「世代交代のエクスペンダブルズ」エクスペンダブルズ ニューブラッド bunmei21さんの映画レビュー(感想・評価)
世代交代のエクスペンダブルズ
最初は、シルベスタ・スタローンをキャップとして、ジェット・リー、アーノルド・シュワルツネッガー、ブルース・ウイリス等、80年代からの華々しいアクション映画のヒーロー達の同窓会の様に顔を揃えていた本シリーズ。4作目となって、それぞれが歳をとり、少しトーンダウンと共に、タイトル通りの新しい血となる顔ぶれが増えてきている。
スタローンについては、激しいアクション・シーンからは、一歩退き、主役もジェイソン・ステイサムに移行された。その中で、ドルフ・ラングレンとランディー・クートゥアは、老体鞭打ちながらも現場主義を貫き通し、果敢にアクションにも挑戦して頑張っていた。
新しい仲間としては、ジェイコブ・スキピオ演じる陽気なガラン、50セントが演じるマッチョなイージー、ミーガン・フォックス演じるクリスマスの恋人ジーナ、そして、アンディー・ガルシアが、意外な役柄で参戦したが、あまりにぞんざいな最期で気の毒だった。
CIAの特殊傭兵部隊『エクスペンダブルズ』の今回の任務は、世界を混乱に陥れ、第3次世界大戦へと導こうとするテロ組織が、シリアから奪った、核爆弾を奪い返すというもの。この手のストーリーは、これまでもよくあるパターンで、それほど珍しくないし、最後のシーンも、何となく最初から見えていた通りの結末だった。ただその中で、スタローン演じるバーニーのラストにおけるサプライズ的な扱いは、誰もが納得する演出だった。また、シリアスな展開の中にも、所々に散りばめられたメンバー達によるウィットに富んだ会話は、この作品ならではの面白さとも言える。
こうしたアクション映画は、『ミッション・イン・ポッシブル』や『ワイルド・スピード』が、行き着く先までいった映像をみせてくれているので、どうしても比べてしまう。本作の舞台が、ほぼ貨物船の船上でのVFX見え見えのシーンばかり。激しいガン・ファイトはあったものの、ワールドワイドで本物志向に拘る2作に比べてると、今ひとつ迫力と壮大さは見劣りしてしまう。