「のん×沖田監督による、さかなくんという奇跡の誕生物語」さかなのこ hungerさんの映画レビュー(感想・評価)
のん×沖田監督による、さかなくんという奇跡の誕生物語
噂には聞いてたけど、凄い良い映画だった。
ジェンダー、個性、多様性がテーマの映画。
開始30分の、私の気持ち
開始5分面白そう。
開始15分くらい、この映画さかなくんの反省がテーマだったよな。フィクションとノンフィクションの境目分かりづらくて少し見づらいな。
開始30分、子役の演技きついな。続きが不安。
しかし、高校生になるあたりから、物語がぐんと面白くなるので安心してください。
この映画の魅力ではなく、私が感じたこと
①個性を伸ばすことって大切だということ。
まず母が素晴らしく主人公ミー坊の魚好きという個性を伸ばそうと協力する。
その結果、母はおそらく離婚している。
行き過ぎた個性は周囲の犠牲と善意が必要になってくる。
行き過ぎた個性は周囲と馴染めず、いわゆる社会不適合者になってしまうという社会問題がある。ギフテッドによる不登校など。
最近はそのような個性を救うシステムもでき始めてる。例えば、東京大学が作った“新しい学校”「異才発掘プロジェクト」。
行き過ぎた個性を伸ばすシステム、助けがないと、その個性は落ちぶれてしまう。
私が最近読んだ小説の記憶にある一文。
善意は常にあるとは限らない
だからシステムで守らなくてはならない。
ミー坊は周りの善意によって助けられてきたが、実社会ではそうとは限らない。
突き抜けた才能、個性を守るシステムが今後の課題だろう。
② 責任は個性を殺しかねない
友達の桃とその子供がミー坊の家に転がり込んできた。決して裕福じゃない生活。子供が短いクレヨンで絵を描くのもを見て、ミー坊に頑張らないとという責任が生まれてしまった。そして、大好きな部屋の魚をお店に持って行ってしまう。理由はお金のため?部屋を広くするため?
また定職に着くこともミー坊の個性を殺す結果になっていた。
私が気になったシーンとして
ヒヨの彼女と高級フレンチを食べるシーン。
ミー坊が将来はお魚博士になりたいという発言を笑ってしまうヒヨの彼女。
この映画には悪者、いじめ、中傷が一貫して出てこない。彼女の笑いもバカにした笑いじゃないように私は感じた。それは彼女役の島崎遥香の演技からも、そう感じた(下手だからかも、、)
お魚博士という言葉の響き、発言の驚き、この子面白いなーっていう笑いに私は感じた。
だから彼女は悪くない!!!
そして、EDがCHAIという。
「NEOかわいい」、「コンプレックスはアートなり」というコンセプトを掲げて活動していて、ルッキズムについての歌詞も多い。
結論、良い映画であったけど、個性や多様性を尊重しよう的なのが詰め込み過ぎてて正直お腹いっぱい。
最近は他の作品もこのテーマが多いので
そろそろカウンターの文化や主張が出てくると予想される。
とりあえず、のんが最高だからそれだけでも見る価値あり。
さかなクンという奇跡の誕生のきっかけも感じられる傑作でした。