「自分は「憤る」事を忘れていたようです。」鋼の錬金術師 完結編 復讐者スカー 吉田ヤブさんの映画レビュー(感想・評価)
自分は「憤る」事を忘れていたようです。
クリックして本文を読む
前作に続いて
豪華なキャストによる、とても華々しい映画であると思いました
世界観も中世のヨーロッパを彷彿とさせる、美しい景色が広がつていて
CGによる戦闘も迫力ありました。
その中で、山田涼介演じるエルリックは、やはり見ていてイライラ
してしまいます。
無鉄砲で無計画で短絡的な行動から、周囲を振り回す
«錬金術師»という頭が良いとされている職業なのにも
かかわらず。しかも、弱い。
行動理念は«憤り»分かりやすく言えば「ガキ」です。
原作漫画もアニメも大好きで観たのですけど
実写映画のエルリックが、観ていて一番イライラします。
それは多分、自分が大人だからなのでしょう。
憤りで動いてもロクな事にはならないと学習して来ているから
なのかもしれません。
物語の中盤、国家権力による虐殺が行われるシーンが
描かれます。
反乱軍の鎮圧という目的で、国家錬金術師と武力による
ある民族の虐殺が行われます。
国の命令という事で、大人も子供も、関係なく街ごと
廃墟にしてしまいます。
国に従属する大人が「国の命令だから」
「しょうがない事だから」「そういうものだから」と
武力をふるいます。
大げさな例えかもしれませんが自分自身の毎日の中でも
「そういうものだから」と考えずに行動する事が多くなっているようにも
思えてしまうものは沢山あります。
考え過ぎかもしれませんがエルリックの行動がどこか
羨ましくもあったのかも?と思ってしまいます。
「考えてるウチに、終わってなきゃ良いけどな?」なんて
言葉も聞こえてきそうです。
やっぱり、このガキは大嫌いだ!とフィクションと現実の垣根を
こえた物語の様に感じました。
コメントする