劇場公開日 2022年9月1日

「洋画特有のコテコテ日本描写からしか得られない栄養素はたしかに存在する」ブレット・トレイン kisi0818さんの映画レビュー(感想・評価)

5.0洋画特有のコテコテ日本描写からしか得られない栄養素はたしかに存在する

2022年9月7日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

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”デイ・アフター・トゥモロー”や”ワイルド・スピードX3”など洋画特有のコテコテの日本描写が気に食わない人はいるかもしれない(筆者は大好物であるが)、だがそれを個性の域にまで昇華させたのがこの”ブレット・トレイン”だろう。
東京から名古屋までずっと”ニンジャスレイヤー”並に勘違いされたネオンがマシマシに配された日本が広がり、米原は水墨画のような霧がかった風景となっている。しかしながら、冒頭の東京駅にはビアード・パパの看板が出てきたり、車内販売の菓子が現実販売されているものであったり妙な現実感もありこれは制作側は判ってやっていると感じた。
その昔”新幹線大爆破”では新幹線が爆弾テロに遭うというストーリーに国鉄が難色を示し、一切の協力が得られなかったそうだ。一方、”ブレット・トレイン”ではジャパンプレミアがJR東海の協力のもと実際の東海道新幹線の車内で行われるなど破格の待遇であったといえる。
これが日本高速電鉄の夜行新幹線ゆかり号ではなく、リアルなJR東海の東海道新幹線のぞみ号ならこんな試写会はありえなかっただろう。
コテコテの日本描写が一周回ってこの映画独特の雰囲気を作り出しているといえる。

kisi0818