劇場公開日 2022年9月1日

「縦長の密室状況と、前後左右に振り切れる時間軸」ブレット・トレイン 牛津厚信さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0縦長の密室状況と、前後左右に振り切れる時間軸

2022年9月4日
PCから投稿

この奇妙で愉快な映画を一体どんなジャンルに位置付けようか? アクション映画にしては登場人物が本当によく喋る。しかも弾丸特急に負けないくらいの速さで。かと思えば、リーチ監督仕込みの格闘シーンはやっぱりピカイチで、「縦に長く横に狭い」究極の密室状況を巧みに駆使して、見事なオーダーメイドなコレオグラフィを作り出す。そして暗躍するキャラたちも良い。というか、あの二人組が妙に愛おしくなる。ミクロに焦点を絞って観ると、物語、登場人物ともにすごくイビツで、時間軸に関しても前後の見境なく吹っ飛ばしていくけれど、伊坂作品ならではの「後からディテールが追いかけてくる」章立て構成はグッと効いているし、終わって見ると、荒唐無稽なれど面白い構築物を見たなという印象だ。カラフルに彩られた日本も、我々が勝手知ったる環境というよりは、どこかパラレルワールドに近い感触。評価は割れるだろうが、個人的には凄く楽しんでしまった。

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牛津厚信