「悪ふざけ一歩手前のおもしろさ」ブレット・トレイン REXさんの映画レビュー(感想・評価)
悪ふざけ一歩手前のおもしろさ
ノリノリの音楽に乗ってグロいアクションを展開するのは、キル・ビル以降に定着したアクションの一種じゃないかと思う。
絡み合う人物関係、トーマスのシール、盗まれた蛇、細かなアイテムや伏線が散りばめられ、ボトルウォーターの顛末まで描いており、笑わずにはいられない。
モモンガのアニメの絵や擬音も物語を示唆していて、隅々までぬかりない。
出し惜しみしない個性的な暗殺者たちもかっこいい。
まじちょい役のカーバー役のライアン・レイノルズと、ホーネット役のザジー・ビーツはデッドプール2で共演。
ザジー演じるドミノの特殊能力は「ラッキー(幸運)」。それが今作ではレディバグの前に「アンラッキー」の構成員として立ちふさがるのも面白い。
しかし惡(わる)というのはなんでこうも様になるんでしょうね。
各駅で、無駄にホームでメンチ切ってる面々ときたら笑。
カラフルで賑々しくて各キャラもいいのですが、なんかこう、アクションに必要なハラハラドキドキと釘付けにされるような、核になるようなものがなかった。全体的にザ・ファンタジー・ニッポンだったから、緊張感が欠如してたのが原因だろうか?
その中で真田広之の殺陣は流石で、説得力があった。カーバーは誰に雇われてホワイト・デスを殺そうとしたのかはわからずじまい。
慌ただしすぎて、観客が推理する時間がなかったのも集中できない要因か。
サンドラ・ブロックはブラピと仲良しなので友情出演だけど、そのサンドラと共演したチャニング・テイタムも一緒に出てましたね。ちなみに車掌のマシオカとチャニングはいつ列車を降りたのだろう(笑)
余談ですがあんまりここまで日本の都市がめちゃくちゃになるアクション映画って見たことないから、壊される風景に心を痛めてしまった。アメコミ映画などで毎度ど派手に壊れる自国を見ているアメリカ人って、耐性あるんだろうな。