劇場公開日 2022年9月1日

「伊坂幸太郎の人気小説をパルプフィクションに見事にアレンジ」ブレット・トレイン kazzさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0伊坂幸太郎の人気小説をパルプフィクションに見事にアレンジ

2022年9月8日
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鑑賞方法:映画館

「殺し屋シリーズ」の2作目である原作「マリアビートル」は、伊坂作品だから東北新幹線(盛岡行き)が舞台。
これを東海道新幹線(京都行き…京都が終点の新幹線はないけれど)に置き換え、ドタバタバイオレンスコメディーに仕立て直している。
ストーリーはほぼ原作どおりなのに、ぶっ飛び具合は数倍にアップしている。

キャストのほとんどを外国人で固めていて、主人公を木村から天道虫(ブラッド・ピット)に、王子を女の子(ジョーイ・キング)に変え、なんと峯岸はロシア人の子分“白い死神”(マイケル・シャノン)に裏切られて殺されているという大改変。
その“白い死神”と王子との関係、木村の父(真田広之)との因縁などを投入して、癖が強い殺し屋たちが複雑に絡み合い、バトルロイヤルは混沌を極めている。

わざわざ東海道新幹線を舞台にする必要があったか、とは思う。(日本人から見て)アメリカまたはヨーロッパの大陸横断列車の方が違和感はなかっただろう。日本人の乗客はほとんど絡まないし、そもそも列車の内装は新幹線ではない。
でも、品川や新横浜、米原まで実際の駅名が登場して嬉しさも感じた。
製作側からすれば、日本の新幹線は世界的にも人気アイテムだし、ならば原作どおり日本を舞台とするのが当然だったのか。
惜しむらくは、新型コロナウイルスによる入国制限がなく、大々的な日本ロケが行われていれば…と、思う。
あの、全く本物とは異なる新幹線内部を見た列車のメーカーが、長距離移動列車に乗客が期待するものが何か、気づいてくれれば…とも、思った。

映画の導入部が残念だ。真田広之で引っ張る部分はそれなりだが、ブラッド・ピットが登場してから事が起きるまでのモタつきはお粗末だ。ブラピでなかったら耐えられなかった。
檸檬と蜜柑の登場シーンもウイットが効いていない。
クエンティン・タランティーノやガイ・リッチーのような粋な演出を狙って失敗した感がある。
しかし、そこをグッと我慢すれば、破天荒なドタバタアクションの世界に出会える。

しかし、とにかくハチャメチャな映画だ。
新幹線に飛び乗ったり、屋根の上を歩いたりするのは日本人には思いつかない演出だと思う。
クライマックスはハチャメチャと言うかグチャグチャな大騒ぎで、開いた口が塞がらない。このスケール感、度の超え方はなかなかだ。
真田広之が仕込杖で敵ボスと一騎討ちする日本人へのサービスもあるが、真田広之の殺陣に特殊撮影を使ってはいけない。監督には、真田広之をキャスティングしたことに意義はなかったようだ。

kazz
ゆり。さんのコメント
2022年9月19日

kazzさん、コメントありがとうございました🙇車掌役をもし日本の芸人がやったりしたらもっとわざとらしくなるかも。マシ・オカさんで正解なんでしょうね。
渋い魅力が増した真田さんの本格的な殺陣はぜひ観たいです。

ゆり。
たなかなかなかさんのコメント
2022年9月8日

kazzさん、コメントありがとうございました♪

ヘンテコ日本って楽しいですよね♫どうせ映画なのだから、とことん変なものを観たいです。

新幹線に飛びつくのはサイコーに笑えました!🤣

たなかなかなか
kossyさんのコメント
2022年9月8日

kazzさん、毎度コメントありがとうございます。
わらべに笑っていただき感謝です。
ひかり・ゆりこ・みつなりとか、こだま・ひびき・ちっちきちーというのも考えたのですが、しつこくなるので諦めました。
ルシールネタに気づいた人がどれだけいるのかも気になります・・・

kossy