「これから大人になる子どもにもかつて子どもだった大人にも」かがみの孤城 ミッチェルさんの映画レビュー(感想・評価)
これから大人になる子どもにもかつて子どもだった大人にも
とにかくすばらしいの一言に尽きます。
原作未読の中、感動する話なんだろうなという軽い気持ちで見始めたのですが
ストーリーのギミックに感激しファンタジーとしてもめちゃめちゃ面白いなと思いました。
お話の面白さもさることながらやっぱりいじめという問題に対してしっかり向き合ってるのがとても好きです。映画内では主人公のこころちゃんが対面していたいじめという問題に対して、『逃げる』ということを含めたいろいろな選択肢を提示してくれていて、それを仲間と母親と喜多嶋先生が『肯定』してくれているという構図がとても心癒され、そして涙しました。
まずはそこからではないでしょうか。
奇跡で出会った7人〈いや、8人か〉すべての時代にいじめや家庭の問題がありました。作中で友達の萌ちゃんも「転校しても、大人になってもそういう人はいる」ということを言ってました。私もこの映画を仮にすべての小中高生に義務で見せてもこの世からいじめがなくなるとは思っていません。この作品を見たとしても響かない人、いじめをする人は必ず出てきます。
だからこそ私は、今現実に対人関係でいじめを受けていると感じているすべての人にこの映画を見てもらいたいです〈大人も子どもも関係なく〉
学校でいじめられていると感じている子は『逃げる』という事を含めたすべての選択肢が正解だと思ってください。お父さんお母さんあるいはいじめに関する相談に乗ってくれる場所もいっぱいあります。そして今はとてもつらいと思いますが、必ずこのつらい期間は『過去』になります。作中の言葉を借りるなら、どんな回り道をしてもいいですからただただ生きることを諦めず『大人になって』ください。
そして自分のお子さんがいる方はもちろんですが、大人の皆さんはそういった子の「逃げ場所」「居場所」になれるといいですね。私も人生まだまだですが、作中の素敵な大人たちのように子どもに様々な選択肢を提示して『肯定』してあげられる大人になれるよう日々精進です。
そんな事を考えるきっかけをくれたこの素晴らしい映画との出会いに感謝しかありません。
原作はまだ未読なのでこれから買って読むのが楽しみです。