「真面目ちゃん」グッバイ・クルエル・ワールド サプライズさんの映画レビュー(感想・評価)
真面目ちゃん
ヤクザ映画、だーいすき。
西島秀俊、斎藤工に加えて、アウトレイジの三浦友和、初恋の大森南朋という最高メンツ。ちゃんとR15だし、雰囲気・音楽ともに予告からして最高級。んー、こんなの期待しないわけ無い。今月期待度ベスト2(1は来週公開)。
このレトロ感、人間臭さ、そして血しぶき。合格。
想像通りの上質ヤクザ映画。血とか暴言とか暴力とか、そんなのが飛び交うのに、なにこの上品さ。汚いのに綺麗。撮影・照明が素晴らしい。大森立嗣監督らしさもありながら、新境地。テンポが良くて非常に見やすい。なんだか、とても居心地が良かったです。
キャラクター設定が明確じゃないのが、やばい現場を目撃しちゃった!みたいに思えて、ストーリーへの興味が増す。が、ストーリーに見応えがないのが残念。なんか、濃いようで薄い。ただひたすらに奪って、殴って、殺しているだけ。グロ描写は結構好みだから、それでも飽きはしないのだけど、今までヤクザ映画で散々描かれていたことが盛り込まれているだけし、それもオマージュでしかなく、歴代に勝るものは無し。もっと、目新しいものが見れると思っていたが、見たことあるようなことばかり。するなら、もっと深く掘り下げて欲しかったしな。もっと狂っていて欲しかったし。
しかし、役者陣は最高品質。
他が強すぎるせいか、宮沢氷魚が弱く見えちゃう。汚職警察官の大森南朋、今の日本に不満を持つジジイの三浦友和、お金と暴力が大好きな取り立ての斎藤工。そして、普通の人生を送りたい主人公の西島秀俊。イケおじたまんねぇ!!改めて、自分ヤクザ映画好きだなぁと。玉城ティナの体当たりな演技にも衝撃を受けたし、配役がカンペキでしたね。
想像よりは面白くなかったけど、ヤクザ映画としての描写・演出は上手くて、そこそこ楽しめました。ラストはヤクザ映画らしくない爽快な締め方で、気持ちよく劇場を出ることが出来たし、満足とまではいかないけど、見てよかったなとは思えました。斎藤工&玉城ティナ好きは是非。