「SFファンにはオススメできない(?)」かがみの孤城 サブレさんの映画レビュー(感想・評価)
SFファンにはオススメできない(?)
不登校になった主人公が不思議な色に光る鏡に誘われ、中に入ると孤城に似たような境遇の6人の子供がいて…?という作品。
城には願いが叶う不思議な鍵がある。しかし願いを叶えると城の中の思い出が消えてしまう。中盤以降が鍵をとるか、思い出をとるかで揺れ動き、揺れた心が現実世界の悩みを共有するきっかけになっていたところまではすごく良かった。
問題は終盤、城で過ごせる最後の一日になってからだ。
なんで『城で過ごせるのは日本時間の9-17時』というルールに違反したら連帯責任になるって設定なの?物語としての必然性がなくない?こころが皆を救い、アキを皆が救うオチにしたかっただけなのでは?
アキを皆が救うオチにしたかったのは、大人になったアキがみんなを救うからだ。アキを救ったことでみんなが救われるから記憶が消えても大丈夫…という作りなのだ。(ひとり救い漏らしがあるけど…)
ただ、アキの現実世界のトラブルは解決できてなくない?いくら救ってくれたことを支えにすれば大丈夫とはいえ、城の外には誰もいない。ルール違反のきっかけにもなったヤバいのがいるのに、大丈夫ってホントか?それ。
あと、物語全体が7匹のこやぎになぞらえられているのもわからない。やはり必然性も理由もないように見える。原作を読むと違うのだろうか…?あるいは、ちゃんと読むべきは7匹のこやぎのほう…?
…と不平を垂れるのは、私が設定ガチガチのSFが好きだから、同じように捉えたくなってしまうからなのだが…
話自体はよくあるいじめものだが、救う救われるの循環がある点はすごく面白かった。しかしそれを面白いと思うのは私がSF好きだからで、SF好きからしたら必然性のない設定にもやもやしてしまい………
私は何を言っているんでしょうね?