かがみの孤城のレビュー・感想・評価
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原作ファンです
原作に感動したので期待していました。この感動的な物語を、長文読解の苦手な子供も含む、より多くの子供達に届けるために、アニメーション映画にして届けようと尽力して下さった事には感謝しています。社会問題でもある、悩める子供の心に寄り添うような優しい作品は、これからもたくさん作り続けてほしいと願っています。
レビュー評価がかなり高いですが、読んでみると、「伏線回収が素晴らしい!感動した!」という高評価な感想の人達のほとんど!約9割が「原作は未読」とのこと。だからですよ…。伏線回収とか骨太の物語といった、褒められてる点は全て、原作小説のもの。たった一人の小説家が作った物語をわざわざ、何百人ものスタッフが関わって絵と音声と動きを伴う映像化作品にしたのに、映像という特性を生かして描ききれていないです。原作の魅力には到底及ばない、とがっかりしました。原作に感動したファンとしては、なんだこの程度か…が本音です。まして本屋大賞で非常に話題になった小説ですから、大勢の人が読んでいて、この作品の一番の魅力であるどんでん返しは既に知られているのです。それを説得力のある映像にして、観客を納得させて感動させてほしいのですけど。
アニメーションという映像方法の利点や魅力を生かせていません。例えば、キャラクター描写として気になった点ですが、「オオカミ様」はけなげな幼い少女が、威厳をもって怖いオオカミの物語を演じている姿には見えず、ミステリアスな魅力も伝わりません。生きて動く人間としてのリアリティが全然無く、動きがロボットのような出来の悪いアニメキャラにしか見えません。6~7歳とは幼稚園年長か小学校1年生です。亡くなった姉がその姿で現れたのだから、中身は大人に近くても、体の作り、声帯は幼い少女になっているのだから、あんな太い声が出るはずが無いです。甲高く厚みの無い声のはずです。芦田愛菜のあの声は全然、幼い少女の声ではありません。子役など幼くて高い声の女の子が頑張って低い声を出しているか、または、芦田愛菜を起用したいなら、子役時代のような高い声を出して演じてもらうかした方がよかったと思います。原作小説は文字だけしか無いけど、絵も動きも音声もある映像では、「6~7歳の姿」とわざわざセリフで説明しなくても、ぱっと見てひとめで観客が「6~7歳くらいだな」と感覚で納得できる映像でなくては「映像化できた」とは言えないのですよ。こころ達はだいたい中学生くらいだな、思春期の子だな、というのが雰囲気でわかるのに対し、オオカミ様のキャラクターは声も動きも違和感しかありません。映像化するならリアリティと説得力をもってキャラクターを描いてください。
また、主要な登場人物7人がこころ以外は紹介程度に終わっていて、掘り下げられていません。そんな事があったんだ~って匂わせ程度で、7人の個性や感情が伝わってきません。
そのため、例えば、マサムネが大好きなゲームは、スバルが将来大人になってロクレン(スバル星の別名は六連星)というペンネームで作ったゲームだという事に終盤で気づく場面が、本来ならこの伏線回収に感動して、「友達がこのゲームを作ってるんだと嘘をついてたマサムネの嘘が、真実になった」と胸が温かくなり、時を越えた二人の絆に感動するはずですが、ここで感動して良いのかどうか躊躇してしまいます。映画では、マサムネがいじめられていた理由は「このゲーム、友達が作ってるんだ」という発言をほらふき嘘つきと言われた事実のみです。その他にも何かあったのかどうかは何ひとつ描かれていません。普段から承認欲求でつい誇張表現やほらを吹いてしまう性格だったのか、この事だけしか言ってないのか。これだけでは、孤城での記憶を失った後のマサムネがなぜ未来でそんなウソをついたのかわからないし、どこかにおぼろげな記憶が残っていて本当の事を言ったのだとたら、むしろ、孤城での二人の出会いと絆が、いじめられるきっかけを作ったという風にも捉えられます。感動できる場面ではなくなってしまうのです。
原作小説は、読んでる途中で、謎が明かされる前にその謎に気づきました。(時間軸のずれや、信頼できる先生はこの7人の中の誰かが大人になった姿だということ)あーよくあるパターンだなとわかってしまっても、それでもラスト数ページで登場人物の気持ちが伝わってきて号泣しました。映画版は、その感動した肝心な場面が、映像化できてない印象でした。登場人物の覚悟や決意が伝わって来ませんでした。アキが真っ白でまぶしい世界の中で後ろ向きに歩いている姿、アキの絶望や恐怖や拒絶が伝わってきません。むしろ真っ暗闇の中でひざを抱えて動けずに泣いてる方がわかりやすい。でもこれはしろうとがぱっと一瞬で思いつく表現であって、映像のプロが何十人も揃って仕事してるのだから、よりわかりやすく、より切実で感動的な演出にしてほしいです。すごく大好きな場面なのに、映画版では感動できませんでした。
また、もえは、こころにとって特別な友達ですよね、孤城で出会った仲間と同じくらいに。ならば、絵を返しに行って最後のお別れをする場面が少しでもあった方が自然なのでは?遠くに引っ越してもう会えなくなるんですよ?なのにそこはないがしろ。特に前半はかなり時間の使い方がゆったりとしてテンポがよくないと感じるほどなのだから、大事な心理描写を描く時間は作れたと思いますよ。孤城の謎を解く大事なヒントとなる絵が飾ってあったのは、もえの家の玄関、というわざわざ原作と違う部分が、ただのご都合主義にされてしまい、登場人物の心理描写に生かしてないのが残念です。
映画全体として「キャラクターに命を吹き込む」というアニメーションの仕事の精度が低いと感じました。
上下2巻の小説を表現する難しさ。
小説を読んだことがある。
昨日テレビで放送されているのを見た。
テレビなので、もしかしたらカットされている部分があるのかもしれない。
でも、それでも、登場人物ひとりひとりの葛藤や苛立ちやクセみないなものが表現されてなくて、淡々と月日が流れエピソードが続いているように感じた。
やはり原作で伝えている細かな表現がアニメでは尺の関係上難しいんだなぁと感じた。
2時間の間で表現するのはやっぱり難しいんだと思う。
小説は上下2巻あるのだから。
3月になっていくまでに皆んながどんな風に思い城で生活してきたか、それぞれの個性や考え方があるのだけど、私はそれを小説で読んで、十人十色というか、人にはクセがあるというか、人にはそれぞれ色んな考え方や感じ方があることや、自分では到底理解できない人間がこの世にはいることを改めて感じた。
自分を殺して人に合わせる必要なんか本当はないのに、嫌われたくない、とか大好きな人が悲しむから我慢しようとか考えて、自分の気持ちを殺してしまう。先生とか親とか友達とかに言われたことを、本当は嫌なのに、みんなが悲しむし、こうした方がきっといいんだって思い込んで、押し込めてた自分の感情は時が経てば経つほどどんどん苦しくなる。
本当の気持ちを伝えればわかってくれる人がいる。
その反面、話しても意味のない人間もいる。
そして、そこから逃げることは悪いことではない。
とにかく、自分の感じる心に、自分だけは優しく味方でいよう。と、思う。
こんなことを考えさせられる小説だったから
映画を観てじゃあここまで伝えられたかを考えた時にどうなのだろうと考えてしまった。
本当に難しい。
こころちゃんのお母さんの声が棒読みで、もっと違った言い方があるのではと思った。
テレビ鑑賞 今じゃないよ
怒涛の伏線回収 本音は3.85くらい
家族とテレビで見ました。
普通にいい映画だと思うし、まあ感動する人は感動するだろうなという感じ。
結構分かりやすく伏線もはられていて、家族と「ここ伏線だよね」「ここ○○だよね」と話ながら見てましたが、後半ですべての伏線をきれいに回収していったのがすごい。赤ずきんと思わせてのミスリードもうまい。辻村深月ってすごい。
いじめや性暴力(未遂ですむ)の描写(かなり見てて辛い)やいじめに対して無能な教師なんかはかなりリアルさを感じたし、だからこそ奮闘するフリースクールの先生やその親友が引き立ってた。主人公たちも丁寧に描かれていて、いじめなんかの描写もあり主人公たちに感情移入できた。
A1なだけあってキャラデザは好きだし、作画や映像もかなりよかった。
名探偵コ○ンの中の人ネタしてきたときは不覚にも笑った。
テーマも良かった。「いじめなどで悩む子には、守ってくれて安心できる人や場所が必要」というのは、自身の経験もありむちゃくちゃ共感した。
ただ、
1:鍵探しが11ヶ月もあってほぼ進歩なしってどういうこと?
2:主人公とサッカーボーイなんかはいいけど他の子たちの問題は別に解決してないやん
3:展開のスピード変わりすぎ(前半山手線、後半北陸新幹線ってくらい変わってた)
4:ラストに違和感+主人公とサッカーボーイ以外の子たちのエピローグをチラ見せしろよ
5:あの城は結局どうやってできたんだ?(映画で示された部分だけだと納得できない)
とか普通に気になる点は結構あった。
あと、願いの部屋と背景が歯車の部屋が思ってたのとかなり違った。なんか不穏で少し怖さも感じた。もうちょい明るい感じの部屋だと思ってた。
最後に、主題歌担当の優里はまじですげぇ。
良かった。是非とも学校の道徳授業とかで取り入れてほしい作品。ほんと...
良かった。是非とも学校の道徳授業とかで取り入れてほしい作品。ほんと残念なのは例に漏れずキャスト陣。
内容に関してはファンタジーかと思いきや現実の生々しい辛さと年代の違いのミスリード、集められた子供達のそれぞれの後の関係性、オオカミと七匹の仔山羊の童話に準えた謎解きがしっかりと絡んでて綺麗に収まっていた。主人公に対するイジメ描写が引くくらいヤバかったのはちょっとアレだったけど…謎解きも簡単と言えばそうだけどメインはそこでは無く、集められた子供達が境遇を分かち合いしっかりと前に進むまでの過程の物語だと思うのでこれくらいの謎解きで十分に思えた。ただリオンの姉がどうしてあの世界を創れる力を持っていたのかは謎だが病床での「神様にお願い〜」が絡んだファンタジーご都合だと納得 笑
真実はいつも1つ!で笑ってしまった
久しぶりにいい映画を観ました
問題提起とエンタメの融合
優しい童話みたい
アニメとして…
原作既読です。読んで久々に号泣しました。なのでストーリーはもちろん問答無用に素晴らしいです。ただし…アニメとしては、私好みではなかった…なんというかキャラクターが生きていない、活きていない。いちばん無いなと思ったのは、こころの中学校の靴箱。すべての靴が整然と並んでるんですよ。現実の学校を思い出してみてください、性格によってきっちり並べる子もいれば突っ込んだだけみたいにバラッバラに入れる子もいる、綺麗な靴もあれば、べこべこに破履きつぶされた靴もある、のが当然。なのに…このアニメでは、ぜんぶ踵合わせてきっちり。あまりの現実味のなさに、無いなと思ってしまいました。さらに、映画の尺の問題でしょうが、それぞれのキャラの掘り下げがない…それならむしろキャラを減らしてもよかった。
あと、動きがいちいち作り物っぽくてリアリティが感じられない。
もしかして一番最近見たアニメ映画が『君たちはどう生きるか』だからかな?やはり宮崎アニメの動きのリアリティー人間のリアリティーは凄いと感激した直後だから、全体的なアニメーションと画面の拙さが気になって気になって仕方がなかった。
というわけで、評価低めになってしまいました。
孤独でもひとりじゃなければ
られ活
悩める中学生とタイムリープの組み合わせは、最高興行収入邦画『すずめの戸締り』を想起させる。アニメーションの動きもどこかカクカクしていて、新海アニメのようなヌケ感のあるリアリティを背景画に感じないものの、原恵一監督のアニメにはドラマがある。累計100万部を売り上げている辻村深月の原作小説のもつポテンシャルもさることながら、やはり原監督の演出力がただ者ではない証拠だろう。
筆者は原監督が過去に手掛けた『カラフル』、『河童のクゥと夏休み』、『クレヨンしんちゃん、モーレツ!おとな帝国の逆襲』の3作品を鑑賞済なのだが、主人公はすべて子供ながら、実社会でもこういう奴絶対いるよね、という脇役になんともいえない魅力を感じたのである。それは、スーツ姿の小生意気な天使だったり、犬生?斜めにみているやさぐれ犬だったり、昭和ノスタルジーに浸りまくる誘拐犯夫婦だったりするのである。
本作では、主人公のこころちゃんをハズす同級生のいじめが妙にリアルで、教師の前でネコを被るところなんか、当社にいるゴマすり社員と瓜二つ。コロナ禍の在宅勤務が仇となり、そのまま引きこもりになってしまった社会人が日本全国に150万人近くいるらしく、引きこもりがなにも中学生の特権ではなくなってしまっている日本の現状なのである。そんな社会現象を上手にアニメの中に取り込んでみせている原監督なのである。
同じ中学校に通う(はずだった)7人の子供たち。それぞれの理由で学校に通えなくなってしまった子供たちがある日、不思議な光を放つ鏡を通して“かがみの孤城”に招かれるファンタジー。ベースになっているのは、『オオカミと7匹の子やぎ』や『赤ずきんちゃん』といったグリム童話なのだが、複雑化した現代社会にあって子供たちの苦悩も人それぞれ、現実世界では(そのままの姿で)出会うことができない、というルールが伏線になっている。
お城の中で“鍵”を探すというミッションを与えられるものの、子供たちは実に呑気にお城生活をエンジョイしている。時間さえ守れば来城帰宅も自由自在のフレックス制、ゲームをしたりお茶を飲んだり悩みを打ち明けあったり....私達が子供の頃は普段の学校生活の中で普通にできたことが、現代の子供たちにとっては、こんな亜空間を与えられなければままならない、夢のまた夢の日常と化してしまっているのである。○○○がオオカミの仮面を被っていたように、状況に応じたペルソナを被らなければ直ぐにハズされてしまうせちがらい小社会に生きているのである。
そんなリラックスできる夢のようなお城生活をまるで現実世界で実現したような“フリースクール”が現在脚光を浴びているとか、いないとか。学校と家庭のちょうと中間に位置する、オヤジ社会でいう“一杯飲屋”のような場所なのである。勉強は2の次で、ただ同じような境遇の子供たちが一緒にいるだけで自然となごめる場所だという。常日頃猛烈な競争にさらされている子供たちとって、すでに家庭も“ON”の場と化しており、彼ら彼女たちに必要なのは何よりも“OFF”を味わえる空間と時間らしいのである。
フリースクールの喜多島先生の正体がミステリーとなって展開していくストーリーは、途中でかなりネタバレ状態なのだが、ラストのカタルシスへのもっていき方はまずまずの出来。ゲームつながりのスバルとマサムネはともかく、ウレシノとフウカの年の差カップルはその後どうなったのだろう?不登校の説明以外にも、メンバー4人の後日談をエンドロールの中にしっかりいれるべきだったと思うのだがどうだろう?
2度目は良かった
映画館で見た時は、子供向けだと思った。でもテレビで2回目見たら、思いの外いい話だった。一回目に読み取れなかったものが多いのか、精神状態が違ったのか。。なので星だけ3つ付けてたのを3.5に更新。
1度目は謎解きみたいなつもりで見たらその点がややわかりやすくて残念に感じてしまったのが、2度目は単純にいじめ問題と人間関係にフォーカスできたからかも。
より深刻な人権と戦うアキとかの問題に比べ、嬉野くんはいじめられていても自己肯定感が高いように見える。いじめはなくならなくてもきっと少しずつ世間が変わっていくという期待が込められているのかなと思った。
こころちゃんのお母さんの闘い方が素敵。
しかしオオカミ様があまりに芦田愛菜ちゃん。。
一人やや浮いていて、ここも声優さんの方が違和感なかった気はする。。
展開は早めで弛まずに観れた 伏線の回収テンポも良いし、ばら撒き過ぎ...
素晴らしい!
悩める中学生男女7人が鏡の世界の城に招かれ、願い事を何でも1つ叶え...
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