金を稼ぐ手段とか、家庭をもてるのかとか、周囲の理解と協力が欠かせない。この映画は、そんなミー坊の"周囲"がとても素敵に描かれている。
ミー坊を理解し、ミー坊に協力し、ときに人生の重要な選択さえもミー坊に左右される"周囲"。とくに母親の存在が大きい。母は、「それでいい」とは言ったけれど、「それがいい」とは言っていない。でも、それで良かったのだ。
息子のありのままを全て受け止めた母
ただいま子育て中の身であり、この映画を「母」という立場で観てました。
とにかく魚に夢中になる息子・ミー坊を、井川遥さん演じるお母さんが否定も問題視も軽視もせずに、全部ありのままを受け止めている様子に心打たれました。
そのお母さんの姿勢や覚悟というのは、一体どのようにしてそのようになったのかと思うほどです。
ミー坊のお母さんは、ハラハラしたり葛藤のようなものも実際あったのではと想像してしまうのですが、実際はどうだったのでしょう。
どんなときも息子の意思を尊重して、見守っている愛しているお母さんでした。
ミー坊が魚生活に浸ってただ幸せそうにしているシーンは、ほのぼのとして楽しい雰囲気なのですが、母目線で観ている私は感極まって泣いてました。
趣旨はわかるような気がするが
ギョギョおじさんはミー坊にもあり得た未来だ
さかなクンが何者にもなれなかった世界線の物語。
さかな好きのミー坊は、小学生の頃に同じくさかな好きの不審者ギョギョおじさんと出会い、ひょんなきっかけでおじさんが被っていたハコフグ帽を受け継ぐ。
ミー坊は大人になってもさかな好きを貫くが、自分の思いと世間のギャップに戸惑い社会からはみ出してしまう。
そんなミー坊を救ったのは高校時代の友人たち。彼らはミー坊の天真爛漫さを受け入れ、救われ、影響を受けていた。
テレビ局のディレクターになった友人はミー坊にテレビ番組に出演しないかと声をかける。ミー坊は悩む。そんな折、小学生の頃にギョギョおじさんからもらったハコフグ帽を段ボール箱から引っ張り出し、帽子を被って番組に出演することを決意する。テレビに映っていたのは、子供の頃に出会ったギョギョおじさんのようなキャラクターを演じるミー坊だった。
ギョギョおじさんはミー坊にもあり得た未来だ。好きを貫いたおじさんは何者にもなれず、職に就くこともできず、近所では不審者として認知されていた。一方ミー坊は好きを貫いた結果友人たちに支えられ何者かになることができた。
好きを貫いても成功するかは紙一重。そう考えるとコミカルな内容とは裏腹に重いテーマを持った作品のように映った。
劇中で「好きに勝るものなし」という台詞があるが、成功者ならではの言葉なのだろうか。何者にもなれなかったギョギョおじさんは幸せになれたのだろうか。
やりたいことをする
のんさんの目力。
いやー神
面白いといえば面白いのかなぁ
アオリイカを捕まえるために学ランのまま海に飛び込んで「とったー」と海上に浮かんでくるミー坊、『あっ!あまちゃんだ!!』と思った。
のんさんは、きらきらいい目をしていた。
「な、おまえ、自分のナイフとか持ってないの?」
「持ってるよ。だけど臭くなっちゃうでしょ。」…
少し違和感。
『普通ってなに?ミー坊はよくわからないよ…』
う〜ん、別次元の問題になってしまうかなあ…と思った。
磯村勇斗さんを今年は何回観ただろう。相変わらず上手い。観るものを惹きつけますねー。
さかなくんの存在感が、全編を通じて伝わってきた作品。やっぱ、さかなクンはすごいなと。そして、『好きに勝るものなしでギョざいます』には、大きく納得。
そして、そして、さかなくんの『素あたま』を観ることができたのが、一番驚いた。貴重なシーンで身が引き締まった。
ただ純粋に、美しい物語。
さかなクンの半生と言いつつ、脚色は多いけれど、沖田修一らしい脚本、演出がなんともユーモラスで非常に面白く見れた。
子供時代のリアルさよ笑
小物の作り込みはもちろんだけど、子役たちがリアルすぎてツボったのと、さかなクンの演技がいつも通りすぎてなんとも言えない空気が漂っていた。
そしてのんさん。最高すぎる。
確かにさかなクンは中性的なところがあるけど、さすがに女優を起用するとは大胆すぎたが、違和感なく、のんさんが元々持つ不思議感が相まってさかなクンだ!と思わせる空気が素晴らしかった。
話は基本はほんわかストーリーなんだけど、人生の苦難的なシーンもある。ただそこにも沖田マジック。見てる私は笑顔混じりで苦難を乗り越え、涙も誘った。なんとも言えない素敵な雰囲気の漂う映画だ。
キャスト陣も豪華かつ、ピッタリだと思ったな。夏帆は相変わらず美しく、岡山天音もいい役で柳楽優弥最高。いつもと違う役に見えたけど、さすが。
気をてらったカットや演出はラスト以外ないが、そこも素直に魚が好き!という男の子(スクリーンでは女の子だけど笑)が、そのまま大きくなっても気持ちを貫く1人の人生を描く。いい映画だった。
想像以上にめちゃめちゃ変な映画。けれど不思議な感動が押し寄せてくる大傑作。
観る前から全く想像もつかないようなめちゃめちゃ変な映画でした。
まず幼少期のミー坊が家族で海水浴に行くシーン。
体に巨大タコを巻きつけたミー坊が海から出てくるとこで、あまりにも意表を突かれ過ぎて思わず声が出ちゃいました笑
しかもその巨大タコを飼おうとしているミー坊の前で、タコの頭を引き千切りコンクリートにタコの脚を叩きつける父親。
予想外の展開すぎてこれは一体何を見せられてるんだろうって感じで開いた口が塞がりませんでした笑
他にも、高校生になったミー坊が不良に絡まれながら行うイカの捕獲大作戦、日本初のカブトガニの孵化の成功など、全く予想外の展開がこれでもかとばかり繰り広げられる。
ただ単に変なだけな映画じゃなくて、ちゃんと不思議な感動を感じさせてくれる本格的な人間ドラマにもなっている。
まず井川遥演じるミー坊の母親が素晴らしい。
子どものことを全面的に信頼して、子どもの興味のあることを最大限応援する。
「勉強が出来る子がいれば、勉強が出来ない子がいてもいい。ミー坊は魚を好きでいてくれたらそれでいい」って何の迷いもなく言い切るシーンは感極まりそうになってしまいました。
これはなかなか出来ることじゃないし、全国の教育者は是非見習ってほしい姿勢だと思いました。
あとはミー坊の幼なじみ役の柳楽優弥も素晴らしかった。
ミー坊の夢を馬鹿にするような最低な恋人よりも、ミー坊との友情を選んだ彼に拍手を送りたくなりました。
好きって気持ちを貫くのは本当に難しい。
もちろん好きって気持ちだけで全てが上手くいくほど世の中は甘くはない。
映画のなかのミー坊も、理想を抱いて就職した水族館では現実とのギャップに苦しんだり、せっかく来た水槽のプロデュースの仕事も上手くいかなったり、好きな気持ちだけではどうにもならない大きな壁にぶつかったりしている。
けれど、どんなに周りからバカにされようとも壁にぶつかろうとも、純粋に自分の好きな気持ちを持ち続けていれば、いつかどこかで自分の好きが形になる瞬間がきっと来るかもしれない。
そんな素敵なメッセージを伝えてくれる素晴らしい作品でした。
純粋な存在として
さかなクンと「のん」のコラボ作品です。観ている内に「のん」がさかなクンにしか見えなくなってきました。
さかなクンのお話を"のん"が演じるというので
予告を観てから気になっていた作品です。
ぜひ観てみなければ、と鑑賞です。
◇
さかなクンの小学校時代から話が始まります。
その頃から「サカナ好き」 で 「お絵描き好き」。
周りが何と言おうと マイペース。
悠々と泳ぐタコさんも
仲のよい女子との事も
サカナ新聞を作ることも
「好きだよ」
そう。
好きなものは好き。
それが全て。
他に理由なんていらない。
高校生になった。
小学生がそのまま大きくなったようだ。
周りとの接し方も
相変わらずマイペースだ。
自分の高校の不良総長も
敵対する学校の不良たちも
出会った奴らはいつの間にか
気がつけば 「さかなクン」 が好きになっている。
大きくなって
仕事が上手くできなくても
仕事をいくつもクビになっても
さかなクンはさかなクン。 なのだ。
◇
この作品には
そんなさかなクンの魅力と
さかなクンを演じる「のん」の魅力が
たくさん詰まっています。
くすっ」とする場面が沢山盛り込まれ
140分があっと言う間でした。
(…140分? そんなに長かったんだ… とびっくり)
観て良かった。
満足です。
◇あれこれ
■天然さかなクン その1
不良からナイフを借りて
釣ったばかりの魚をさばく。
「自分のナイフは持ってないのか?」
と聞かれ
「使うと臭くなるから」
「 … 」
※ 次にイカを捕まえた時、一人だけ哀しい表情を
見せたナイフ使いの不良クンが愛おしい。
(またオレの使うのかぁ…涙)
■天然さかなクン その2
釣った魚を軽快にさばいてサカナくん。
お腹を割いて 頭をブツっ
「うわぁ」
「お前なにやってんだよ」 と総長。
「サカナ締めてんだよ」 とさかなクン
「総長も締めるだろ?」
「 … 」
「オレは そんな締め方はしない…」 (と、首をふるふる)
まあ
それはそうでしょうねぇ…。
■天然さかなクン その3
チーム乱闘(?)の最中に泳ぐイカ発見
捕まえるのに「網」が欲しい。
「 どこかに網は…? 」
視線の先には、何故か「全身網タイツ」を着用の
相手校の不良の姿が。
「 … 」
タイツを脱ぎ渡す不良の、悟った表情が愛おしい。
※最初、ケンカのための鎖かたびらと思ったのですが…
この全身網タイツの効能は、何なのでしょう?
◇最後に
どこまでが実際のエピソードで
どれが創作なんだろう と気になって
色々と調べてもみたのですが… 途中で止めました。
さかなクンらしいと思えたのなら 「あり」 でいいじゃないか。
そんな風に思えてきましたので。
◇最後の最後
「のん」って普通に海で泳げるんだ …と感心し
すぐに思い出しました。
「あまちゃん」 で何度も海に潜っていたんですよね。
何年たっても海女ちゃんでした。
じぇじぇじぇ でギョざいます。
☆映画の感想は人さまざまかとは思いますが、このように感じた映画ファンもいるということで
変わらず好きなままでいる才能
さかなクンを強く意識したのはテレビに出演している姿を観たときでも、大学の客員准教授になったときでもない。氷結のCMに出て、スカパラのアルバムに参加し、スカパラのライブにゲスト出演したときだ。ただテンションの高いうるさい人ではなく、マルチな才能を持った人なんだなと。
そんなさかなクンの自伝映画にのんが主演すると聞いて驚いた。なんてキャスティング!でも、たしかにアリといえばアリかと思っていたが、実際観てみるとやはり若干の違和感が。でも、冒頭に映し出されるテロップで先手を打たれた感じ。これはうまい手法。
少し調べようと思ってWikipediaを見たら、さかなクンのお父さんは囲碁棋士だそうだ。それもすごい!TVチャンピオンの話とかもまったくなかったけど、伝えたいのはそれじゃないってことなんだな。
実際、エジソンの伝記を読んでいるかのようなお話だった。普通って何?人と違うことは悪いこと?ってメッセージを散りばめながら、好きなことを変わらず好きでい続けることの凄さが伝わってきた。そうなんだよな。好きなものを好きでい続けるって、もうそれだけで才能なんだよ。周りの協力もあって、今のさかなクンが出来上がる流れはとても微笑ましい。
若干気になっていた(道徳的にではなく、どうやったのかという興味で)のは原チャリをノーヘルで乗っていたこと。最初のシーンが公道ではなかったからアリかと思っていたら、普通に公道でもノーヘルだった。と思っていたらエンドロールでそのメッセージが!最初と最後のメッセージが効いている。
本当にあったことなのか?
さかなクンの自伝的な原作を映画化した内容だと思うが、幼馴染みの女の子とその娘との共同生活があり本当にさかなクンが体験したことなのか?と気になった。なんかそのイメージは無かったので。脚色したものかと思うけど‥‥。さかなクンの子供時代の子役が可愛らしかった。コメディがあり暗い雰囲気がなく観ていて楽しかった。キャストが豪華だった。
TVチャンピオンの話は入れて欲しかった
心の底から優しい作品だった
沖田監督の作品は何しろあたたかく、優しい人たちに包まれている作品ばかりなのです。
キャスティングも見事だし、さかなクンはのん以外は考えられないと思いました。海から上がってきた彼女はまさしく、”あまちゃん”で何の違和感もない。
あのアラサー俳優たちの高校生ヤンキー達も絶妙に愛らしい。岡山天音、磯村勇斗、柳楽優弥、前原滉などヤンキー役に使っちゃうところが憎いです。
それにしても、さかなクンのお母さん、ステキな教育方針で。子育てをしてる自分もかなり考え方を改めさせられました。この母親がいなかったら、きっと今のさかなクンは存在しなかっただろうなと思います。
何かを大好きな子供たちにも、その子供たちを育てる大人たち、教育現場の方にも老若男女が楽しめるってこういう作品なんだろうなって思いました。
ぜひたくさんの人たちに観てもらいたいです。
好きなものは何よりも宝物
のんちゃんがさかなクンを?!と驚いたけど、とにかく違和感がない。
(小学生時代を演じた子も素晴らしかった!)
辛いことがあっても、自分らしさを変えず、好きなことを持ち続け、笑顔で生きていく。
簡単なようでとても難しいことだけど、気負わず緩く、なおかつ憎めないマイペースさがとてもチャーミング。
そして、主人公のお母さんをはじめ、取り巻く人たちもとても優しくて、なんだか嬉しくて泣きそうな気持ちになりました。
柳楽優弥さん、磯村優斗くん、岡山天音さんと俳優陣もなにげに豪華。
くすっと笑って優しい気持ちになる、穏やかな水槽の中にいるみたいな映画でした。
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