劇場公開日 2022年12月23日

  • 予告編を見る

「孤狼のかがみ」かがみの孤城 サプライズさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5孤狼のかがみ

2023年1月6日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

難しい

幸せ

あけましておめでとうです。
2023年もよろしくです。
新年は昨年公開の「かがみの孤城」からスタート。

「ハケンアニメ!」の辻村深月原作小説を、「映画クレヨンしんちゃん モーレツ!オトナ帝国」の原恵一監督が映画化。そんな最高のタッグで期待する反面、絵のタッチと予告には引かれず、少し不安だった。しかしながら、予想外にも高評価だったため、ハードル高めでの鑑賞。正直に言うと、自分にはあまりハマらなかったが、辻村深月と原恵一の良さがすごく出ている作品ではあったと思う。

願い事が1つ叶う鍵を城の中に隠した、という狼。
序盤の展開的にも謎解き要素を期待したが、モヤモヤが残る解決だったし、納得がいかなかった。なんの関係があったのだろうか、結局なんの意味を表していたのだろうか。意外にもそこが描けておらず、不完全燃焼だった。自分が理解していないだけか?

学校に行けていない孤独な7人が1つのお城に集められる。ラストの伏線回収はお見事なものだったが、群青劇としての面白さは無く、主人公以外のキャラクターの掘り下げもイマイチだった。高山みなみだからと言ってあのセリフは、劇場でも相当白けた。せっかく演出もテーマもいいんだから、そこはしっかりして欲しかったなぁ。

でも、流石原恵一監督。すごく引き込まれる演出とセリフがグッと胸に刺さり、予告では苦手だと感じていた作画も難なく受け入れられた。それぞれ、孤独感を抱えていながらも、同士と出会い、最終的には希望の光を見つけ、そこに走っていく。ラスト際はそんな秀逸な脚本と演出のおかげで、結構心打たれた。

説明不足は否めないが、総じて見ればいい作品であったと思う。若者の自殺が後を絶たない中、このような作品が公開されることは、非常に意味があると思う。肩を並べ、寄り添ってくれる映画。見て後悔するものでは無いと思います。ぜひ、劇場で。

サプライズ