劇場公開日 2022年9月1日

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「好きを知らぬ間に忘れてしまった中年の心に刺さる映画。」さかなのこ コバヤシマルさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5好きを知らぬ間に忘れてしまった中年の心に刺さる映画。

2022年9月23日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

悲しい

楽しい

内容は、魚博士を目指すさかなクンの反省をミー坊と言う主人公に投影したコメディドラマ。好きな言葉は、『先生!皆んなが皆んな勉強が出来たら大変ぢゃないですか?!この子には好きをやって欲しいんです。』ミー坊の母が高校の進路相談で担任の先生に話す言葉。ミー坊の好きの力も凄いですが、それを家族という犠牲を払っても支える事の出来る母親の信念に恵まれた事が運が良いなぁと感じました。両手を挙げて好きを一番に感じる事が、時間と共に出来なくなってしまった我々一般大衆の憧憬と寂寥感を感じました。好きな場面は、ミー坊が寿司屋の大将とスナックに行き背後で流れていた『上・京・物・語』シャ乱Qの場面です。自分もさかなクンや沖田修一や前田司郎と年も非常に近いので当時の状況がシンクロした感覚があり、身近に感じられ郷愁に駆られました。ロッキーのスウェットも当時来ましたし野外の階段も駆け上がり両拳を上に突き上げる仕草も真似た記憶が蘇ります。好きなシーンや場面では、やはりギョギョおじさんとのパトカー🚓前での別れの場面です。さかなクンが帽子を脱ぐという事は死ぬ覚悟をしているぐらいの感覚なので、人から無理やりは脱がされないですが自発的に自分から脱ぐ場面はバトンタッチされた様でなんだか嬉しくもあり寂しくもありました。そして最後の映像的な上手側に堤防を走りそのまま海の中へ魚群に迎え入れられハコフグになって画面右手に泳いで行く場面は叙情的で観ている人の其々の想い出にも訴えかけるような映像的表現は素晴らしいと感じました。一部の天才や悪魔それを支える人々。皆同じ様な葛藤や挫折を感じ好きと幸せを楽しみに精一杯生きてるかもと考えると皆んな形は違えど、さかなのこで、時間と共に思い出し辛くなっただげなのかもしれません。だから人の心を打つ様な素晴らしい作品に仕上がったのだと感じました。

コバヤシマル
コバヤシマルさんのコメント
2023年6月11日

コメントありがとうございます。本当に奇妙な作品なのに違和感なく観れる面白い作品でしたね。思い出すだけで楽しくなれる笑顔と共に元気付けられる作品に心から感謝します。

コバヤシマル
iwaozさんのコメント
2023年6月11日

ナイスレビュー感謝です!^ ^
結構、複雑だけど同感です。
これすごく変だけど、同世代だからなんでしょうか、やたら共感できる感覚ありましたね。f^_^;
たぶん違う世代の人には理解されないんじゃないかっていうセンスがね、理解出来たという嬉しさがありましたね。沖田監督ナイスでした!

iwaoz
コバヤシマルさんのコメント
2023年4月14日

コメントありがとうございます。本当に楽しい作品を共有出来る嬉しさに優るものはないですね。有り難う御座います。

コバヤシマル
CBさんのコメント
2023年4月14日

この映画、大好きです。こうやって "いいね" もらって、返すだけで嬉しい!

CB
コバヤシマルさんのコメント
2022年9月25日

コメントありがとうございます。本当に面白く独特の切り口が監督独特の個性として光る良い作品でしたね。こちらこそいつもレビュー楽しみに覗かせてもらってます。ありがとうございました。

コバヤシマル
NOBUさんのコメント
2022年9月23日

今晩は。何時も、ありがとうございます。
 今作は、ミー坊を演じた能年里奈さん(レビューではのんさんと書いていますが、本名が名乗れない事には昔から憤りを持っているので・・。)の性差を軽く乗り越えた演技と、さかなクンを支える母の姿や、ミー坊の好きな事を貫く姿に感化されて行くヤンキー達(個人的には岡山天音さんが演じたカミソリモミが好き・・。だって、アオリイカの胆あえを食べて(そりゃ、美味いよ!)寿司屋になるなんて、素敵である。)の姿が、クスリと笑えて沁みた映画だったからです。沖田監督の作品はほぼ観ていますが、どれも好きですね。では。

NOBU