シャイロックの子供たちのレビュー・感想・評価
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モヤモヤ感が残る池井戸潤作品‼️
おそらく多くの人が池井戸潤の作品に求めるものは、「半沢直樹」や「花咲舞が黙っていない」のような勧善懲悪、スカッとする水戸黄門様だと思います‼️しかし、この作品は確かに悪い奴(橋爪功、柳葉敏郎)はお縄を受けるわけですが、登場人物が受ける罰、贖罪が印象的な作品でした‼️バレなかったかもしれない過去の一時的な現金持ち出しの罪を後悔し、スーパーの店長代理になってる佐々木蔵之介、100万円の横領の責任を取って、刑務所で2年の実刑を受けた佐藤隆太などなど‼️そして銀行の過酷な業務で精神に異常をきたし、神社の狛犬に頭を下げる銀行員の描写はかなり衝撃的でした‼️今までの池井戸潤作品同様、銀行の闇を興味深く描き、物語自体は大変面白くできてると思います‼️ただ、全編を通して起伏に乏しいというか、テンポがイマイチ悪く、映画的なカタルシスが不足してるように感じる‼️淡々としすぎてるというか‼️阿部サダヲのキャラも柄本明からお礼に3億の小切手を渡され、「これを受け取ったらまっとうな銀行員でなくなる」とか言いながら、ちゃっかりもらっちゃってる‼️借金全て返済しても9千万円の丸儲け‼️銀行員辞めれば問題ないということか⁉️ただ柄本明と阿部サダヲの行為も完全な詐欺罪だと思うんだけど・・・。
我々はアントーニオの子供か、シャイロックの子供か
知っている方ならピンとくるであろう“シャイロック”。
ウィリアム・シェイクスピアの戯曲『ヴェニスの商人』に登場する金貸し。
強欲な性格で悪人のように描かれているが、開幕この舞台を見ていた夫婦の会話。
お金を返さない方が悪い。金はただ返せばいいってもんじゃない。
夫は銀行マン。ギャンブル狂で、ATMから金を盗み、競馬で当て、戻すという不正を繰り返していた。
ある時その場を検査部の行員に見られるも、気付かれず、事なきを得た。以来、ギャンブルから足を洗った。
企業相手に金を貸す銀行をシャイロックに見立て、行員たち各々の罪…本作を暗示めいている。
お馴染み池井戸潤金融小説が原作。
こちらもWOWOWでドラマ化され、『空飛ぶタイヤ』『アキラとあきら』のように単なるカット&脚色の映画化ではない。
原作小説ともドラマとも違う映画オリジナル・ストーリーが展開。オリジナルキャラも登場。
原作の話を少し調べてみたが、確かに映画の話とは違うようだ。
原作は読んでいないので何処が違うとは指摘出来ないので、この映画版のみの感想を素直に。
話の入りである事件は同じようだ。
東京第一銀行・長原支店。
100万円が紛失する事件が起きた。翌日見つかったと言うが、それは上役たちが金を出し合って“揉み消し”。
営業課の愛理のバッグから帯封が見つかり、疑われる。それも同僚の嫌がらせ。
ゴミの中からある伝票を見つけた営業課課長代理の西木は、ある人物を怪しいと睨む。
お客様一課のエース・滝野。“江島エステート”という会社に10億円の融資を成功させたばかりだった。
この時滝野は一大事に追い込まれていた…。
“江島エステート”は名ばかりの会社。が、話を持ち掛けた石本は、見込みありそうな案を引き合いに出してくる。
何処か胡散臭そうな気がしつつも、滝野は上役からの営業プレッシャーから話に乗る。
印鑑証明も偽造。上役たちはこれに気付かず、受理。
大口案件に支店は喜び沸くが…。
ほどなくして、石本から返済難の電話。とりあえず100万円立て替えてくれ。
滝野は、同僚が顧客先に用意していた900万円から100万円を盗む。それを返済に。
100万円紛失事件の犯人は、滝野だったのだ。
しかしそれっきり、石本とは連絡付かず。本人も会社も姿を消した。
100万円紛失事件はただのきっかけに過ぎなかった。東京第一銀行長原支店は、架空融資で10億円損失という一大事に瀕していた…。
この大事件に真っ先に気付いた西木。
人のいい性格。部下の愛理が疑われた時も庇う。飲み友達の老人の相続問題に振り回されながらも、相談に乗る。この時紹介された訳あり物件、やはり後々ね。
出世コースからも外れ、うだつが上がらず、部下から信頼されてるだけの課長代理と思いきや、なかなかの切れ者。
阿部サダヲが好演。
上戸彩演じる愛理と玉森裕太演じる田端と共に、何か腑に落ちない一連の事件を調べ始める。
すると、銀行内に蔓延る“闇”が明らかになっていく…。
石本は滝野が赤坂支店勤務時からの顧客。
だから話を持ち掛けてきたのだが…、実は関わる人物がもう一人。
長原支店の支店長・九条。石本とは兼ねてからの知り合い。
九条もまたギャンブル狂。金に困っていた。
そんな時、石本から架空融資の話。上手くいけば大金が手に入る。
それには“ピエロ”が必要。まんまと利用されたのが、滝野だったのだ…。
序盤辺り、滝野の案内で江島エステートの架空オフィスで石本と九条が合うシーン。この時すでに騙していたかと思うと、滝野が憐れに思えてくる。
何故滝野は断れなかったのか。それは石本から弱みを握られていたから。
石本から大金を受け取った過去…。
この時から、汚れた金に手を伸ばしてしまった滝野は、真っ当な銀行員じゃなくなった…。
どうしたらいいんですか…?
そう自問する滝野に、西木が投げ掛ける。
それは君自身が決める事だ。俺は石本と九条を許さない。やられたら倍返し!
まさかのあのフレーズが飛び出すが、この時の西木がカッコいい。
西木もプライベートは金の問題を抱えている。兄の連帯保証人になり、借金の肩代わり。ヤクザから借金の取り立て。
絡まれてた時、滝野が助けに入る。この時、うだつの上がらない行員とエリート行員に思えたが、正念場で逆転。
本当に真っ当な銀行員に相応しいのは…?
終盤で西木は謝礼金を提示される。西木は…。
一つの事件がきっかけとなって、その裏に隠された巨大事件へと繋がっていく。
小難しい金融システムや用語はあるが、さほど苦にはならない。
『半沢直樹』のようなスカッとする勧善懲悪ではなく、やるせなさ、苦さ、哀しさも滲ませる。忍成修吾演じる行員のパワハラとノルマ課せられた果て…。
それだけに、西木が仕掛ける一世一代の“倍返し”。滝野がやられた事をそっくりそのままやり返したようで、ここはやはり痛快。
石本=橋爪功と九条=柳葉敏郎の憎々しさも見事。
個人的には、昨今の映画やドラマで黒幕に欠かせない橋爪と柄本明の“対決”も見応えあった。
佐藤隆太や佐々木蔵之介ら豪華キャストのアンサンブル。もう一人個人的に、木南晴夏のやる気のなさ&嫌な女っぷりもオマケポイント。
『空飛ぶタイヤ』に続く本木克英監督の手腕も手堅く。
話の面白さ、役者陣の好演、ユーモアとスリル、社会派テーマと行員たちの裏の顔と銀行の闇…。
見始めたら引き込まれる、いつもながらの池井戸金融エンタメ。
人は誰しも金に翻弄される。
ならば翻弄される我々は、アントーニオか…?
金を貸す者、借りる者、返さない者、盗む者、甘い汁を啜ろうとする者、手を伸ばしてしまう者…。
“シャイロックの子供たち”の欲が蠢く金の世界。
そんな世界を見せつけられ、本当に銀行や行員は信用に値するのかと疑念すら沸いてくるが…、
作品を通じて、何もそれだけじゃないという事を訴えているのを感じた。
こんなこと結構ありそう
紛失したお金なくなって上層部で補填
どこでもあるのね
よく聞く話 まあなくなったら面倒だもんね数万円くらいならいいかなってってあるよね
玉森くんだっけジャニーズのぴったりの役だったね
とにかく上戸あやが可愛すぎて可愛すぎてこんなの会社にいたらいっぺんで惚れてしまう自信がある
それに引き換え玉木宏の嫁さん 木南遥香もうちょっと重要な役どころとして使ってやって欲しかった
ストーリーとしては淡々と進んでいって終わりも結構あっさりしてる
とにかく上戸彩が可愛すぎるに限ります
2時間があっという間!ではありません
主演阿部サダヲ、原作池井戸潤。
このパワーワードに惹かれ、観に行きました。
しかも消えた10億円!
それはそれは、ハラハラドキドキもんの映画だろうと期待し過ぎてしまいました。
まず、阿部サダヲさんのキャラクターがどこかで見たことある阿部サダヲさんなのです。
そこでまずストーリーが入ってこなくなり、
キャラクターもよく掴めませんでした。
次に消えた10億円ですが、開始そうそうどこにどう消えるかわかります。
そこから実は、、と種明かしのような展開がありますが、大きな驚きはなく。
むしろ100万円消えた時の方が支店内は大騒ぎ。
金融機関あるある(副支店長が詰めがち、メンタル病む営業マンがいる、何か決まりそうな時粗品多めに持って行きがち、等)は楽しめました。
けれど、映画館で観る価値があったのか、というと疑問が残る作品でした。
個人的一番の盛り上がりは、エンディングでエレカシの曲が流れた時でした。
期待し過ぎはよくないな、、と反省しました。
予想をかなり裏切る面白さ
阿部サダヲが主演。池井戸潤の映画だから安心感はあったし、逆にいうと似たようなワンパターンな話なのではないかという懸念があった。ワンパターンももちろんOKで見に来ている。
しかし、、今回のは違ったなあ。勧善懲悪の物語ではない。
全くはしおってしまいますが、「自分を取り戻すチャンスだ」、佐々木蔵之介の言葉に尽きるかな。かなりズシンときた。
私は、、、なにかとんでもない罪はしてないですが、やはり人生にやり残していること、過去の出来事に回収していかないといけないことはある。
人生って。。。考えさせられます。半沢直樹みたいなカッコ良さはないんだけど、全体的にほのぼのとコメディタッチで描かれていましたね。
また佐藤隆太の息子の言葉に、涙腺崩壊、感涙必至である。
僕は、全体的にかなり高く評価します。また見たい。やや間延びはある。
俳優陣、豪華すぎる。だから締まるのである。
お金のグレーゾーン
「ベニスの商人」のシャイロックをタイトルに付ける銀行員たちのお金にまつわる群像劇。
お金の魔力に取り憑かれた人間たちの顛末を、ある融資から裏の顔が紐解かれる。
「お金には名前がない」という言葉もあるけど「お金」の怖さをしみじみ感じさせられた。
また人の倫理観のグレーゾーンを上手くくすぐるところは面白く感じた。
伏線回収と阿部サダヲの演技が神!
劇場で前売り券を購入したが、なかなか気が進まず見に行けませんでしたがやっと観に行くことにしました。
始まりが佐々木蔵之介が”ヴェニスの商人”を観覧しているシーンから始まるのがとても印象的な映画でした。
不正行為をする佐々木蔵之介を発見する調査係がまさかあの人だったとは思いにもよりませんでした。
何故予告編やポスターには阿部サダヲや目黒蓮が出ているのにって思いましたがこれも立派な伏線です。
銀行では当たり前の厳しいノルマと日々戦う姿や100万円紛失事件・10億円融資などカチカチに気難しい内容になりがちですがこの作品はそうはならず、それぞれの家庭や人物の優しさを描いているので個人的には観やすかった。
阿部サダヲの演技は”マルモのおきて”だけしか観たことがありませんが、本当に演技がうますぎる。
部下想いで人情味があり、連帯保証人になり借金を抱えつつもそれを周囲に出すこともなく一生懸命に働く。
本当に銀行員かと思いました。
目黒蓮も日々奮闘している若手銀行員としての演技がとても上手い。
遠藤さんは精神科入院
九条支店長と石本と滝野さんは逮捕
佐々木蔵之介が演じる調査部黒田次長は退職?出向したのかホームセンターの店長に
キーマンの西木さんは退職
マイホームや優しい奥さんに囲まれて幸せな家庭を築いていた滝野さんが石本と九条支店長に利用されていく姿はとても観ていて共感と哀れみを感じましたが、刑務所から出所するシーンで奥さんと子供がしっかり出迎えていてくれて本当にホッとしたのが印象的。
社会的地位は失ってしまいましたが、家族がしっかりと
待っていてくれたのが嬉しかったです。
気難しくもなく、物語に入り込め一人一人のキャラクターに迫れ伏線回収が素晴らしい
そんな作品でした。
もう一度見るのもありかも
金と欲望に苛まれる銀行員
タイトルは『シャイロックの子供たち』、シャイロックというのはシェイクスピアの『ヴェニスの商人』に出てくる強欲な金貸しだが、この映画の舞台は銀行で、登場人物はほとんど銀行員である。銀行というのは金を貸して儲ける仕事だから、銀行員はいってみれば強欲な金貸しの子孫であるという意味なのか。確かに登場する銀行員は、競馬に入れ込んで会社の金を横領したり、架空の不正融資に手を染めたり、耐震偽装された不動産を優良物件として売り込んだりという状況で、欲にまみれて金に翻弄されるところが強調されている。堅い職業の代表のようにいわれている銀行員でも元をたどれば金貸しに過ぎないので、場合によっては極悪人にもなりうるという揶揄がこのタイトルには込められているようだ。
物語は、テレビドラマ『半沢直樹』とは違い、勧善懲悪となっていないところが面白い。主人公の西木が、善良な金貸しとして、数々の不正を見抜き真実を次々と暴いていくという展開になっているが、その西木自身も実は闇金に追われ、最後は、強欲な金貸しとして、不動産詐欺に成功して受け取った謝礼金で借金を完済する。
「金は返せばいいというもんじゃない」というキャッチコピーは、借りた金を返さないのは返さない方が悪いが、ただ、どんな手段を使っても返せばいいというものではないと解釈できる。窃盗した金や騙し取った金で返済するのであれば、借金の清算はできてもあとから決して清算できない自分の罪に向き合わざるを得なくなる。罪を犯した銀行員たちは、その罪を償ったり、会社を退職したりして自分の人生にけじめをつけるが、もう過去の信用が戻ってくることはない。
悪人が一度に集合した希有な支店
原作は読んだことはありません。
支店長は、会社の金を使い込もうとする犯罪者。
副支店長は、昭和まんまのパワハラ上司。
その下の男も、顧客視点に立った発言をした部下を責めるレベルの上司。
営業成績トップの男は、詐欺に荷担した上に現金盗難の犯人。
行員の一人は、気に入らないというくだらない理由で、無実の同僚を現金盗難犯に仕立て上げようとした悪人。
そして、本店から来た監査人までもが、会社の金を遣い込んでいた犯罪者。
で、主人公は、彼らを痛めつける形ではありますが、やはり金を騙し取って、銀行を辞めてしまうという…
凄いです、凄すぎる行員揃いの支店です。
小説なので不祥事を集められるだけ集めたのだと思いますが、評価の低い社員を大して重要でない支店に集めたというのは、人事的にないとは言えないかもしれません。
営業の若手が、病んで神社の灯籠を得意先と思い込み、銀行のポケットティッシュを山ほど積んでお辞儀している姿は、正直泣けました。
また、現金の扱いが雑なお客様係の若手にも呆れましたが、転職失敗してたのはリアリティありました。同業他社、特に金融で不祥事ネタが伝わらないはずはないです、世界狭いので。
個人的にはラスボスより、無実の同僚に罪を着せようとした行員が一番腹立ちました。他の者は金に汚いですが、全く無関係の行員を絡めたりはしてませんから。
映画全体感としては、ラスボスを鮮やかに騙してやっつけたのが痛快でしたので、満足でした。
ストーリーが分かりやすい
この手の映画は、誰が影の存在か?となり、色々な人を怪しい存在にするため、話が複雑になりすぎて、ストーリーが入ってこない作品が多くあるように思いますが、この映画は、そういった要素はなく、それでいてストーリーもしっかりしていて、うまく話もつながるので、大人から子供まで楽しめる映画だと思います。
また、謎解きから復讐まで、面白要素満載なのもいいです!
なんだよーもらっちゃうのかよ😓
うーむ😅もう少しカタルシスがある作品かと思っていたが、最後のとりで あなたも受け取っちゃうのかよー😱なんだよー
まともな銀行員が一人もいないというお話になっちまったじゃない。
て言うかそれが現実ならおそろしいお話ですな。
話の展開は面白かったのだが勧善懲悪的な展開にならずスカッとしなかったので星みっつ止まりで
池井戸潤作品の安定の面白さ
(ネタバレですので鑑賞後にお読み下さい)
今回もさすがに練り上げられた池井戸潤さん原作の面白さがあったと思われます。
本木克英監督の同じ池井戸潤さん原作の映画『空飛ぶタイヤ』は、正直WOWOW版のドラマの方がはるかに良くて、短い時間の映画ではきちんとしたそれぞれの関係性が描かれていない印象で食い足りなかったですが、今回の映画『シャイロックの子供たち』はWOWOW版とはまた違った面白さある映画に仕上がっていたと思われます。
石本浩一役の橋爪功さん、沢崎肇役の柄本明さん、九条馨役の柳葉敏郎さん、などは楽しそうに演技していて、西木雅博役の阿部サダヲさんの演技と合わせて映画を快活にしていたと思われました。
北川愛理役の上戸彩さんや田端洋司役の玉森裕太さんも魅力的で、黒田道春役の佐々木蔵之介さんの存在感もさすがで、その他の滝野真役の佐藤隆太さん、忍成修吾さん渡辺いっけいさん杉本哲太さん木南晴夏さんなど、見ているだけで楽しい映画になっていたと思われます。
強いて欠点を上げると、やや題材スケールが小さい印象なのと、黒田道春(佐々木蔵之介さん)から映画が始まっているように、明確に主人公・西木雅博(阿部サダヲさん)を掘り下げた映画になっていないのが傑作になり得ていない点だとは思われました。
(冒頭の劇も私は必要ないとは思われました。もちろん黒田道春の帯封エピソードをどう入れるかの苦肉の策だったろうと一方では思われながら)
ただ、難しいことは考えず、(ある水準の)リアリティあるストーリーとそれぞれの役者陣の演技を見るだけでも、十分満足感ある映画だと思われました。
映画としては
まぁ普通かなw
池井戸作品は半沢しか見てない程度。
話としては面白いんだけど、限られた時間の中でまとめるとまぁこんなものかなと。
展開は良くできているし、役者さんも良い。
だけど、いまいち最後の爽快感に欠けるというか、迫力が無いんだよな。
淡々としすぎというか…
時間的にしょうがないのかもだけど。
ドラマで、もう少し話を深掘りしても良さそうだな。
ストーリー的にはタイトル通りかな。
そんなにスッキリする話でもないしな。
貸したものを返せばいいという訳では無い
私にとって初の池井戸作品だが、本作は原作やドラマに対し、大幅な改編があるという。そんな事は露知らず、いつも通り何の予備知識も無いまま鑑賞。物語は佐々木蔵之介扮する検査部次長の黒田と妻(森口瑤子)の『ヴェニスの商人』の観劇から始まる。タイトルのシャイロックの説明かと流していたが、この劇が重要だったのだ。シャイロックは強欲な金貸しとして描かれるのだが、妻は『貸したものを返せと言ってるだけなのにね』というと黒田は相槌をうつも『貸したものを返せばいいという訳では無い』と呟くのだった。
赤がシンボルカラーの東京第一銀行の長原支店には、さまざまなタイプの人間がリアルに配される。主役の阿部サダヲ扮する営業課課長代理の西木雅博、じっと構える支店長の九条(柳葉敏郎)、典型的なパワハラ副支店長の古川(杉本哲太)、お客様一課では腰巾着的な課長の鹿島(渡辺いっけい)、課長代理の滝野(佐藤隆太)、後に精神を病む遠藤(忍成修吾)など。滝野は赤坂支店から異動後間もないが融資営業成績も良く、支店のエースと目されていたが顧客の石本(橋爪功)からペーパーカンパニーの10億円の架空融資を持ちかけられる。前の赤坂支店時代の融資に伴い1000万円のリベートをもらった経緯があり、“真っ当な銀行員でなくなった”滝野は断れない。さらに石本は利払いの建て替えで100 万円を要求。切羽詰まった滝野は二課の田端(玉森裕太)が目を離したうちに100万円を横領してしまう。その“帯封”を社食で見つけた二課の麻紀(木南晴夏)は気に入らない営業課の愛理(上戸彩)のロッカーにそれを忍ばせる。愛理に嫌疑がかかるも西木が庇い、上司4人の折半で済ませてしまうが、先の10億円の架空融資が発覚し、黒田が乗り込んでくる。黒田は100万円紛失の件を知り追及するも、過去に黒田が競馬につぎ込むため横領した金を戻すときに落とした“帯封”を突きつける九条に屈して不正の告発を見送る。そこで西木は10億円架空融資の裏に石本と九条が絡んでいることを掴み、馴染みの顧客の沢崎(柄本明)の持つ耐震偽装物件を西木曰く『ハッキリと詐欺だな』という手口で石本に売り抜けて15億円せしめる“倍返し”を果たすのだった。その後、滝野は黒田に不正を告白し、滝野と石本、九条も逮捕。2年の刑期を終えた滝野は妻子に迎えられ、黒田も転職して小売で販売に従事。一方、西木も銀行から去ってしまう。愛理と田端が『ヴェニスの商人』を観に行こうとして劇場へ向かう時にエレベーターから降りてくる西木を見かけるが、愛理は西木と行き違い見失ってしまうというところでエンドロールを迎える。
ハッキリと詐欺な展開は爽快感が無いので、上映後しばらくは疑問に思っていたが、これが本木克英監督の狙いだろう。原作では西木が100万円紛失の実情を掴んだ早い段階で失踪してしまい、羽田沖で同年代男性の死体が見つかるが西木ではないというところで終わるようです。映画では西木もこの詐欺的展開を主導し、“真っ当な銀行員でなくなった”ことで穏やかにはいられないということなのだなとだいぶ時間が経ってから気付かされる奥深い作品。
【最高傑作】とまでは言い切れないが、エンタメとしては十分見応えありだった!!
原作は既読です。
映画版は、原作とは180度くらい内容が違いますが、どちらも甲乙付け難いくらい面白い作品でした。
池井戸潤氏の作品は、某作家(ご想像にお任せします)の作品と比べ、当たり外れが少ない印象があります。
内容は、ストーリー展開はベタで、トリッキーな演出もなく、テンポもよく進みました。
合理性や整合性も、きちんと処理されているので、見応えある仕上りでした。
そして、救いのあるクライマックスは、とても良かったと思いますが、それでカタルシスを得られるかは、人により微妙かと思います。
結論は、全体を見渡せば良作ではあるけど、池井戸作品であるからこそ、鑑賞する側の要求は高いので、ゆえに邦画全体の最高峰とまでは言い切れないかもしれません。
完全に詐欺には詐欺で返します
勧善懲悪ではないのでスキット感が足りないがこれが現実に近いのも間違いない。銀行ストーリーのひとつとして観ましたが銀行マン以前にコンプライアンス欠如が甚だしい。チェック機能の欠如、ダブルチェックなし、など現在ではあり得ない。
内容としては帯封が無造作に扱われて証拠を残す展開をリピートするのはちょっと安易過ぎる。まして代わりに振り込んだ振込控を職場のゴミ箱になんて絶対捨てないでしょう。私の犯罪を見つけてくださいと言わんばかりで疑問が?
色々言ってますが作品はとても面白く楽しめるものでした。キャストも良かったと思います。
是非映画館で🎦
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おもしろかったが
展開としてはやはり半沢直樹と似ているけれど、最後まで楽しめた。
映画館で声を出して笑う人がいるが、映画によってはいいとして、精神的に追い詰められた遠藤が神社の狛犬に幻覚を見てしまうシーンで、笑っている人が複数いたことには妙な気持ちになった。そこは笑うシーンではないと思う。
テレビドラマな
銀行内で横領を2時間の映画にしちゃった作品。
登場人物が大物俳優ばかりで誰が主演か錯覚してしまう。前半目立たなかった阿部サダヲさんがいきなり事件に興味をもち次々とナゾを解明していく。大掛かりな(?)詐欺まで仕組む。まあ、痛快と言えばそうなんだけど、映画はこう来なくっちゃと思わせたりもした。
全60件中、21~40件目を表示