「好きなものを追い続けるということ。」さかなのこ せつこんさんの映画レビュー(感想・評価)
好きなものを追い続けるということ。
魚が大好きなミー坊が家族や友達に見守られながらさかな博士になるまでの半生を描いた話。
この映画が良いのは、魚大好き変人ミー坊が努力してさかな博士になる成功物語じゃなく、ずっと変わらない魚大好きミー坊を周りの人が暖かく見守ってアシストしてさかな博士にさせる話だから。
そりゃあ、さかな博士になる正攻法は勉強して海洋系の大学行って好きなだけ勉強することだろうけど、大学に入るためには魚以外の勉強もある程度出来ないといけない。ミー坊は不器用ながらも、どうにかして好きなことと関わり続けるために色々な仕事を試してみれど全部上手くいかない。
友達がいなければミー坊は、最初に出てくるさかなクン演じる不審な魚おじさんのように悲しい末路が待っているのは容易に想像がつく。身近にいるちょっと変わった人を、"普通じゃない"と排除するのか、仲間に迎え入れるのかは私達の手にかかってるんだなと思った。
好きなことを仕事にするに限らず、全般的な仕事において、自分のことは自分で考えてやっていくべきで人に頼るのは甘いって何となく勝手に思ってたけど、全部自分でやらなくても良いんだよね。自分が助けて貰えるように今のうちから友達に恩を売っておこう(笑)
ミー坊がずっと好きなことをやっていけたのは、お母さんがずっと背中を推し続け、友達もミー坊を肯定し続けたから。そんな人からの言葉がなくても本当に好きならずっとやってけれるなんて絶対嘘で、人から言われることって自分の意思の何十倍も強い力を持ってるよなと思った。
私は好きなことをやり続けるために、好きじゃない事で安定した収入を得てその代わり他の時間は全部好きなことに使う道を選んだからミー坊が眩しかったなぁ。