シェイン 世界が愛する厄介者のうたのレビュー・感想・評価
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20年前と比べると歯が治った酔いどれ男。
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アイリッシュパンクというジャンルを生み出したザ・ポーグスのフロントマン、シェイン・ムガウアンのドキュメンタリーだが、同趣向のドキュメンタリーは20年前にも作られていた。ファンとして悲しい驚きだったのは、20年前の時点ですら、シェインはすでにこの世とあの世の狭間に漂っているようだったのに、この20年はなんだったのだろうと思うくらい、同世間から滑り落ちた同じ印象のまま、うつろな目を泳がせていたのだ。
今回のドキュメンタリーで特に詳しく描かれているのは、シェインのアイリッシュとしてのルーツ。序盤はシェインが幼少時代を過ごしたアイルランドの政治事情を詳しく紹介し、政治性がポーグスの音楽と直結していたことを明らかにしていく。ここを長いと取るか、興味深いと取るかは人によって変わるだろうが、非常に興味深く観た。
ドキュメンタリーとしてはシェインの支持者が集まった誕生日コンサートをクライマックスにして、セインの功績が報われたかのように締める作りなのだが、正直そこは甘いのではないか。一体シェインの時間はどこで止まってしまったのか? しかしそれを悲劇とも思わせないあたりがいかにもシェインらしくて、やっぱり食えない野郎だなと嬉しくなってしまうのだ。
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