「ギョギョおじさんはミー坊にもあり得た未来だ」さかなのこ arentyouさんの映画レビュー(感想・評価)
ギョギョおじさんはミー坊にもあり得た未来だ
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さかなクンが何者にもなれなかった世界線の物語。
さかな好きのミー坊は、小学生の頃に同じくさかな好きの不審者ギョギョおじさんと出会い、ひょんなきっかけでおじさんが被っていたハコフグ帽を受け継ぐ。
ミー坊は大人になってもさかな好きを貫くが、自分の思いと世間のギャップに戸惑い社会からはみ出してしまう。
そんなミー坊を救ったのは高校時代の友人たち。彼らはミー坊の天真爛漫さを受け入れ、救われ、影響を受けていた。
テレビ局のディレクターになった友人はミー坊にテレビ番組に出演しないかと声をかける。ミー坊は悩む。そんな折、小学生の頃にギョギョおじさんからもらったハコフグ帽を段ボール箱から引っ張り出し、帽子を被って番組に出演することを決意する。テレビに映っていたのは、子供の頃に出会ったギョギョおじさんのようなキャラクターを演じるミー坊だった。
ギョギョおじさんはミー坊にもあり得た未来だ。好きを貫いたおじさんは何者にもなれず、職に就くこともできず、近所では不審者として認知されていた。一方ミー坊は好きを貫いた結果友人たちに支えられ何者かになることができた。
好きを貫いても成功するかは紙一重。そう考えるとコミカルな内容とは裏腹に重いテーマを持った作品のように映った。
劇中で「好きに勝るものなし」という台詞があるが、成功者ならではの言葉なのだろうか。何者にもなれなかったギョギョおじさんは幸せになれたのだろうか。
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