「さかなクンの自叙伝を「のん」が演じる、と聞いた時に「ゲテモノ系」映画の印象を持ったが、実際には、自然すぎて驚く。」さかなのこ 細野真宏さんの映画レビュー(感想・評価)
さかなクンの自叙伝を「のん」が演じる、と聞いた時に「ゲテモノ系」映画の印象を持ったが、実際には、自然すぎて驚く。
まず、さかなクンの自叙伝を「のん」が演じる、という設定の時点で「ゲテモノ系」のヘンテコ映画を想像する人が多いでしょう。
共通点としては、さかなクンは「ぎょぎょぎょ」、のんは「じぇじぇじぇ」というくらいしか見つかりません。
ただ、男とか女とか、性別なんてどうでもいいんですね、本当に。
のんが見事に演じ切っていました。
本作のイメージを一言でいうと、「とにかく楽しい映画」です。
試写会場が映画館だったこともあり、人も多く、笑いに包まれていました。
そこで気付いたのは、やはりコメディ映画は映画館で見るのが良いということです。
ボーと見ていると、周囲の反応で、「あ、ここは面白いシーンなのか」と何度も気付かされました。
久しぶりに映画館で観客との一体感を感じた作品でした。
キャスト陣も、のんだけでなく、磯村勇斗、柳楽優弥などが良い味を出しています。
沖田修一監督は、前作の「子供はわかってあげない」で調子を取り戻してきたようで、本作が最高傑作だと感じます。
ただ、沖田監督作品の特徴ですが、若干長いのかもしれません。
その視点で考えると、「さかなクン本人の登場シーンは本当に必要だったのかな?」という疑問が生まれます。
単なるカメオ出演であれば何の問題もないのですが、子役との共演シーンは展開も含めて少々複雑な気持ちになってしまいます。
気になるシーンはそのくらいで、あとはひたすら楽しい作品でした。
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