「雑さもあるがセンスが光る」LOVE LIFE サスペンス西島さんの映画レビュー(感想・評価)
雑さもあるがセンスが光る
2022年劇場鑑賞65本目 秀作 68点
予告からしっとりした人間ドラマ感が伝わり結構楽しみにしていた作品
振り返ってみると一番印象的だったのは、夫婦役の二人の会話の無い空白が凄く素敵で、それがお互い冷め切っているからなのか、木村文乃が元旦那をまだ想っているからなのか、永山絢斗がそれに耐え切れず若い子に言い寄られ揺らぎ不倫してしまったからなのか、亡き息子に思いを馳せて時が止まってしまっているからなのか、どれも正解だからこそ全シーンの空白が凄く自然で、観客に想像力で解釈を促すのが素晴らしい。
昨今若者が配信等でセリフがないシーンはスキップしたり劇場では2時間耐えきれないなど、映画を冒涜している風潮が満映しており、それに伴い才能ある監督でも商業的に売れないと、監督としての生命線が途絶えてしまうので、時代に順応すべくセリフ過多で表現が一辺倒な作品が増えています。当方まだ二十台前半で、比較的若い方ですが、昨今の作品作りで排出された興行映画が表現がわかりやすすぎて胃もたれしてしまい好みが極端に分かれてしまいますが、今作は観客をある程度限定にし、伝わる人には伝わる表現がされていて、凄く好みでした。
是非
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