「純粋に人を想う貴重な作品」かがみの孤城 picturereさんの映画レビュー(感想・評価)
純粋に人を想う貴重な作品
近年のオシャレでキラキラ作画を魅せるアニメとは違う。本当に観る人の人生のために作られている映画作品。
ファンタジーミステリーを通して、今の生きづらさの先には、数々の可能性があるのだと人を励ます作品。既存の学校に居場所を無くした中学生が主人公ですが、登場人物も多いですし、とりまく大人模様もあり、大人でも自分ごととして力をもらえる。
原監督が職業監督に徹したとコメントしているように、原作の辻村さんの「あの時の10代の私に届けたい物語」を2時間で伝えることに徹したのだと思った。
かつての自分にかけてやりたい言葉、それはそれだけで同じような誰かを救う可能性がある強いメッセージだと思います。
謎解きも分かりやすいかもしれないし、オシャレな表現はない。かなり地味な前半がゆっくり進む。
でもだからこそ、2時間でこころちゃんの心の機微が明確に立ち上がっている。
そしてラストで彼女は一気に突き進む、その爽快感がすごいです。
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