「逃げることは悪くない」かがみの孤城 bionさんの映画レビュー(感想・評価)
逃げることは悪くない
ラスト近くなって、かがみの孤城の成り立ちとオオカミ様の正体が鈍感な自分でも気づくようにストーリー的にも視覚的にも大きく仄めかされる。心の準備はできたとはいえ、ラストはやはり切ない。その切なさが、7人の希望につながっていく。
不登校になってしまった7人。こころは、「学校に行かない」のではなく、「学校に行けない」。
陰湿で精神的に追い込むイジメのシーンを見ていると、不登校が唯一の生き延びる手段であることだと納得できる。
原作では、7人それぞれにバックストーリーがあったらしいが、2時間にまとめるために、こころに焦点をおいた物語になっているらしい。7人の関係性についてのミスリードが上手い。ありがちなSF設定を逆手にとっている。
逃げることは悪くない。逃げる場所を作ってあげよう。
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