劇場公開日 2022年9月1日

「伊坂幸太郎イズムをハリウッド風味にアレンジ、パラレルジャパンも悪くない!?」ブレット・トレイン たいよーさん。さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5伊坂幸太郎イズムをハリウッド風味にアレンジ、パラレルジャパンも悪くない!?

2022年9月27日
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鑑賞方法:映画館

笑える

楽しい

興奮

賛否両論だったものの、中学時代に伊坂幸太郎作品をチラチラ読んでいた自分にとっては、うまく伊坂イズムが入っているように感じた。それでいて楽しい。よく飛躍したテンションで作れたなぁ…。ちなみに原作は未読。

人生のオールタイムベスト映画の1つ『ゴールデンスランバー』や車好きの心くすぐる小説「ガソリン生活」などを書いてきた伊坂幸太郎氏。サスペンスに疾走感が加速し、予想できぬラストへと一気に引き込む。その中で生まれる反応や変化、感情を繊細に引き立てながら帰結するプロットは読みやすく面白い。そんな彼の原作がハリウッド化した訳だが、かなりパラレルトーキョー…。心配になるのも無理はない。

しかしながら、これが結構面白かったのだ。原作を踏襲したであろうテーマ、「運は見方による」というフレーズが連呼され、不運な男の見方を変えていく。訪れる出来事が不幸か否か。序盤から立てられたリードが安心感を引き立てつつ、コミカルにブラピが振り回される。

タイトルは「弾丸列車」となるブレットトレインだが、小説の「マリアビートル」の意味を考えながら観ていると、一段と練られた作品だったと感じる。やってる規模も展開もビジュアルもむちゃくちゃだけど、プロットの土台が固く揺るがないものだったことで、良いものを観れた感覚に。爽快感がある。

邦画には邦画らしい時間の過ぎ方があると思うが、勢いを大切にするハリウッドはこれくらいの解釈が似合う。つまり、この終点で良かったのだ。笑

たいよーさん。