「別の世界のさかなクン」さかなのこ uzさんの映画レビュー(感想・評価)
別の世界のさかなクン
さかなクンに興味があったわけではないが、予告ののんに魅かれて鑑賞。
小学生時代は、正直キツかった。
子役に多くを求めてもとは思うが、ミー坊役は棒だし、他の子たちは大人の(演技の)真似をしたようなイントネーションが多く、違和感が強い。
逆に、高校以降は素晴らしかった。
のんの中性的な顔立ちに、純粋さを体現する声や表情、無邪気な動きはミー坊であり、さかなクンであり、のんであり、境目を感じない。
また、男性が演じていたら夏帆との同居に余計な印象が加わってしまうので、その意味でも起用は大正解だと思う。
ヤンキー達も皆かわいかったし、井川遥の穏やかながら芯のある包容力も良かった。
島崎遥香はチョイ役かつ損な役回りだったけど、大人っぽくなったなぁ。
ただ、マイナス点も少なくない。
まず冒頭のメッセージは文字ではなく、内容で表現してほしかった。(のんの演技はそれを十二分に果たせる)
また海に落ちてカジキ(?)を見るシーンは、エピソードとして回収されるわけでもなく、不要に感じる。
全体的にテンポも良くなかった(悪いとまでは言わない)かな。
さかなクンの半生という触れ込みだったが、自分は別の解釈として観た。
ギョギョおじさんは成功しなかった世界線のさかなクンであり、しかしその『好き』がミー坊に引き継がれ、またモモコの娘へと繋がっていく。
成功しなかった『好き』にも意味を持たせる意図があったのではないかと。
しかし、子供ながらに苦手な魚を我慢しつづけたお兄ちゃんが一番偉い気がする。笑