シャイロックの子供たちのレビュー・感想・評価
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帯封
帯封に日付まで入っているなんて!知らなかった。つい最近、銀行から引き出したときには、怖かったのですぐカバンに入れてすぐ他行に入金。帯封なんてすぐに破り捨ててしまったけど、取っておけばよかったなぁ。滅多に見ることがないんだし・・・
時代なのでしょうか、大金を下ろすときって必ず「何に使うんですか?」と係に聞かれる。自分が詐欺に遭いそうな人間に見えるのだろうか、マニュアルに沿ってるだけなのか、単に興味本位なのだろうか・・・詐欺撲滅するのなら、一体いくらから訊ねるのだろうか。銀行員の方にに逆に問いたい。ATMでの引き出しが最も詐欺に絡んでるだろうに・・・ふと思い出したのが、貯玉していたパチンコ店から20万円ほど下ろした(?)ときにも聞かれたこと。「君にプレゼントを買うためだよ」などと言っておけば良かったと後悔するばかり・・・(アホ)
そんな帯封が二つの事件を結びつける。競馬はねーよなぁ。今じゃ高額の場合、現金で勝ち馬投票券買う人は少ないだろうになぁ。などと思いつつも、これも観客にわかりやすく説明するためなんでしょうけど、「貸す方が悪い」「返せばいいってもんじゃない」という銀行員の本質にも迫るいいドラマだったと思います。
最も気になるキャラは木南晴夏でした。『20世紀少年』の小泉響子以来存在感がありました。てか、いつも気にならなかっただけか。
池井戸潤作品、『半沢直樹』シリーズや『下町ロケット』を見たことないので、余計なことは書かないでおきます・・・(汗)
日に日に麻痺していく世界
映画としては
まぁ普通かなw
池井戸作品は半沢しか見てない程度。
話としては面白いんだけど、限られた時間の中でまとめるとまぁこんなものかなと。
展開は良くできているし、役者さんも良い。
だけど、いまいち最後の爽快感に欠けるというか、迫力が無いんだよな。
淡々としすぎというか…
時間的にしょうがないのかもだけど。
ドラマで、もう少し話を深掘りしても良さそうだな。
ストーリー的にはタイトル通りかな。
そんなにスッキリする話でもないしな。
普通に面白かったですよ
「ゆっくり流れるのが好き」
今までの池井戸作品とは違った「ヒューマンドラマ」。
痛快な展開で、見終わった満足感は高い。しかし「シャイロックの子供たち」というのはどういう意味なのかすぐには呑み込めなかった。シャイロックというのは「ヴェニスの商人」に出てくる、強欲な金貸しのことだ。一方銀行は、資金を事業者に貸し付けて経済を支える重要な役割を担っている。単なる金貸しとは根本的に違うはずだ。しかし、銀行マンでありながらシャイロックのような私利私欲に走る金貸しになってしまう者も少なからずいる。この物語は、そんな悲しい銀行マンを描いているようだ。
銀行マンとシャイロックは紙一重である。誘惑に負けたり、良心に一瞬目をつぶればすぐに転落する。「金は返せばいいというわけではない」という黒田のセリフは、銀行マンの高い倫理意識を表したものだろう。そしてそれを守れなかった自分の弱さへの自戒でもある。
阿部サダヲが(主人公の)西木を演じることで、この作品の性格がほぼ決まったと言える。上からは期待されない、出世コースから外れた銀行マンの意外な大活躍である。阿部サダヲにぴったりの役どころと言える。銀行と詐欺事件というとてもカタイ話なのにヒューマンドラマっぽくなっているのは、阿部サダヲのキャラクターが効いている。西木と一緒に不正を追及する北川と田端も、池井戸作品に共通している「真剣勝負」のような緊迫感というよりは、微笑ましい感じになっている。
今までの池井戸作品からすると物足りなさを感じる部分もあるかもしれないが、これはまた違う味わいのとても楽しい作品になったと思う。
基本は性善説。だけど、やられたら倍返しだってな!
「倍返し」は、池井戸潤の描く銀行には必ず出てくるのかな。
忌み嫌われた金貸しの守銭奴にも、守銭奴なりの正義はある、か。騙されたのはこっちのほうだ、悪意で騙したほうこそ悪い、と。テンポよくて、"日曜劇場"感もあって、キャラもわかりやすくて、当然、どんでん返し的なラストを持ってきてるし、まあまあ楽しめた。
だけど、そもそも、大ごとになった時点(滝野が腹くくった時点とでもいうか)で、滝野が赤坂なんちゃらに乗り込めば一件落着の方向に進んだんじゃないのかな?という疑問、石本もよくも平気で長原支店に顔を出せるなという疑問、、、いろいろとモヤついてしまっていたんだよな。小説ならそこのあたり丁寧に仕掛けがされてるのだろうか。
しかもラスト、なんだ、みんな、同じ穴のムジナですか。みんな、身きれいなわけではないんですか。勧善懲悪よりも妙にリアルだから、それはそれでいいのか。
死んでなくて
「今日も一日頑張るぞ!」が普通に見えてしまう
たまたま聞いたラジオに本木克英監督が出ていて、崔洋一の後を受け日本映画監督協会の9代目会長になったことを知った。なんとしてもヒットさせねばという松竹のメンツがこれだけ劇場での予告ヘビーローテ含め大プロモーションになる所以であろうか。私とほぼ同世代、大卒で松竹に入り森崎東や木下恵介の助監督を7年間やり自身も「釣りバカ」を3本撮っているだけあってどっぷり松竹カラーというかなんとも懐かしいオールドスタイルの日本映画を久々に観た気がする。(大学の頃映画研修会でポスターのビラ下券が手に入り大宮セントラルで松竹の封切り映画をいつも只で観ていたことよ)オーソドックスな寄り引きのアクションでつなぐカット割りやカメラワーク、冒頭の「ヴェニスの商人」の舞台演技をそのまま本編に持ち込んでしまったかのような大きな芝居で分かりやすい演出。嫌いでは無いのだが佐藤隆太が帰宅して奥さんが「お風呂にする?ご飯にする?ビール飲む?」なんてやっているのを見るとなさけなくもなる。阿部サダオがこの映画の現場で「死刑に到る病」の台本を読んでいたというのだからこちらが先にクランクアップしていたであろうのにバッティングを避け公開まで時間が掛かったということか。銀行員がこれだけ簡単にATMの裏から札束を出し入れできるとしたら大問題でしょ。ありえないというか。ちょっとねぇ。
面白いんだが
貸したものを返せばいいという訳では無い
私にとって初の池井戸作品だが、本作は原作やドラマに対し、大幅な改編があるという。そんな事は露知らず、いつも通り何の予備知識も無いまま鑑賞。物語は佐々木蔵之介扮する検査部次長の黒田と妻(森口瑤子)の『ヴェニスの商人』の観劇から始まる。タイトルのシャイロックの説明かと流していたが、この劇が重要だったのだ。シャイロックは強欲な金貸しとして描かれるのだが、妻は『貸したものを返せと言ってるだけなのにね』というと黒田は相槌をうつも『貸したものを返せばいいという訳では無い』と呟くのだった。
赤がシンボルカラーの東京第一銀行の長原支店には、さまざまなタイプの人間がリアルに配される。主役の阿部サダヲ扮する営業課課長代理の西木雅博、じっと構える支店長の九条(柳葉敏郎)、典型的なパワハラ副支店長の古川(杉本哲太)、お客様一課では腰巾着的な課長の鹿島(渡辺いっけい)、課長代理の滝野(佐藤隆太)、後に精神を病む遠藤(忍成修吾)など。滝野は赤坂支店から異動後間もないが融資営業成績も良く、支店のエースと目されていたが顧客の石本(橋爪功)からペーパーカンパニーの10億円の架空融資を持ちかけられる。前の赤坂支店時代の融資に伴い1000万円のリベートをもらった経緯があり、“真っ当な銀行員でなくなった”滝野は断れない。さらに石本は利払いの建て替えで100 万円を要求。切羽詰まった滝野は二課の田端(玉森裕太)が目を離したうちに100万円を横領してしまう。その“帯封”を社食で見つけた二課の麻紀(木南晴夏)は気に入らない営業課の愛理(上戸彩)のロッカーにそれを忍ばせる。愛理に嫌疑がかかるも西木が庇い、上司4人の折半で済ませてしまうが、先の10億円の架空融資が発覚し、黒田が乗り込んでくる。黒田は100万円紛失の件を知り追及するも、過去に黒田が競馬につぎ込むため横領した金を戻すときに落とした“帯封”を突きつける九条に屈して不正の告発を見送る。そこで西木は10億円架空融資の裏に石本と九条が絡んでいることを掴み、馴染みの顧客の沢崎(柄本明)の持つ耐震偽装物件を西木曰く『ハッキリと詐欺だな』という手口で石本に売り抜けて15億円せしめる“倍返し”を果たすのだった。その後、滝野は黒田に不正を告白し、滝野と石本、九条も逮捕。2年の刑期を終えた滝野は妻子に迎えられ、黒田も転職して小売で販売に従事。一方、西木も銀行から去ってしまう。愛理と田端が『ヴェニスの商人』を観に行こうとして劇場へ向かう時にエレベーターから降りてくる西木を見かけるが、愛理は西木と行き違い見失ってしまうというところでエンドロールを迎える。
ハッキリと詐欺な展開は爽快感が無いので、上映後しばらくは疑問に思っていたが、これが本木克英監督の狙いだろう。原作では西木が100万円紛失の実情を掴んだ早い段階で失踪してしまい、羽田沖で同年代男性の死体が見つかるが西木ではないというところで終わるようです。映画では西木もこの詐欺的展開を主導し、“真っ当な銀行員でなくなった”ことで穏やかにはいられないということなのだなとだいぶ時間が経ってから気付かされる奥深い作品。
やられたらやり返す、詐欺返しだ
【最高傑作】とまでは言い切れないが、エンタメとしては十分見応えありだった!!
原作は既読です。
映画版は、原作とは180度くらい内容が違いますが、どちらも甲乙付け難いくらい面白い作品でした。
池井戸潤氏の作品は、某作家(ご想像にお任せします)の作品と比べ、当たり外れが少ない印象があります。
内容は、ストーリー展開はベタで、トリッキーな演出もなく、テンポもよく進みました。
合理性や整合性も、きちんと処理されているので、見応えある仕上りでした。
そして、救いのあるクライマックスは、とても良かったと思いますが、それでカタルシスを得られるかは、人により微妙かと思います。
結論は、全体を見渡せば良作ではあるけど、池井戸作品であるからこそ、鑑賞する側の要求は高いので、ゆえに邦画全体の最高峰とまでは言い切れないかもしれません。
完全に詐欺には詐欺で返します
勧善懲悪ではないのでスキット感が足りないがこれが現実に近いのも間違いない。銀行ストーリーのひとつとして観ましたが銀行マン以前にコンプライアンス欠如が甚だしい。チェック機能の欠如、ダブルチェックなし、など現在ではあり得ない。
内容としては帯封が無造作に扱われて証拠を残す展開をリピートするのはちょっと安易過ぎる。まして代わりに振り込んだ振込控を職場のゴミ箱になんて絶対捨てないでしょう。私の犯罪を見つけてくださいと言わんばかりで疑問が?
色々言ってますが作品はとても面白く楽しめるものでした。キャストも良かったと思います。
是非映画館で🎦
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